週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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前回、弧は分割された動作において、体内部の力を用いて作られることを見た。

分割される動作とは、例えば次のものである。











最初、地面からの力を用いて上に踏み切る。





ここまでが、地面からの力を利用する過程である。

その後、全体が浮いた状態で、体内部の力を使って弧を形成する。





その後の動きは、次のようである。







右へ動く。

この動きの変化をまとめると、次のようである。

最初、上に動く。



左に着地する。



その後、右へ動きを変える。




この過程での、左右の動きの変化は次のように表される。



次に、分割されない動きについて見る。






















踏み切りは、次のようである。





左に踏み切っている。

その後、左に着地する。




左に踏み切って、左に着地する点において、動きは分割されいない。





分割されない動作の後、逆方向に動く。




踏み切りからの動きの変化をまとめると、次のようである。

左に踏み切る。



左に着地する。



その後、右へ動きを変える。




左右の動きの変化は次のように表される。



分割されるものと比較する。





この2つの動きに必要な労力について見る。

分割される動作は、上に動いた後、右に勢いをつける。



右に動くための労力は、次のように表される。



ピンクの矢印が右に動く勢いを表し、オレンジの矢印がその勢いを発生させるのに必要な労力をあわらす。

分割されない動作は次のようである。



左へ動く勢いを打ち消してから、右へ動かなければならない。

このため、それに必要な労力は次のようになる。



比較すれば次のようである。



上の方が労力が小さい。

労力が小さいとは、動きの変化を起こすために必要な力、必要な時間、その片方、もしくは両方が少なくて済むということである。

力が少なくてすむことは、制御を容易にし、動きを安定させる。

時間が少なくてすむことは、素早い動きを可能にする。

つまり、労力が少なければ、安定で素早い動作が可能になる。

このため、同じ変化を引き起こすことができるなら、少ない労力で済むほうが動作として優れている。






上の2つは、止まった状態から左に着地し、右に切り返すという点で共通している。

共通した動作を行う上で、左は労力が小さく、右は労力が大きい。



この場合、左の方が動作として優れている。

2つの違いは、着地方向に踏み切るか否かにある。



最終的な目的は、双方ともに右へ切り返すことである。



右に行きたいのに、左に飛んでしまえば、最終目的に反した無駄な勢いがつく。

この無駄な勢いを殺すために、余計な労力が必要になる。



左に飛ぶと、右に行きにくくなる。

ならば、左に飛ぶべきではない。

これは、直感的にも明らかである。

にもかかわらず、着地方向へ飛ぶ理由は2つ考えられる。

1つは、動作上の常識である。

一般的に、次に体の右に足をついて下さいと言われれば、右に踏み切り、左について下さいと言われれば、左に踏み切る。












地面から離れる段階で、右に踏み切っている。





踏み切った後、右に着地する。





これが、右に踏み切って、右に着地する例である。





先に見たものは、左に踏み切って、左に着地する。





これらが、着地方向へ向けて直接飛ぶ例であり、このような動作は一般的に見られる。





左に足をつくため、上に踏み切る方がおそらく珍しい。





体の左右に足を着きたければ、その方向へ踏み切る。

この動作上の常識、もしくは思い込みが、着地方向へ踏み切る1つの理由である。

もう一つの理由は、フェイントに対する認識である。

常識とされている動作では、右に抜きたければ左にフェイントをかけ、左に抜きたければ右にフェイントをかける。

そして、そのフェイントとして、重心を動かすことが用いられることは多い。





左に力を加えて、重心そのものを左に動かしている。

自分の重心を左に動かすことで守備者を釣り、その逆を取って抜こうとする。






しかし、この動作は、それ自身に本質的な矛盾を含んでいる。

最終的に右に動くにもかかわらず、左に飛んでしまえば、動きを変化させるために必要な労力が増える。



左に動くことが右への動作を阻害し、自ら行うフェイント動作そのものがその後の動きを阻害する。

これは、解決不能であるようにも思われる。

左に動くことは、右に抜くための必要経費であり、それなくして相手の逆を取ることはできないのだから仕方がない。

そう考えられがちである。

しかし、同サイドでの変化でも見たように、相手を抜くために、逆へのフェイントは必ずしも必要ではない。

この認識の欠如が、逆に踏み切るもう一つの理由である。

上で見た矛盾を避けるには、動きを分割し、体内部の力を用いた変形を用いればよい。

最初に上に踏み切る。





これにより、両足を地面から離す。

両足が地面から離れた後、体内部の力を用いて左足を左に動かす。





ここから、右に力を加える。





この動きであれば、左への無駄な勢いをつけることなく右に動くことができる。



この過程において、空中にある状態での変形が、重心の運動に干渉しないことが重要な役割を果たしている。





弧の形成に際して、空中で、体内部の力を用いて各部の配置を変えている。

この時、体全体の重心は、この動きがない時と同じ運動をする。

例えば、真っ直ぐな棒を静かに離せば、真っ直ぐに落ちる。



ここに棒内部で働く力により変形を起こす。



この変形がある場合も、重心はそれがない場合と全く同じに動く。



変形がない場合、真っ直ぐに落ちる。



そうであれば、内部の力が働いても、全く同様に落ちる。



どんなに頑張って体を動かそうとも、重心の動きを変える、例えば左右にずらすことは絶対にできない。

これは、空気がなければ完全に正しく、空気があっても、サッカーであればほぼ完全に正しい。

体内部の力を用いた変形は、重心の動きに干渉することができない。

これは、一面不便であるが、一面非常に便利でもある。

この性質があるからこそ、無駄な重心の移動を伴わずに動きを変えることができる。





上の過程において、重心が左右に動くことはない。

このため、横へ無駄な勢いをつけることなく、動作の方向を変えることが可能となる。






動きを分割することにより、無駄な勢いを抑え、安定して素早く動くことができる。

これは、前方へ踏み切る場合も同様である。











地面から離れるまでの動きは次のようである。





地面からの力を利用し、前方に踏み切る。

前方に踏み切れば、重心は前に動く



踏み切った後、次の動きを加える。






両足が地面から離れた状態で、右足を体の外側に動かす。

この時、重心は、この動きが無い時と同様に動く。



体内部の力を用いた変形は、重心の動きに干渉しないため、重心移動は変化しない。



ここから、左へ動く。





重心が左に動いている。

全体の動きを図にすると次のようである。



これに対して、最初の着地で直接右に飛ぶものを考える。



この後、重心を左に動かす。



これを、最初の動きと比較すると次のようである。



それぞれの矢印の変化は次のようである。



この変化に必要な労力は次のようである。



比較すると次のようである。



動きを分割するものの方が、労力が少ない。

これは、動作における無駄な勢いを抑られるためである。

動きを分割し、体内部の変形を用いるものは、着地点に向けて直接飛ぶものに比べて同じ動きにかかる労力が少ない。

労力が小さいことは、安定で素早い動作を可能にする。

これが、分割された動きの持つ、1つの特徴である。

次回は、別の特徴を見る


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