週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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コントロール(トラップ)

一般に、ボールを「トラップ」する際、接触する足を引くように教える。
これが完全に間違いであることを示すと共に、正しいコントロール法を見る。


地上編

-正しい動きと間違った動きの比較

正しいコントロールとは


正しいコントロールは、以下の要素で構成される。


-正しいコントロールの要素

地面と足でボールを押さえる

逆回転の重要性

足首の変形

重心移動

これらを用いることにより、足を引く動作では絶対に得られない、様々な利点が得られる。

-正しいコントロールの利点

勝手に止まるメカニズム

方向の変化

次のプレーへ移る

接触時間、バランス

見合いとコントロール

まとめ

次に、間違いである引くトラップと正しい方法をシュートの場面で比較する。

-コントロールの違い、引くトラップの問題点

シュートへつなぐコントロール、問題編

シュートへつなぐコントロール、正解編

印象の理由

引くことの嘘

以上のように、引く動作ではボールをコントロールすることができず、それを行う選手は例外なく下手である。

次のような、誤った指導は根絶されなければならない。

-誤ったトラップ論

誤った指導法、パター型と引くトラップ

嘘の言い分、現実を理屈に閉じ込めること

引くトラップとパター型インサイドの嘘は、共に間違った理屈に現実を無理やり押し込むことから生じている。

*補足
地面にあるボールについて、簡単な状況では一般に考えられているものと異なるタイミングでルックアップが行われる。

コントロールとルックアップ


空中編

最初に、空中のボールにおいても「引く」という要素は必要ないことを見る。

-受動的接触、変形によるコントロール

空中、背後からくるボールのコントロール その1

空中、背後からくるボールのコントロール その2

空中、背後からくるボールのコントロール その3

意図的な操作をともなわないコントロールに対する推察

浮き球、インサイドでのコントロール その1

浮き球、インサイドでのコントロール その2

思い込みと見え方

空中にあるボールのコントロール、簡単なまとめ

以上のように、引くという動作なしでボールをコントロールすることが可能である。

次に、地面を利用したコントロールを見る。

-地面を利用したコントロール

地面と挟むコントロール、インサイド

地面を利用したコントロール、アウトサイド

地面を利用したコントロール、足の裏、三回衝突

コントロール、浮き球、足の裏、ニュートラル


コントロールにおいては、ボールを適切な位置に置かなければならない。
また、それと同時に、自らの体勢を次のプレーに適した状態にしなければならない。
忘れられがちであるが、体勢をコントロールすることは、ボールをコントロールすることと同等もしくはそれ以上に重要である。

-コントロールと姿勢

やや浮いたボールのコントロールと姿勢、楔を受けてすれ違い

やや浮いたボールのコントロール、良い姿勢のつくりかた

コントロールとその後の姿勢

サッカーにおいて、正対という概念が最も大切であった。
コントロールの方向、距離、回転を決めるものは、次のプレーのアイディアである。
そのアイディアの中に正対が入っていなければ、どんなに上手くボールをコントロールできたとしても、結局は下手なプレーを繰り返すしかない。

次に、コントロールと正対について見る。

コントロールと姿勢、正対

コントロールと姿勢、正対2

以上において、ボールを浮かせる、浮かせないよりも、コントロール後に良い姿勢をつくることがいかに重要であるかを見ることができる。
次に、姿勢の崩れと理由について見る。

コントロール 浮かせまいとする場合、引くこと

コントロール 姿勢の崩れと理由

次に、質問を多くいただいた、いわゆるライナー性のボールの止め方を見る。

やや浮いて横から来るボールの止め方 1

やや浮いて横から来るボールの止め方 2

やや浮いて横から来るボールの止め方 3

止まる動作と止まらない動作の比較 1

止まる動作と止まらない動作の比較 2


コントロールの全体

最後に、コントロールの全体像を見る。

コントロールの全体 -- 体を浮かせること

コントロールの全体 -- 緊張の緩和

コントロールの全体 -- 体全体の移動

コントロールの全体 -- 浮くことと落ちること

コントロールの全体

コントロールと育成

結論として、コントロールは地上、空中を問わず以下の形をしていると考えられる。

前回は、コントロールと育成について見た。

ここでは、コントロールとルックアップについて見る。

コントロールは、周辺状況を把握しなければ正確に行うことは不可能である。

このため、ボールの移動中にルックアップ、ボールを見て接触、接触が終わってから再び目を上げる、という動作が良く見られる。

この流れにおいて再び目を上げるタイミングは、早ければ早いほどよい。

その方がより新しい状況を把握した上で次の動作を決定できるからである。






























動作としては、ボールに触る前に、地面についた踵を浮かせている。





そこから地面との間に挟む。




地面に押し付けられたボールが小さく跳ねる。








ボールに対して上から下に力が加えられ、そのために一度ボールが浮く。

前に見た表で言えば、浮くこと、体の向きと位置の変更、縦にボールを触ること、といった要素が見られる。

つまり、これは浮くことを基調としたコントロールの一種である。

ここでの大きな特徴は、ボールに触れる前に目を切ることである。






ボールに触れる前に目を上げ、正面から画面左方向を見ている様子がわかる。

次の例では、画面左の選手がパスを受ける。
























足の動きから、上からボール触れるコントロールであることがわかる。







顔の向きの変化は以下のようになる。




接触前に目を上げ、画面左方向を見る様子がわかる。

以下の例も、ボールに触れる前に目を離す様子が見られる。










ここで一度ルックアップしている。
もう一度目を戻す。








ここでもう一度ルックアップする。
同時に一度伸び上がり、上からボールに接触する様子が見られる。



ボールに触れる前に、すでに顔が上がり、中央を見ている。







以上の3つに共通するのは、上からボールに触れるという点と、ボールに触れる前にボールから目を離すという点である。

このように、ボールを見ずにコントロールできるのは、浮くことを基調としたコントロールにおいて、ボールが勝手に止まるメカニズムが存在するためだと考えられる。

引く動作で止める場合、ボールと足との接触点が非常に重要になる。
それを正確に行うためには、足を引きながら接触までボールを見る必要があり、途中で目を離すことは非常に難しい。

前にも述べたように、一瞬でも早くルックアップを行えば、より新しい情報を入手した状態で次のプレーに移ることができる。

これは、サッカーをプレーする上で大きな利点となると考えられる。

現在のところ、コントロールについては以上である。



補足:
最後のコントロールその後






















前回、コントロールは全体として以下の形をしていると考えられることを見た。



一方で、「トラップではボールの方向に足を引きなさい」という指導が存在する。

これまでに見たように、足を引くトラップは、浮くものに比べてボールを止めにくく姿勢を崩しやすい。

そのような技術は、練習するだけ無駄であり、無駄であるどころか有害ですらある。

なぜならば、足を引く動作は、浮くいて行うコントロールと真っ向から対立するからである。。

まず、足を引くためには、そのために筋肉を操作しなければならない。
操作するためには筋肉を緊張させざるをえず、それは筋緊張の緩和を基本としたコントロールとは矛盾する。

次に、ボールに触れる足を引くためには、一方の足が地面についていることが望ましい。
これは、両足が空中にあるよりも、一方の足を踏ん張る方が足を引きやすいためである。
このため、浮くという動作が含まれない。

最後に、足を横に引くため、上から下に落ちるという動作は含まれず、当然ボールを縦に触ることもない。

浮くコントロールと足を引くトラップは完全に矛盾する。

このような動作を習得した選手が浮くコントロールを習得しようとした場合、体に染み付いた矛盾する動作がそれを阻害する可能性が高い。

特に、若年層に引くように指導することは危険である。

トラップの入り口として、「足を引きなさい」と教えてしまうと、それが習慣化してしまい、いざ普通のコントロールを習得するときに悪い癖として残ってしまう。

ある動作がそれと矛盾する動作への導入となるとは考えにくく、最初から引く動作は教えない方が良い。

この辺りの事情は、パター型のインサイドと同様である。

浮くコントロールを正しいとする理由は、これまでに見た画像からそのような結論に達している。

ただし、これまでに見た画像が、浮くコントロールに有利なものを選んでいるだけである可能性は捨てきれない。

その点についてはご検証いただき、反証などあればお教えいただきたいと考えています。

次は、コントロールとルックアップについて見る。
これまで、いくつかの状況でボールコントロールについて見てきた。

分類すれば、地面に近いもの高く上がったものその中間にあるものそのまとめ的なものである。

それらを総合すると、コントロールは、全体として次のような姿をしていると考えられる。



大きな要素は3つある。

第一に、筋緊張の緩和による接触部分の開放、それによる受動的接触による緩衝である。

次に、地面から足を開放することによる体の向きと方向の変更がある。

最後に、上から下に落ちることによる、短時間での接地、姿勢の確保。これにともなうボールに縦に触ることによる地面の利用が挙げられる。

以上を、浮くという動作が包みこんでいる。

正しいコントロールには二つのことが不可欠であった。

一つは、ボールを適切な位置に動きに制御すること。

一つは、姿勢を次のプレーに適切な状態に制御すること。

この二つがそろってはじめて正しいコントロールがなされたと言える。

上に書かれたものを分けると次のようになる。

・ボールに関するもの
受動的変形による緩衝(
相対速度の減少(
回転と地面の利用(

・姿勢に関するもの
受動的変形による緩衝(上に同じ)
体の向き、位置の変更(
短時間での接地(
乱れを防ぐ(

受動的変形による緩衝は、ボールを止める能力が高く、またそれにより姿勢を乱すことが少ないため、両方に入っている。

これらの要素は、ボールの高低によらず見られる。

実際のコントロールは、上の要素の組み合わせで行われている。



























以上は、受動的変形による緩衝を主としており、ボールと同じ方向に飛ぶことで相対速度を減少させる効果も見られる。
しかし、ボールに縦に触れるという要素はまったく見られない。

















以上は、要素として、受動的変形による緩衝および上から下に落ちることを多く含むコントロールである。
一方で、体の向き、位置の変更という要素はほとんど見られない。

このように、それぞれのコントロールで含まれる要素は異なる。

浮くという点を比べても、最初のものは、前方に飛ぶように踏み切っており、二番目のものは相対的に軽く浮いているだけである。

そのような違いは、もととなる要素の組み合わせとその割合の差からくるものであるとみなすことができる。

次に、コントロールと育成について見る。
前回は、浮くことで地面についた足を開放することを見た。

ここでは、浮くことと上から下に落ちることの関係を見る。

体を浮かせると、浮いた体は上から下に落ちる。
それと同時にボールに触れる足も上か下に落ちる。
これは、ボールに縦に触れることにつながる。

縦に触れた足をそのまま下に下ろせば、最短時間で着地することができる。

これに対し、例えば横に引くような動きでは時間の無駄が生じる。



また、縦に落ちることは姿勢の乱れを防ぐことにも通じる。

横の動きを混ぜると体勢を崩しやすいのはこれまでに見た通りである。

(参考:コントロール 姿勢の崩れと理由

また、浮いた後、ボールに上から下に触れることは、ボールに地面方向への力を加えることにつながる。

これにより、ボールは地面へと向かい、地面を利用したコントロールが可能になる。

例えば、逆回転を用いたコントロールがそれにあたる。

次の例では、最初にかかとを浮かせながら体を持ち上げ、次にボールに上から下へと触る様子が見える。














































ボールの模様の変化から、逆回転がかかっていることを見ることができる。

地面に触れる前後のボール動きは、模式的に以下のようである。



地面に触れたボールは、より垂直に近い角度に跳ねる。

当然ながら、これはボールが遠くに転がらないことにつながり、コントロールにとって都合が良い。

次なる地面の利用法は、地面との衝突による緩衝を用いる方法である。

典型的には、次のような例がある。


(参考:地面を利用したコントロール

地面、足、地面と跳ねたボールは非常に小さくしか跳ねない。

これは、地面、もしくは足との衝突の度に緩衝が起こり、結果的に強い散逸が起こるためである。

このように複数回の衝突を起こさずとも、一回だけでも大きな意味がある。




上のように、浮いたボールに対して上から下に力を加えると、地面との衝突後、接触位置よりも高く跳ねやすい。

しかし、それでも下のように直接ボールを浮かせるよりは跳ねない場合が多い。

コントロールが上手いと言われる選手は、直接浮かせる失敗が少ない。

一つの可能性として、これまで見たように、上から下にボールを触り、地面との衝突を利用することが基本となっていると考えれば、それは説明されうる。

さらなる地面の利用法は、挟むということである。



これは、先に見た地面と複数回衝突させるものの足と地面が近くなった極限と考えることもできる。

次回は、これまでのことから見えるコントロールの全体像についてながめる。


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