週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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「さて」

「ロシアの右サイドを空けるトラップディフェンスにのせられてしまったオランダ」



「後半打開をはかる」

「まず、開始の46分からカイトを下げて、ファン・ペルシを投入」



「この意味は、わかりやすいな」

「右にスペースを残すなら、ボールを持た時に、よりいい仕事をするファン・ペルシでそれを突こうということやな」

「そして、54分に次の交代を行う」

「ファン・ペルシから8分後か」

「そうやな」

「なかなか素早い動きやな」

「ブラルーズに代わって、ハイティンガ」



「この意図もわかりやすいな」

「ブラルーズよりボールを持ってよりいい仕事をするハイティンガでロシアの残すスペースを攻めようということやな」

「しかしや」

「なんや」

「このオランダの交代は、意図がわかりやす過ぎると思わんかね」

「そうなんやな」

「ロシアが右にスペースを残す、それを利用するためにサイドの2人を攻撃的な選手に代える」

「ごくごく常識的な発想やな」

「常識的ということは、相手にも読まれるということやろ」

「そうやな」

「その相手というのはヒディング」

「恐いな」

「なんかそこに罠がある気配がぷんぷんする」

「明らかにするな」

「そして、それは実在した」



「ハイティンガの投入を契機に、ロシアの選手がオランダの右サイドに残るスペースに殺到するようになった」

「例えば、オランダの交代から2分後、56分にパブリチェンコが決めたゴールも、このスペースから始まった」

「選手の大筋の動きとしては、下の図のようだった」



「セマクが大きくサイドに出て、アルシャフィンのパスを受けてセンタリング、ファーからニアに入ったパブリュチェンコがボレーで決めた」

「下は、10番のアルシャフィンが11番のセマクにパスを出した直後で、オランダの右サイド、写真の上側に大きなスペースが空いているのがわかる」



「そこにセマクが入り込んだわけやな」

「このようなシーンは、ハイティンガの登場後よく見られて、他にも下のような例がある」





「オランダのサイドはすかすかやな」

「ハイティンガもファン・ペルシも右から攻めろという指示を受けて送り出されているし、前のカイト、ブラルーズに比べると守備向きではないから、仕方がないといえば仕方がない」

「ここまでの流れからすると、オランダは、ヒディングの術中に完全にはまったということか」

「まさに」

「前半は、相手が攻めれない右サイドをわざと空けて交代を誘い、交代によって守備的に弱くなった同じサイドを攻めて逆に点を奪う」

「真に見事やな」

「左のガードを下げて相手の右ストレート誘い、左のクロスカウンターを合わせていくようなものか」

「なんの話や」

「ボクシングの話や」

「なんにしても、トルコのチェコ戦と並んで、このユーロでの戦術大賞候補の試合やな」

「交代も含めた戦術的な読みが完璧だったという意味では、こちらの方が上かもわからんな」

「逆に言えば、オランダのファン・バステンは、ヒディングの手のひらで踊らされた形になる」

「踊らされたというか、そうなる危険を承知の上で、あえてそこに踏み込んで、切り合いを挑んだのではないかね」

フランス戦の交代を見ると、その可能性はあるな」

「やろ」

「でも、そのファン・バステンの性格まで読んでのことだったと仮定したらどうや」

「そりゃ脱帽の上に頭を丸めるしかないな」

「相変わらずわけのわからんことを」

「そうか?」

「なにはともあれ、ここまででも十分にヒディングの凄さがわかるのだが、この後がさらに凄かった」

「続きは」

こちらにて」

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