週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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ここまで、浮くことの特徴を見た。

まず、浮くことにより次の予測が難しくなる。



不可測であることは、次の行動を防ぐことを難しくする。

また、予測が難しいことは守備者を受身に回す効果がある。



守備者は、後ろに下がりながら、両足を揃え、腰を引いた体勢をとりやすい。

そこから振ることにより、相手を強く崩すことができる。



強く崩して抜くことにより、抜いた後に無理に加速する必要がなくなる。

これは、無駄にスピードを上げて次のプレーで失敗することを防ぐ。

また、浮くことは姿勢の回復を助ける。




姿勢を回復させながらプレーすることにより、自ら崩れることが少なくなる。

これは、動きと動きを無理につないでバランスを崩し、次のプレーで簡単にボールを奪われるミスを防ぐ。

良いドリブルとは、自ら崩れずに相手を崩さなければならない。

浮くことは、その要件を満たす。

ここまで、以下の浮く動作を見た。

















最も古いものは、1958年であり、新しいものは2009年以降である。

1958年


2009年以降


浮くことは、時代を超えて見られる。

国籍は、以下のようである。

スペイン


フランス


アルゼンチン


ブラジル


浮くことは、場所を超えて見られる。

また、ここまでアウトで切り返すものを多く見た。




























この切り返しは、ドリブルの基本動作である。

浮くことは、基本動作の中に織り込まれている。

まとめると、以下のようである。

浮くことは、良いドリブルの要件を満たす。

浮くことは、時代、場所を超えて見られる。

浮くことは、基本動作の中に織り込まれている。

これらのことは、浮くことが一般的かつ普遍的であり、ドリブルの基本要素であることを強く示している。

次もその点について見る
前回まで、浮くことの特徴を見た。

ここでは、それを利用したプレーを見る。


































アウトで最初の守備者をかわす。



残り足を越える。



着地。



この時点で、体は接地した足から後方へずれている。

浮く。




肩に傾きが見られる。胸より下は、ほぼニュートラルな状態である。

4フレーム後


守備者は、腰を引いた状態にある。

体を当てられる。



入れかわる。





守備者を連続的に抜く、複数抜きが行われている。

一人目を抜いた後、ニュートラルな状態で浮くことにより姿勢を回復させている。




また、それと同時に守備者を受身に回して抜く。





途中、体を当てられている。



このような接触プレーに耐えやすい条件は、二つある。

一つは、自らのバランスが崩れていないこと。

もう一つは、相手に十分な当たりをゆるさないことである。

浮くことで姿勢を回復させ、守備者の腰を引かせることで十分な当たりをゆるさない。

これにより、前方へ抜けることが可能になる。



浮くことの効果をよく利用したプレーといえる。

次回は、ここまでをまとめる
前回は、ニュートラルな体勢で浮くことにより、守備者に対し先手を取る例を見た。

ここでは、浮くことが姿勢の回復につながることを見る。





























途中、体が斜め後方に傾いた状態にあった。



そこから軽く浮く。



これにより、姿勢が回復される。



このように、浮くことには姿勢を回復させる効果がある。

このような回復を行わないプレーは、次のようである。



































足を大きく伸ばし、アウトでボールに触る。



これを見た守備者は、足を止めるはずなので、その逆を取り前に出ようとする。



しかし、体がついていかず、バランスを崩す。



これは、足を滑らせたなどの外的要因によるミスではない。

プレーの初期段階で、傾いた状態であった。



この体勢から動きと動きを無理につなげようとしたために起きた失敗である。

このような失敗は日常的に起きている。

1人、2人と抜いたはいいが、自らのバランスを崩す。このため、次の相手に簡単にボールを取られる。
もしくは、直後のパスを相手に渡してしまうといったプレーである。

ドリブル後のバランスが悪いために起こるミスは非常に多い。

同様の状況における別のプレーは以下のようである。






















































足を伸ばし、ボールに触る。



一度浮く。



肩、腰、膝、足がより平行に近い状態に移行している。

体を当てながら前に向かう。



手で体を押さえられる。



体を入れかえる。



膝を蹴られる。




初期の姿勢は次のようであった。




一方はそのまま動き、他方は浮く。




結果として、前者は簡単にボールを失い、後者を止めるためにはファールが必要であった。




動きと動きを無理につなぐことは、自ら崩れることにつながりやすい。

そこに、浮く動作を挟むことにより、姿勢は回復される。

いわば、浮くことが動きと動きをつなぐ役割をはたす。

これは前に見た例でも見られる。






















浮く前は、やや右に傾いた状態にある。



浮くことにより、より歪みのない状態に移行する。



一度この状態を挟むことにより、動作と動作が無理なくつながれる。

いわば、プレーが滑らかに移行する。

動作の移行が滑らかなことは、上手い選手の特徴であると言える。

ここまで、浮くことの特徴を見た。

次に、それを利用したプレーを見る。
前回は、浮いた状態に守備者が飛び込む場合を見た。

ここでは、浮くことと相手の体勢を崩すことを見る。



































最初、上へと浮き上がる。



左に倒れる。


右に抜ける。



浮いて仕掛けている。

このときの守備者の反応は以下のようである。












































動きがわかりにくい場合は、連続表示させるとよくわかる。

守備者は、浮く相手に対し後ろに下がりながら両足を揃え、腰を引いた状態をつくる。




左に傾く動きに反応する。




その結果、右足に体重が移り逆を抜かれる。




最初に後方へ体を押され、左に振られて右に抜かれている。

模式的には以下のようにあらわされる。



最初に見た、浮かずに切り返す例は以下のようであった。









































ここでの守備者の動きは、以下のようである。



浮くものと並べる。




浮くものは、押し下げて横に振って抜いている。
浮かないものは、横に振って抜いている。
浮くものに対して、守備者は一つ多く方向の変更を強いられる。

このため、相手を崩す効果としては、浮くものの方が強いと考えられる。

抜いた場面での守備者の姿勢は、次のようである。




浮いたものに対した守備者は、完全に体勢を崩している。
これに対し、浮かないものに対した守備者は、抜かれてはいるものの、後ろから追っている。



ドリブルでは、相手を抜いたら加速しろと言われる。
せっかく抜いたのに、追いつかれたら意味がないからである。
しかし、次のプレーを考えた場合、なるべくスピードを上げない方がよい。
スピードを上げれば上げるほどあらゆるプレーは不正確になる。

抜いた相手に追いつかれないためには、スピードを上げずとも、抜く段階で強く崩しておけばよい。

そうすれば、相手は追おうにも追えない。




この状態であれば、無理に加速する必要はない。

次のドリブルでも同じことが言える。






















守備者との間に大きな距離がある。この状態であれば、無理に加速する必要はない。

以上のように、浮くことにより、守備者を強く崩すことが可能である。
これは、後のプレーを楽にする、無駄にスピードを上げないという意味において極めて重要である。

次回も、浮くことの効果を見る。
前回は、ニュートラルな体勢で浮かれた時に、守備者が次の行動を待って反応する例を見た。

ここでは、逆に浮いた状態に対して、ボールを取りに行く例を見る。











浮いた状態





















浮いた状態


4フレーム後


浮いた状態を見て飛び込みを開始している。

結果、以下のようになる。



ボールに届く前にかわされている。

次も同様である。







浮いた状態


















浮いた状態


4フレーム後


結果


やはりかわされる。

浮いた状態では、ボールが完全に守備者に対してさらされている。




また、両足が空中にあるため、ボール保持者は体の移動方向を変えることができない。

このため、飛び込めばボールに触れるように感じられる。

しかし、守備者が飛び込んでボールに届くまでの時間より、浮いた保持者が落ちながらボールに触るまでの時間の方が短い。

このため、かわされてしまう。




飛び込んで取れない場合、守備者は相手の行動を見ざるをえない。

これが、浮くことで守備者を受身に回すことができる理由の一つである。

次に、浮くことと崩しの関係を見る。


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