週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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「リーガもついに38節」

「いわゆる最終節を迎えた」

「長かったような短かったような」

「短かったような長かったような」

「そんな最後の試合はデポル対ビジャレアル」

「終わってみればビジャレアルの完封勝ちだった」

「先発はこう」



「デポルはいつもの1-5-4-1」

「ビジャレアルは1-4-3-1-2やな」

「珍しいといえば珍しい」

「メンバー的にも珍しいな」

「ベンチに、いわゆるレギュラークラスが控えていて、普段あまり先発しない、トマソン、ギジェ、マティアス・フェルナンデス、アンヘル、ブルーノなどが出ている」

「これは、2位確定が確定して、この試合に勝っても負けても順位変動がないことが関係している」

「控え選手をなるべく多く出して、慰労と来シーズンへの布石のためやな」

「今シーズンのビジャレアルは、苦しみながらも2位の座を手に入れた」

「おまけにバルサに10ポイントもの差をつけた」

「それはバルサがひどすぎただけやけどな」

「まあな」

「ただ、ビジャレアルは楽に勝ってきたかというと、そんなことはない」

「最終的に勝ちを収めた、レクレアティーボ戦ヘタッフェ戦を見ても、前半は非常に苦しい試合だった」

「それを戦術と個人の能力、集団でのパスワークでカバーして順位を上げてきた」

「リケルメ、フォルランがいたころの爆発的な強さはないけれども、チームとしての勝利という意味では以前にも増して素晴らしいシーズンだった」

「確かに」

「しかし、今シーズンも、びっくりするくらいよくボールをつないでいた」

「今のスペインリーグであれだけ大切に回すのはビジャレアルとバジャドリーくらいなもんやな」

「そのパスを受けるにおいて、ビジャレアルには一つの特徴がある」

「ほう」

「例えば下のような場面やな」

「まず、ボールを持った選手がサイドへターンする」



「ターンした後、縦パスを送るフェイントをかける」



「そう見せかけて中央へ向きなおる」

「この時、中央の選手が後ろに下がる」



「そこへ横パス」



「ダイレクトで逆のスペースへ展開する」



「このような次第か」

「そうやな」

「これがどうした」

「その前に、この後の展開を見ていただきたい」

「後というと、下の図の後か」



「パスを受けた選手は、左へトラップする」



「そこから中央へパス」

「受ける選手は左サイド側から右サイド側に動く」



「結果、こうなる」



「上の二つの流れには、下のような共通点がある」





「ほうほう」

「最初のプレーでは、プレーが前に流れているのに対して、ボールを受ける選手は後ろに動いている」



「二番目のプレーでは、プレーが左に流れているのに対して、ボールを受ける選手は右に動いている」



「なるほどな」

「これは、パスを回すとか、ボールをつないで攻める時に非常に重要で、プレーの流れと逆に動く選手の存在によってボールを停滞させずに動かすことができる」

「みんなが同じ方向に動いたらどこかで詰まるからな」

「これはビジャレアルのオフ・ザ・ボール、つまり、ボールを持っていない場所での動きに置いてよく出てくるパターンなんやな」

「下もそうか」

「まず、左サイドからのパスを中央で受けて、右方向へコントロール」



「これに対して、中央前側の選手は、左に動いてボールを受ける」



「結果、こうなる」



「流れ図としては下の形か」



「原理はさっきの二つと一緒やろ」

「そうやな」

「これは、いわゆる”反航系”と呼ばれるパターンになる」

「プレーのベクトルと受ける選手の動きのベクトルが反対向きだから反航ということか」

「そういうことやな」

「安直やな」

「ほっとけ」

「そうもいかん」

「なんにせよ、これを行う時には、一般的に、パスを出す選手が、出したい方向と逆側にボールをコントロールすると上手くいく」

「どういうことや」

「例えば、下の最初の例では、右からくるボールを左にコントロールしてから右に出しているし、次の例では、左から来るボールを右にコントロールしてから左に出している」





「コントロールした方向にディフェンスの注意は集中するから、その逆に出せば通りやすい、ということか」

「それに、こうしておけば、自然と90度方向にパスがでるので、死角に入りやすい」

「90度については、こちらこちらをご覧いただくとして」

「この、コントロールのすぐ後に逆へパスを出す、という技は、反航系だけでなく普通の場面でも使用可能で、下のようになる」

「下か」

「まず、中から左サイドへのパスを左へコントロール」



「左にコントロールしたボールを、右方向、つまり中央側へと戻す」



「前の二つと同じパターンではあるな」

「ようするに、最後のパスを出す直前のボールのコントロールそのものがフェイントになっているという話や」

「そうか」

「ちなみに、ここからビジャレアルの1点目が入る」

「その1点目なんやけどな」

「なんや」

「それに関する、簡単な個人技問題を作ってみたので、興味のある方は解いていただければと」

こちらからご覧になれますので」

「どうぞよろしく」

「というわけで」

「プレーの流れに対して反航してボールを受ける。パスを出したい方向と逆にボールをコントロールする。これらの技は、簡単かつ有効である」

「以上が、本日の骨子ですので」

「試合を見る時や、実際にプレーする中で活用していただければというところで」

「また次回」

「ごきげんよう」


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