週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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「さて」

「注目のクラシコは2-0でバルサの勝利」

「大方の予想通りかね」

「そうかもしれんが、マドリーは予想以上の出来だった」

「後半の後半まで同点やったしな」

「そこで、今回は、なぜマドリーがバルサに対抗できたか、その理由に加えて、個人技術と戦術の関係、バルサとマドリーの今後といったテーマで話を進めてみたいと思うわけや」

「よかろう」

「まず先発はこう」



「予想通りではあるな」

「マドリーの守備は下のようになっていた」



「マンツーに近い形でマークする箇所が多くある」

「ラモスがメシ、ドレンテがアウベス、ラウールがマルケス、イグアインがトゥレやな」

「右は、サルガドがアンリで、シュナイダーがそれをヘルプに行く」

「ラモスが左なのは、メシにスピードで負けないためで、ドレンテがアウベスを見るのも同じ理由やな」

ベティス戦で見た、バルセロナ相手にはこうならなければならないという図とほぼ同じになっている」



「この形のバルサを止めようと思うと、これが一番効率がいい」

「こう組まなかったのがバレンシアで、綺麗に負けたのは記憶に新しい」

「攻撃では下の流れを狙う」



ヌマンシアスポルティング・ヒホンやな」





「マドリーのプレーには、これまでのバルサ対策がきちんと盛り込まれており、それでいい勝負になった」

「つまり、これまでの対策は引き続き有効であるということやな」

「そうなる」

「ただ、ベティスで見た4トップ気味にして放り込むというのは今一つなかったのではないかね」



「それは、ファン・ニステルローイがいないのが一つの原因やな」

「そうかね」

「ちなみに、マドリーの前線の守備は前半の途中から少し変わった」

「これが最初やな」



「プジョルは完全に放置する」

「どうせ下手やから好きにさせていい、という作戦やな」

「ところがそれに怒ったプジョルが下の形で敵陣まで入り、前線にパスを当てようとしていた」



「さすがにこれはいかん」

「ということで、途中からイグアインが応対に出るようになった」



「応対にでるといっても、プレスをかけるわけではなく、トゥレへのパスを絶対に出させないようにしながら横から追い込んでいく」

「それと連動して、ラウールは、いつでもトゥレを押さえに行けるように位置を下げる」

「これをやられると、プジョルは非常に困る」



「いわゆるワンサイドカットで、右へのパスを切られたまま、徐々に前へ追い込まれてしまう」

「そして、潰されるか、パスカットからカウンターを喰らうと」

「まあ、そうなると、マドリーの筋書き通りになってしまう」

「困ったことやな」

「そこで、どうするかという話や」

「どうすんねん」

「それを考えられてから、以下を読まれると、より面白いのではないかと思われますので」

「ご一考いただければと」







「さて」

「まず、下の形からアビダルに返すというのは」



「あかんやろ」

「組み立ての下手さに関しては、アビダルも負けてへんからな」

「なんの解決にもならない」

「なら組み立ての上手いマルケスにパス出したいところだが」

「それもラウールに詰められて思う壺やな」

「かといって前にドリブルをすれば相手に捕まる」



「結局、どうやってもあかん」

「という話になりそうだが」

「一つ冴えたやり方がある」



「赤い方向に進まずに、対応に出てきたイグアインに突っ込んでいけばよい」

「突っ込むというか、イグアインに向かってドリブルをするわけやな」

「相手が、”さあ来なさい”と空けているスペースに入るから罠にはまるわけで、お誘いをお断りすればよい」

「そういう話なのかね」

「そりゃ、勝負事の基本で、相手が取って下さいと誘う石は取ったら駄目だし、取って下さいと差し出された駒を取ると大体負ける」

「正面から向かえば、イグアインは、そこから動けなくなる」

「そこで、トゥレが開けば、パスが通る」



正しいインサイドで裏とした蹴り方をすれば、このプレーは簡単にできる」

「めでたしめでたしと」

「しかし、今度は、それを警戒して、ラウールが下がってくるかもしれない」



「その時は、トゥレに出す振りをして、マルケスに戻せばいい」

表から裏というやつやな」

「これなら、ラウールとマルケスの間に距離があるのでパスは通りやすく、受けた後、上手いマルケスが自由に組み立てることができる」

「これもめでたしめでたしと」

「しかし、今度はガゴが前に出てきたらどうする」



「その時は、その裏に出せばいい」

「インフロントで軽く浮かせて通るな」

「これもめでたしめでたしと」

「ところで、ここで裏をかいて、イグアインがトゥレのマークへ戻ったらどうする」



「これは、ほとんどありえへんやろ」

「まあ、一応な」

「そこを空けてくれるなら、前のようにドリブルで縦に進んでもいいし、一番良い場所が空くんだから前でもその横でも普通にパスを出せばいい」

「これもめでたしめでたしか」

「イグアインが出てこないなら、最初にプジョルをフリーにしたのと同じ状況だし、今度はより中央にいる分、パスの選択肢は広い」

「相手から逃げるから苦しくなるわけで、それを回避したいなら、相手に向かえばよいということかね」

「それだけの話なのだが、完全に誤った蹴り方である、パター型のインサイドを身につけてしまうと、それができなくなる」

「体の正面にパスを出すのが基本やから、相手に向かうと出すところがなくなる」

「こういった話は、これまでも散々出てきたところやな」

「その辺りの話に興味をお持ちの方は、こちらをご覧下さい」

「ところでや」

「なんや」

「ここまでの話だと、相手を向かないから苦しくなる、相手を向かないのはパター型を身につけているからだ、ということになる」

「そうやな」

「ところが、プジョルがパター型を身につけてプレーして来た、という保障はない」

「ほぼ自明のように思うが」

「それでは済まないので、以下にプジョルの蹴り方を見てみようかと思う」

「プジョルの蹴り方は相当斬新やで」

「画像は、0506シーズン、バルセロナがチャンピオンズを勝った時の決勝、アーセナル戦のものを使用する」

「えらく古いな」

「この場合、プジョルは、パター型を基本に過ごしてきた、ということが言えればいいから、その点は問題ない」

「そうかね」

「まずは、下の状態で、センターサークル方向に、15mほどのパスを出す」








「見事にパター型やな」

「その一つの証拠が、インパクトの時の、この歪んだ姿勢やな」



「間違った蹴り方で見た、メルテザッカーと瓜二つやな」



「それを後ろから見た図やな」

「ドフリーな状況から、ドフリーな選手に15mのパスを送るだけなのに、こんな無茶な体勢を取る理由がわからない」

「それは、パターのように蹴りなさい、とプジョルに教えた指導者の責任であって、選手が悪いわけではない」

「次に左足で蹴る場合を見る」

「完全にフリーの状態で、バックパスを出す」









「いったい、プジョルの身に何が起こったのか」

「こっちが心配になる」

「心配になると言えば、下の流れやな」

「フリーのプジョルが、中央に引いてくる選手のために、スペースにパスを出す」






「ここまでで十分変な体勢だが」

「ここからジャンプする」






「このジャンプが恐いねんな」

「キックの終わりに、プジョルがなぜ飛ぶかといえば、体の歪みを矯正するためである」



「上のように、90度横にした足をボールに平行にぶつけるため、体に非常な無理をさせている」

「そこで生じた歪みを自然な形では解消できないため、ジャンプしてニュートラルな体勢に戻す」

「選手が飛び上がるというのは、この他にもう一つ理由がある」

「肉離れを起こした時やな」

「筋肉を損傷した選手は、ビックっと上に飛び上がる」

「プジョルのジャンプはそれと似てるから心配になるわけやな」

「まあ、なんでもないねんけどな」

「以上のことから、プジョルは、パターのように蹴る、間違ったインサイドを習得していることがわかる」

「ところで、なんでこんな話になったんやっけ?」

「それを今から言うねん」

「そうか」

「相手にフリーにされ、下の形で追い込まれる、というのは、プジョルが下手であるからである、ということになる」



「ふむ」

「下手であるということは、この場合、パター型のインサイドを身につけている、ということでもある」

「相手に向かう、という解法を用いることができない点ではそうやな」

「そのことが、マドリーに下のように守ることを可能にさせている」



「下手を空ける守り方か」

「マドリーは、これで善戦したわけだから、プジョルに間違いを教えた罪深いコーチがこの試合の陰の主役だったと言える」

「見事に、風が吹いたら桶屋が儲かったな」

「ちなみに、この方式の守り方というのは、ユーロ2008でトルコがドイツに仕掛けたのと同じ理屈に基づいている」

「今回は、左のプジョル、アビダルが下手で、ユーロでは、右のメルテザッカー、フリードリッヒが下手やったわけやな」

「この2つで、穴として狙われたプジョルとメルテザッカーは、ほぼ同じ蹴り方を身につけている」

「素晴らしき偶然やな」

「これを偶然で片付けるとは、君も幸せ一杯やな」

「症例が少ないからな」

「それにしても、偶然で済ませずに、疑いくらいは抱くべきちゃうかね」

「そうなんですかね先生」

「そらそうやで」

「まあ、話も長くなったし、そろそろまとめに行こうか」

「まず、パター型のインサイドは、教えることも習得することも害にしかならないというのが一つ」

「それはこれまで通りやな」

「次に、バルサに対しては、きちんと対策を施せば別に恐くないというのが一つ」

「しかし、マドリーは負けたぞ」

「それは、ドレンテがフリーになっても駄目だっただけで、方法論としては上のやり方で理屈通りに決定的な形をつくることができる」

「ドレンテの能力が足りないだけと言いたいのか」

「あれがソラーリだったらと思わずにはいられない」

「懐かしい名前な」

「サイド、特に左サイドが強くて、フォワードにロングボールを受ける選手がいるチームが来ればバルサを攻め崩せるのではないか、という話があったが、確実に崩せる、というのがこの試合でわかった」

「それなら、イングランドやイタリアの強いチームとの対戦が楽しみやな」

「なんでや」

「その特徴なら、上の二国が有望やろ」

「チャンピオンズが非常に興味深いと」

「後、ソラーリで思うのは、フアンデで大丈夫か、という点やな」

「それまたどうしてや」

「彼は、セビージャで、サイドを強調して、パターンで攻め崩すサッカーで成功したやろ」

「そうやな」

「マドリーというのは、そういったサッカーに最も向いてないチームで、例えば、この試合の途中で下の形になった」



「右にパランカやな」

「ソラーリやビクトルといった選手はおらず、中盤のサイドに人材を欠く」

「だから3トップ系のシステムに落ち着くんやけどな」

「フアンデは1-4-4系のシステムを好むから、果たしてどうなるのか、というか、上手くいく要素が思いつかない」

「つまり、フアンデはこけるということか」

「知る限りにおいて、そうとしか言いようがない」

「冬に大量補強すればええやろ」

「それしかないかね」

「そんな予想が当たるか否か」

「そんな点もご注目いただいて」

「今回はこの辺で」

「また次回」

「ご機嫌よう」
「さて」

「マドリーはまたも負けた」

「最近、目立ってしょうがないな」

「なにがや」

「マドリーの弱さがや」

「別に、集団としては、優勝した去年と何が違うわけでもないねんけどな」

「そうやけど、バルサと対戦した次の週に、同じ相手がマドリーとやるやろ」

「そういう日程らしいな」

「バルサにやられたチームが、マドリーに勝つもんだからその差が際立ってしょうがない」

「まあ、そうかもわからん」

「先発は下の通り」



「この試合で目立ったのは、ロベンやな」

「攻撃で、ボールを前に運び、エリア近くでは、相手を一瞬で抜きさる」

「おまけに、最後は退場」

「それが、別に酷い反則をしたわけでもなんでもなく、味方へのファールを審判に抗議した結果、二枚目のイエローをもらった」

「イグアインが引っ張られたのを大アピールしてしまったわけやな」

「瞬間的に見境がなくなるのが天才的やな」

「マドリーは、途中まで1-3で負けていて、後半頑張って3-3まで返した」

「あの辺りはマドリーらしかったな」

「真の負けず嫌いというか、追い詰められた時の根性はさすがやな」

「負傷者多いとか、チームの構成が悪いとか、中盤以降の守備がボロボロだとか、様々な問題をさて置いて、本当に気合だけで点を取ってしまえる」

「崖っぷちに立った時の理屈を越えた反発力と、目の前ににんじんがぶら下がった時の強さというのは、マドリーの根底にある魂のようなものではある」

「バルサとマドリーの大きな差はその辺やな」

「バルサは、あそこまでのガツガツしたプレーや意地の汚さというのは見せず、綺麗に戦う」

「それは良いのだが」

「その必殺技をもってしても勝てなかった」

「重症やな」

「ロベンの退場までは良い気配やったんやけどな」

「そのロベンなんやけどな」

「なんや」

「なんであそこまで自分で決めたがるんやろ」

「それは謎やな」

「例えば下の形で全部シュートに行く」



「右サイドから、中に切れ込んだらとにかくシュート」

「縦に抜けて角度がなくなってもシュート」

「まあ、シュートまで行けなくて悩むチームの方が多いから、それはそれでいいのかもわからん」

「それにしても程度っちゅうもんがあるやろ」

「どうやろ」

「ロビーニョだと、抜いて中にさばいて、もう一度縦に抜けるといった形で色々やっていた」

「最近思うのは、個人の力でリーガは取れるもんだということやな」

「なんや唐突に」

「結局、去年との差は、ロビーニョとファン・ニステルローイで、その2人が居るか居ないかで今か昔かの差が出てるだけやろ」

「また極論をおっしゃる」

「マドリーは、前線の一発芸で勝つ試合を一年続けていたわけで、そこから2人抜けたらそりゃ難しいで」

「近頃、慌ててフォワードを買ったらしいけどな」

「らしいな」

「クリスマス前に努力してるポーズだけでも見せんと、批判をかわしきれないからやろうけどな」

「今日はえらいぐちっぽいな」

「気のせいやろ」

「では、次にバルサとバルサに行くで」

「ええで」

「先発はこう」



「アンリのハットトリックもあり、バルサが4-0で勝つ」

「この試合は、バレンシアが謎やな」

「謎かね」

「バルサの一点目は次の形から入った」

「自陣のエリア内からマルケスが前方にパス」




「それがトゥレに渡る」



「前にドリブル」






「ラインの裏へとパス」




「左から前に抜けたアンリがループで決める」



「まことにおかしな流れやろ」

「マルケスがパスを出して、トゥレがボールを蹴るまでがおかしいな」




「上の一枚目から二枚目まで、40m程度あるが、ボールに一切プレッシャーがかかっていない」

「バレンシアは引いて守ってたということかね」

「それで一本のパスで裏取られたら意味ないやろ」

「まあな」

「おまけに、それ一回というわけでもない」

「下では、アウベスがボールを持っている」



「縦に大きくパス」




「メシが完全に抜ける」



「ナイスパスやな」

「そら、パスもナイスやけど、守備も滅茶苦茶やろ」

「まあ、こんな日もある」

「バレンシアというのは、普段から、ただひたすら守備を固めて、相手がこけるか、ビジャにうまくボールが出れば一点というサッカーなわけや」

「また極論君か」

「それが、こんな形で裏を取られていたら何の意味もない」

「バルサに対して、中盤でトゥレを押さえなければいけないというのは、守る上での公式みたいなもんで、それを何十メートルもフリーにするというのはよくわからんといえばわからんな」

「しかし、バレンシアのファンはどう思ってるんやろな」

「何を」

「ラニエリが来てサッカーがつまらんといって批判し、キケに対しても同様やったやろ」

「そんなこともあったな」

「それで行くと、今のウナイ・エメリがやってるサッカーは最低で、ファンは果たしてどのような気持ちで見ているのか、気にならんかね」

「去年と比べたら、成績はいいし、今のところ満足なんちゃうかね」

「そうなんかね」

「それに、若い監督で、エメリのような監督が増えてるのはスペイン全体の傾向ちゃうか」

「石橋を叩くタイプか」

「叩いた上で、もういちど別の方法で調査する感じやな」

「そういえば、いつも前に出るバジャドリーのメンディリバルは何歳や?」

「47歳らしいで」

「若いな」

「エメリは37歳やけどな」

「まだ選手でもいけるな」

「それは無理やろ」

「アングロマなんか40位までやってなかったか」

「なんにせよ、メンディリバルタイプとエメリタイプのどちらが主流になるか、というのは今後20年くらいの注目かもわからんな」

「そんなこんなで」

「今回はこの辺で」

「また次回」

「ご機嫌よう」
コーナーキック編におけるショートコーナーの図を、実際と比較する。
黄色い矢印がピレス、白い矢印がボールをあらわす。
分析の都合により、図は反転している。



ショートコーナーを受けた時点


バックパスをダイレクトでクロス


ディフェンスのクリア


ピレスのボレー


図の配置はディフェンスがクリアした瞬間のものである。
図と写真を比べると、最初のショートコーナーを受けたのはより内側であり、シュートを打ったのは、より後方外側であることがわかる。
「さて」

「またバルサか」

「そのセリフは、前にも聞いたな」

「いくらなんでも多すぎんか」

「いま一番熱いからしょうがないねん」

「そのセリフも二度目やな」

「落ち着きそうで落ち着かないバルサの挙動が面白いから、落ち着くまで粘着的に追って行こうかと思う次第なんやけどな」

「他のチームも見たくなるのが人情ってもんやで」

「その点は、対戦相手でなんとかしていこうかと」

「それもまた失礼な話やな」

「なんでや」

「バルサのおまけみたいやんか」

「そんなことないで」

「まあなんでもええわ」

「ええんか」

「ええで」

「先発はこう」



「うむ」

「うむ」

「マルケスとピケの位置が入れ代わっている」

「普段と逆やな」

「これは右サイド対策なのではあるが」

「この試合では、ちょっとこれまでと意味合いが異なる」

「バルサは、守るときは確かに4バックのように守る」



「しかし、攻撃に入ると下のようになる」



「アウベスが行きっぱなしになって、どう見ても3バックにしか見えない」

「ピケがサイドライン際まで開くしな」

スポルティング・リスボン戦で、3バックか4バックかという議論があったが、これと同じことをやっていたとしたら、4バックというのが正しい」

「システムは、守備を基本に表記するべきやからな」

「バルサは、4バックと3バックの間をいったりきたりしながら戦うわけだが」

「攻撃時の配置に問題が多い」

「右サイドを見れば、メシが最初から中に入ってサイドを空けるため、アウベスとの干渉は少なくなる」

「しかし、トコロテン式に他の場所に問題が出る」



「まず、中央に人が多くなり、ディフェンスも集まるのでメシにとってボールが受けにくい」

「どうしても背中からプレッシャーを喰らう場面が多くなり、そうなると辛い」

「おまけに、メシが邪魔でボールがこないからエトーが変な場所に下がる」

「さらに、シャビは前にスペースがないので、センターバックやサイドバックのような位置に下がる」

「結果、下のようになる」



「これはよくない」

「やはり、攻めにおいては、シャビがエトー、エトーがメシの場所に居て、メシが外から中の広いスペースを動く方がいい」

「これでは、攻撃がうまくいかないし、この試合でもうまくいかなかった」

「3点取ったけどな」

「それは、攻めでは、1点目のボールの跳ね方の運が大きい。おまけに、守備では、ピケがカヌテを倒したプレーで笛が鳴ってレッドが出ていればどうなったかわからん試合やで」

「それにしても、ウンディアーノ・マジェンコは、出てくるたびに判定で問題を起こすような気がするが気のせいかね」

「審判は基本的に悪い時だけ目立つから、きちんと統計を取って言わないとかえって問題やと思うけどな」

「さよか」

「前節のヘタッフェ戦は、流れが完全に反バルサで、この試合はバルサが完全に得をしたのは確かやけどな」

「それにしても、下の形ではいかんのかね」



「1-4-2-1-3気味か」

「これで皆さんのベクトルの組み合わせもすっきりで上のような無理をする必要もない」

「それやと、メシとアウベスが衝突するやろ」

「そこはアウベスに控えてもらうしかない」

「おまけに、下の問題も出るやろ」



「メシにクロスのロングボールか」

「それが出ないと困るのだがプジョルではまず無理やろ」

「ケイタもどうやろな」

「この手のパスを出すのはあまり見たことがない」

「マルケスは、左から右より、右から左のロングパスが得意やな」

「そこから右に長く出ないと、結局ボールが左に流れるか、相手にそう仕組まれてしまうことになる」

「そしてチャンスがアンリに行くと」

「この試合でも、モスケラといい形で1対1になるものの、なかなか点にならない」

「瞬発力の衰えかね」

「おそらく」

「相手からしたら、メシ、アウベスで来られるより、アンリ、プジョルで来られる方がましやから、そっちに流すように守りたいわな」

「最近のプジョルは、左サイドで華麗なドリブルとか見せるけどな」

「多分、左の方がボールを体で守った時に、横と後ろに出しやすいから、精神的に楽なんやろな」

「ファンとしては、華麗なプジョルとか見たくない気分やろな」

「なんのファンや」

「試合は、0-1のまま進み」

「後半の交代はいうと」

53分:デ・ムール→ディエゴ・カペル 63分:マレスカ→ロマリッチ


「ふむ」

「カペルが右やな」

「この2人なら、アドリアーノ右が普通なんと違うかね」

「逆にした効果はどうかと見ていると」

「カペルはなにもできない」

「途中から位置を換えるが」

「左でも働けない」

「どないしたんやろな」

「よくわからんが、あれならデ・ムールの方がいい」

「プレッシャーを受けた状況でも、ボールを保てるようになってるしな」

「去年よりもはるかにええで」

「なんにせよ、上の交代の後も点は動かず」

「さらに交代が行われる」

73分:スキラッチ→レナト 75分:ケイタ→セルヒオ・ブスケツ


「スキラッチの交代は純粋に怪我やな」

「ファッチオがセンターバックに下がる」

「彼はパスが惜しかった」

「綺麗な球筋のボールを蹴るのだが、この試合では、肝心なところで味方に渡らなかった」

「結局、78分から2点入って0-3」

「バルサの勝利」

「やはり途中のどうこうを抑えて勝つ」

「見事やな」

「この試合はぎくしゃくしながら展開が有利に働いて勝ち、前のヘタッフェ戦では、展開が完全に不利だったのに引き分けた」

「悪い日の次には良い日がくると」

「そして、バルサと引き分けていたヘタッフェが」

「今節、3-1でレアル・マドリーに勝利」

「先発は以下の通り」



「なかでもアルビンは2得点1アシスト」

「まさに大活躍」

「優秀さを証明した形やな」

「しかし問題も見える」

「なにがや」

「ペペと1対1になると、正面を向き合っても抜けないし、横に張り付かれた場合も何もできない」



「ピケに対してもあかんかったな」

「大きくて速いディフェンダーに、上から押しつぶすように守られるのが苦手のように見える」

「そうかね」

「せめて正面から仕掛けた時にペペとピケを受けに回せたら、もう一つ上のクラブにいけると思うねんけどな」

「その2人に勝てたらそりゃどこでもやっていけるやろ」

「そうは言っても、交代で入ったウチェなんかは、互角近くにやりあえるで」



「ペペと体をつけあっても苦にしないし、縦には抜けないまでも、サイド方向に流れながら前にはいける」

「やはりウチェの性能は大したもんやな」

「前回、マヌー・デ・モラルとアルディン以上の選手を見つけるのは難しいという話があったのだが、ウチェがそれにあたる」

「しかし、彼は怪我に悩まされることが多い」

「その象徴がバック転やな」

「この試合も、3点目を彼が入れて必殺のバック転からバック宙を見せたのだが」

「控え目な回転数だった」

「レクレ時代の半分くらいしかないな」

「一時期、膝を怪我して医者から止められてたことがあったから、回転数が減ったのもその影響だと思われる」

「早く全力でプレーしていただきたいと」

「そう思う次第やな」

「まあ、怪我ばっかりはどうにもならんというのはあるけどな」

「他のチームでいえば、メシとビジャが壊れないことを祈るばかりやな」

「特にビジャは過重労働もいいところで、あれで1シーズン持つのか気になるところではある」

「そんなこんなを心配しつつ」

「ポランスキーもいい選手だというところで」

「今回はこの辺で」

「また次回」

「ご機嫌よう」


おまけ:ヘタッフェとマドリーの交代


58分:コントラ→コルテス(怪我)
60分:ソルダド→ウチェ
73分:ポランスキー→セレスティーニ

16分:スナイデル→ファン・デル・ファールト(怪我)
35分:ミゲル・トーレス→ミチェル・サルガド(怪我)
75分:マルセロ→ブエノ
ドリブルの途中で両足を揃え、空中に飛ぶ動作の検証。
飛ぶ場合と、普通の場合での動きを比べる。

下の図で、左が飛ぶ場合、右が普通の場合である。
この2つは連続しており、右の動作の後、左の動作が行われた。











非常に自然に飛んでいる。
両足で浮くための準備動作もほとんど見えず、それ以前の動きは、右側に酷似している。

この場合、飛ぶことで手前を変えている。
手前を変えるとは、足を出す順番を変えるということである。
左の写真において、右足を軸足しとした動きから浮き、着地において再び右足が軸足になっている。


浮き具合の検証

両足を揃えて地面から浮いているのは、下の2枚の左側である。




この間に最高到達点があると考えられる。
今回は、より浮いている前者の図を利用する。



これと、その後、右足が着地した状態である下図を比べる。



看板を基準に、二枚を重ね合わせる。




間接とは、二枚を個別に中間状態である第三の写真に合わせ、それを重ねた後、中間状態を取り除いたものである。
直接とは、二枚を直接重ね合わせる。

白い矢印が、宙に浮いた右足、黄色い矢印が、接地した右足を示す。


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