週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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「さて」

「マドリーが久しぶりに伝統芸的な試合をした」

「大筋はといえば」

「前半は1-1で終わり」

「後半84分にスカスカになった守備ラインを破られて失点」

「これはまずいと思ったら」

「2分後にグティが見事なフリーキックを決めて同点」

「行け行けムードになった直後」

「ぺぺが何を思ったか、エリア内で倒れたカスケーロを二度蹴り飛ばして退場」

「おまけに、相手のPK」

「非常にまずいと思ったら」

「カスケーロが見た目最悪のPKミス」

「その5分後の93分」

「ロングボールで一気の攻め」

「押し上げた中盤が、クリアボールを回収」

「そこから、イグアインのミドルが決まって逆転」

「場内絶叫また絶叫」

「ピンチの連続、絶体絶命になってからのどんでん返し」

「特撮ヒーローものにおける、王道のような展開だった」

「シナリオとしてはベタ過ぎて、逆にしらけるほどのものだった」

「それを現実に起こすところがレアル・マドリーというかなんというか」

「伝統芸能というかなんというか」

「実に、盛り上がる試合であった」

「前半の配置はこう」



「マドリーは、ゆがんだ形でわかりにくいが、数に当てはめれば、1-4-3-1-2」

「ヘタッフェは、1-4-4-1-1」

「9分にグラネロのクロスから、ソルダドが頭で合わせて0-1」

「ベルナベウに暗雲が漂う」

「前半、鳴かず飛ばずのマドリーだったが、ロスタイムにガゴが頭で跳ね返したボールが非常にいい場所に落ち、イグアインがゴール」

「同点に追いつく」

「ここのイグアインは上手かった」

「カタ・ディアスのチャージを受け潰した体の当て方は見事だった」

「そのまま前半は終了し、どうにもならん内容ながら、ゴールだけは取って勝ついつもの試合かと思われた」

「が」

「後半」

「57分までに3つの交代が行われる」

46分:マリオ→ベレンゲル
46分:ファン・デル・ファールト→ロベン
57分:マヌー・デ・モラル


「マリオの交代は怪我」

「マドリーは、ファン・デル・ファールトを下げ、ロベンを入れて上の配置になる」

「ラウールが右、フンテラールが左である点が興味深い」

「なにはともあれ、ここまでの交代は、普通やな」

「57分にマヌーを下げる点も含めて、予想の範囲内であるという意味で、そう言える」

「まあ、マヌー自身は、交代にえらく不満顔やったけどな」

「ヘタッフェの選手と、ビクトル・ムニョスの間になんかあるのかね」

「この前、コントラも交代関係で監督と喧嘩したらしいしな」

「そういえばあれやな」

「なんや」

「マドリーは、グティが監督と問題をおこし、ヘタは、コントラが監督に殴りかかり、似た者同士の対戦ではあったわけやな」

「似ても困るという話やけどな」

「それはさて置き」

「次の交代は、かなり予想を超えたものだった」

「59分、カンナバーロを下げ、ハビ・ガルシアを入れる」

「ボランチのハビをセンターバックの位置に入れる勝負手かと思いきや」

「さにあらず」

「下のようになる」

59分:カンナバーロ→ハビ・ガルシア


「うむ」

「実に」

「なんというか」

「ほんまかね」

「どう見てもこうなっていた」

「ガゴのセンターバック」

「うむ」

「ほんまにほんまかね?」

「ほんまなんやな、これが」

「これじゃ、守備が持たへんやろ」

「持たんやろな」

「勝負手もいいとこやな」

「奇手というべきか」

「鬼手というべきか」

「実に攻める気満々のマドリーであったが」

「63分にロベンが負傷交代、ドレンテが入る」



「これは痛い」

「対するヘタッフェは、78分にソルダドを下げ、ウチェを入れる」



「ガゴがウチェを一番後ろでマークするとか、どう考えてもありえん話やな」

「そのありえん話から、マドリーは失点する」

「時は83分」

「引き分けでは優勝が遠のくマドリーが強引に攻める」

「中盤から縦にパスが入る」



「この時点で、左側、前線方向に多くの白いユニフォームが見える」

「これをマルセロが受ける」



「ドレンテが、左に開いている」

「中にドリブルして潰される」



「この時、半月部に、マドリーのフォワードが3人固まっている」

「ここからカウンターを喰らい、右に開いたウチェにボールが渡る」



「手前がウチェで、ファーに2人の選手が見える」

「明らかにファーが受からない配置で実際にもそうなる」

「ウチェがクロス」



「この時、画面内のアルビンが中央へ動き、画面外からガビランが外側へ入る」

「パスがガビランに渡る」



「それを頭で落として」



「アルビンがボレー」



「見事にネットを揺らす」

「これで1-2」

「ヘタッフェからすれば、綺麗な速攻だった」

「確かにそうやけど、ウチェのクロスのシーンで、誰がマークをしていたかを見ると下のようになる」



「ガゴとグティ」

「言うなれば、ガゴがカンナバーロで、グティがラス」

「男前やな」

「この後の展開がもっと男前やけどな」

「最初にあったように、この後、マドリーはグティのフリーキックで同点」

「直後に、ペペがファールでPKを取られた後、暴力行為で退場」

「そして、カスケーロがパネンカを失敗」

「パネンカについては、後ほど見るとして」

「1人少なくなったマドリーは、下のような配置になる」



「ドレンテが左に下がり、マルセロが中盤、前線はわかりにくいが、イグアインが右で、ラウールが最前線、フンテラールが守備に走る分、やや下がった位置にいる」

「この無理矢理な形からイグアインが決めて逆転」

「これぞ、正に、エンターテイメント」

「そういう話か?」

「いや、これは盛り上がるで」

「それはそうやけどもや」

「なんか不満でもあるんか」

「ヘタッフェ相手にガゴをセンターバックにするような無茶をした挙句、こんなジェットコースターのような試合をしなければ勝てないというのは問題ではないかね」

「それについては、カナル・プルスのアナウンサーがPKのシーンで面白いことを言っておってやな」

「なんや」

「”マドリーはずっとロシアン・ルーレットをやってるようなもんだから、PKを取られて当然だ”という内容を話している」

「ロシアン・ルーレットとはおしゃれやな」

「弾が一発でも、引き金を引き続ければ、いつかは発射される」

「そういう話やな」

「しかしながら、こういう理屈を超えた試合をできるのは、マドリーの体質的な強さでええことやと思うけどな」

「それはそうではあるけれどもや」

「おまけに、これで、リーガの優勝という興味も今後につながったし、二重にめでたい」

「そういうことにしとくか」

「しといたらええと思うで」

「ほんなら、最後に、パネンカの話をして終わろうか」

「パネンカというのは、キーパーが横に飛ぶことを見越して、中央にふわりと浮かせて決めるPKのことを言う」

「これは、決まると冷静で超かっこよく見えるが、外すと馬鹿扱いされるという諸刃の剣でもある」

「今回も、外したカスケーロは恐ろしい勢いで叩かれている」

「ある監督なんかは、あの場面であんな蹴り方をするとはけしからん、サッカーを冒涜している、といった趣旨の発言までしている」

「そんなことを言われても、あの状況でやるからこそ、パネンカやねんけどな」

「ギリギリの試合で、みんなが極度に緊張する場面でやるからこそ、キーパーが引っかかりやすいので、使う場面としては正しい」

「ただ外すと酷い目に合う」

「選手は一番自信のある方法で蹴ったらいいわけで、思いっきり蹴って枠を外すより、ふわりと蹴って外す方が余計に叩かれる、というのはおかしな話ではあるねんけどな」

「それは、やっぱり、一所懸命やって外した風に見えるのと、なめて蹴って外した風に見えるのとの違いなんちゃうか」

「綺麗に決めても1点、泥臭くても1点、強く外しても0点、柔らかく外しても0点。ゴールやノーゴールに貴賎の差は無いのではないかね」

「それは世の中、色々なあれがあるからやな」

「バジャドリー戦でロッシが外したPKも、今回、カスケーロが外したPKも重さは同じではないか、といったことを思いつつ」

「今回はこの辺で」

「また次回」

「ご機嫌よう」


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