週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「さて」
「なんや」 「本日はマドリード・ダービー」 「最近、一部で見る価値なしダービーと言われているやつか」 「そうなんか」 「どうせ毎回レアル・マドリーが勝つんだから、見る必要もないということらしい」 「アトレティとしては屈辱的な言葉やな」 「確かに」 「ドラマとしてはいつも面白いと思うねんけどな」 「色々あるのは確かやな」 「まず、今回の先発はこう」 「ふむ」 「ふむ」 「アトレチコが個性的やな」 「1-4-3-1-2」 「普段は1-4-4-2やのにな」 「アギーレは、0607シーズンのセビージャ戦で、これをやって大失敗した」 「この文章やな」 「要するに、セビージャというのはサイドの攻めが滅法強くて、そこを呼び込む1-4-3-1-2やら1-4-4-2の中盤菱形は、はっきりと良くない」 「この前のバルサ戦のエスパニョールと同じ感じか」 「そうやな」 「ただ、この試合のマドリー相手やったら、サイドを呼び込んでも上の2チームほど恐くはないやろ」 「それはそうかもしれん」 「サイドにいるのは、ファン・ニステルローイとイグアインで、ナバス、プエルタと比べてサイドでの突破力は劣る」 「去年のロビーニョと比べてもそうやな」 「懐かしいな」 「そうは言っても、マルセロが上がってくると恐い意味はある」 「ファン・ニステルローイが非常によく下がって中盤を埋めるのに比べて、クン・アグエロはそれほど下がらないからマルセロがフリーになりやすい」 「だから、サイドを空ける意味はあまりない」 「もしかしたら、左はハインツェだと読んでいたのかもわからんな」 「確かに、それやったら、右のセルヒオ・ラモスは怪我持ちだし、ハインツェは上がられても恐くない」 「うむ」 「先発の読み間違えかね」 「どうやろな」 「ちなみに、マドリーの先制点は、1分で、後から見るように、マルセロからファン・ニステルローイへのパスで決まっている」 「見事なシュートやったな」 「やはりシステムが悪かったと」 「しかし、まあ、あれは、ファン・ニステルローイのマークを外す上手さと、シュート力がおかしいとも言える」 「そういう説もある」 「それより、今回のアトレチコの配置は、守備というより、攻撃でおかしいと思うねんな」 「攻めか」 「マドリーは、構造的な弱点として、下の赤い点線のゾーンが空きやすい」 「中盤がすかすかで、特にサイドバックの前が薄くなる」 「そこを攻めたいところだが、アトレチコの配置では上手く攻められない」 「アグエロが右に流れて、そこにロングボール、というのはよく狙っていた」 「それはいいとして、他にサイドのゾーンに入ってプレーできる選手がペルニアしかいない」 「フォルランはあまり流れへんしな」 「ラウール・ガルシアとマニシェは、中央から前に出てシュートを打ってよく、サイドでは大したプレーはできない」 「上のエスパニョールだと、ラモンとネネーやから、サイドでプレーできる選手をそろえている」 「その形だと、中盤が横に出てプレーすることができるが、アトレチコの配置では難しい」 「となると、ペレアが上がるかペルニアが上がるかやな」 「ペレアは上がっても脅威にならず、ペルニアのクロスだけが頼りになる」 「うむ」 「後半からシモンとルイス・ガルシアを使うのだが、それなら最初から1-4-4-2に組んだ方がサイドを攻めやすい」 「理屈上はそうやな」 「現実もそうやで」 「シモンは、怪我上がりだったからその辺が関係しているのではないかね」 「それにしても、後半から使ったわけだし、システムを崩す理由としては弱くないか」 「ああ言えばこういう奴やな」 「この後の配置変更を見ると、その疑問はさらに深まる」 「まず、この試合最初の変更は30分」 「ペレアがスナイデルの顔を叩いて退場する」 「ドリブル中に手を広げたものだったが、故意と認定された」 「故意は故意やけどな」 「その結果こうなる」 30分:ペレア退場 「ハイティンガが右に出て、ラウール・ガルシアが下がる」 「数字は、1-4-2-1-2やな」 「これはいかんということで、アントニオ・ロペスが37分に入る」 37分:ラウール・ガルシア→アントニオ・ロペス 「これは、ラウール・ガルシアがイエローを受けていたことも関係している」 「それもつかの間、39分」 「今度は、ファン・ニステルローイが退場する」 「激し目のレイトタックルで一発退場」 「審判が釣り合いを取ったともいえる」 「その結果、下のようになる」 「マドリーは、1-4-3-2に近い」 「1点勝ってるチームがこの配置を取るのは珍しい」 「そんなこんなで、色々とあった前半は0-1、マドリーのリードで終わり」 「注目の後半開始」 「下のような配置になる」 46分:ペルニア→シモン 「シモン登場」 「アトレチコの配置は、1-3-4-2」 「ここが、謎の部分でもある」 「マドリーの方は、1-4-3-2」 「アトレチコは、1-3-4-2」 「マドリーの方は中央を厚くし、アトレチコはサイドを重視している」 「試合開始とは、いわば逆の形やな」 「さらに、アトレチコは、下のようにマドリーの弱点を攻めやすい」 「ふむ」 「10人になってそれを狙うなら、なぜ前半の始めからそれをやらないのか、不思議ではないかね」 「よくわからんところではあるな」 「おまけに、後半のアトレチコはよく攻めていたというデータもある」 http://www.as.com/futbol/partido/Atletico-Real-Madrid-0289_00_07_0002_0013 「確かにシュート数が増えてはいるが、それが全部サイドから攻めたおかげだともいいきれない」 「試合はこのまま進み、下のような配置に変わる」 67分:スナイデル→ファン・デル・ファールト、67分:ウィファルシ→ルイス・ガルシア、77分:デ・ラ・レー→ハビ・ガルシア、 「マドリーは、67分スナイデルからファン・デル・ファールト、77分デ・ラ・レーからハビ・ガルシアに変わり、そのままの位置入る」 「アトレチコは、67分、ウィファルシが怪我で下がり、ルイス・ガルシアが入る」 「そして、最後は84分、ラウールがドレンテに代わる」 84分:ラウール→ドレンテ 「実は、これが重大な意味を持っていた」 「試合終了間際の90分」 「アトレチコがシモンのフリーキックで同点に追いつく」 「カルデロンは歓喜の渦」 「ところが、長いロスタイムの96分」 「ハイティンガがドレンテを倒してPK」 「イグアインがこれを決めて試合終了」 「なんというドラマ」 「ドラマはドラマだが、試合に対する審判の影響が強すぎて素直に楽しめない」 「2人退場させて最後はPKやしな」 「その他にも色々とおかしかった」 「まあ、後半の戦術的には、レアル・マドリーがついに下の形にしなかったことが興味深い」 「1-4-4-1か」 「勝っていて1人退場が出たら、これがいちばん一般的やしな」 「アトレチコのサイドからの攻めも止めやすい」 「シュスターは、最後の最後までアトレチコと叩き合いを挑んで、紆余曲折を経てそれは正しかった」 「紙一重やったけどな」 「そこを見切れるところがすごい」 「それは確かに」 「今回も、試合内容より、試合展開の方が興味深いデルビであったかと」 「審判のクロス・ゴメスが大活躍」 「マルカの審判採点で、久しぶりに0点を見た」 「そんなデルビであったというところで」 「今回の個人技編はこちらですので」 「興味のある方はごらん下さい」 「というわけで」 「また次回」 「ご機嫌よう」 |
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