週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「崖っぷち対決となったフランス対イタリア」
「イタリアが勝利」 「ルーマニアがオランダに負けたことから、トーナメント進出が決まった」 「ルーマニアは残念だった」 「戦力的に劣勢な中、粘りに粘って最終節に望みをつないだんやけどな」 「これで、スペインの対戦相手はイタリアと決まった」 「それもまた難儀なことやな」 「先発はこう」 「フランスはリベリーを左に置いた」 「そこから内側に入れてボールを集めようということで、形こそ違え、狙いはオランダ戦とかわらない」 「ことろが、前半10分で彼が交代する」 「突然ピッチに倒れこみ、足に猛烈な痛みを訴えた」 「骨折ではないかといわれている」 「代わってナスリが入った」 「しかし、これは困る」 「リベリーを中心に相手を崩すはずが、その彼がいなくなってしまった」 「フランスは、この後、ナスリにボールが入らず、右サイドをごりごりと進むことになる」 「フランスの計画は丸つぶれ、イタリアは楽にディフェンスできるので大喜び」 「これだけでも十分にまずいのだが、それに追い討ちをかける出来事が起こる」 「23分にラインの裏に抜けたルカ・トニをアビダルが倒して退場」 「おまけにPK」 「ピルロが決めて1-0」 「攻撃の要を怪我で失い、退場で一人少なくなったあげくにリードを奪われた」 「困ったを通り越して絶望的な状況やな」 「フランスは、アビダルにかわるセンターバックを入れる」 「10分にリベリーと代わったナスリは、わずか15分で再びベンチに下がった」 「その直後のフランスは、1-4-3-2」 「点を取りたいから前に2人残した」 「しかし、これはイタリアを相手にすると良くない形で、ザンブロッタからファーサイドのトニに合わせられて酷い目にあう」 「ルーマニアも同じような形でやられていた」 「これはたまらん、ということで、ベンゼマを左に下げた」 「一人少ない場合の常識的な形になったわけやな」 「このベンゼマを下げたことは、攻撃面でも良い効果があった」 「彼が左から持ち込むことで、ボールがわりと楽に前へ進むようになった」 「ただ、そこからが問題で、ペナルティーエリアの前まではくるが、そこから最後の決めるプレーが出ない」 「リベリーがいない影響やな」 「得点は動かないまま、時は流れて55分」 「ドナドニは、ピルロをアンブロジーニに代える」 「さすがというかなんというか」 「相手が一人足りない状況でも、中盤に穴をあけないことを第一に考える」 「第一戦で見せた性格的な癖がここでも見られた」 「イタリアらしいといえばイタリアらしいねんけどな」 「らしいといえば、この試合のデータも非常にイタリアらしい」 「UEFAからの図やな」 「これだけを見ると、ゴール以外のデータは非常に競っていて、とてもどちらかが10人で戦っていたとは思えない」 「ボール支配率なんかは、むしろフランスの方が上やな」 「70分近く一人少なかったチームが支配率でまさるっている」 「おまけに、シュート数にもほとんど差がない」 「ただ、そのシュートに関しては、さすがにイタリアというデータがある」 「これはなんだ」 「同じUEFAからのデータで、左側がイタリアがシュートを打った場所、右がフランスのそれをあらわしている」 「ふむ」 「イタリアは、一番シュートを打たせたくないゾーン、つまり、赤で囲まれたゾーンで一本も打たせていない」 「言葉を返せば、フランスのシュートは、打たれてもあまり怖くないゾーンから打たされていたということか」 「やらせるところはやらせるが、最後の肝心な場所はゆずらない。イタリアの守備の良さが存分に出たデータではなかろうかと」 「リベリーがいれば、そこをなんとかできたかもしれんけどな」 「フランスにとっては、とことん不幸であったと」 「その、不幸とか不運とかについてやねんけどな」 「なんや」 「最初のルーマニア戦で、勝ちにいかへんかったやろ」 「同点でフォワードを代えるには代えたけど、ひたすら守備に使ってたからな」 「それなのに、この試合で下のように組んだ瞬間は、博打に出てるわけやろ」 「一人少ない状態で、フォワードを下げへんのやからそうやな」 「ここで、勝ち目の薄い賭けに出るくらいなら、ルーマニア戦で無理にでも勝ちに行った方がよかったということになる」 「結果論やけどな」 「結果論というか、このこと自体が、賭けに出ることのできるうちに賭けておかないと、後から賭けに出られるとは限らない、ということの教訓やと思うけどな」 「さよか」 「なんにしても、イタリアがスペインの相手と決まった」 「両チームの先発を単純に向かい合わせると下のようになる」 「ピルロがおらんな」 「イエローで出場停止なんや」 「それはスペインにとって朗報やな」 「そうでもないと思うで」 「なんでや」 「受けを第一に考えるドナドニとしては、スペインのようなチームを相手にする時は、特に中盤での守備を第一に考えたい。そうなると、ピルロを外したくなる衝動にかられるはずなんや」 「ほんまかいな」 「だから、むしろピルロがいないことで思い通りの布陣を採用できる意味はある」 「どうなんやろな」 「ドナドニにとっては、ピルロよりガットゥーゾの出場停止の方が頭が痛いんとちゃうかね」 「そういう趣味か」 「そういう趣味やろ」 「まあ、妄想の域を出んけどな」 「まあな」 「なんにしても、1-4-3-1-2のように組んでくれるなら、サイドから攻めるのが好きなスペインとしては悪くない」 「しかし、イタリアはこうは組まんのではないかと思う」 「どうするんや」 「初心にかえって1-4-1-4-1に組むんや」 「そうきたか」 「下の形で、サイドからこられるのは嫌だから、それを避けるわけや」 「最近のセルヒオ・ラモスはあんまり上がらんけどな」 「次の試合でも上がらないという保障はない」 「しかし、上のように組まれるとスペインは困るな」 「自分が1-4-4-2で、相手が1-4-1-4-1だと、崩しきれない試合が非常に多い」 「ルーマニアとの親善試合や、アイスランド戦もそうだった」 「崩したといえば、デンマークとの試合かね」 「ただ、その時は、スペインの方もシステムが違う」 「まあな」 「スペインにとっては、ルカ・トニへのロングボールも非常にこまる」 「こういうボールに弱く、押し下げられると非常に脆い、というのはスウェーデン戦でも見られた」 「こう見ると、スペインが勝てそうな気がしない」 「どうにかせんといかんな」 「どうにかって、どうするんや」 「相手がスペインの中盤を潰しに来るとしたら、こっちから出て行かないというのはどうや」 「逆転の発想か」 「スペインもカウンター待ちで、下のように組む」 「これをやると、シャビ、セスク、イニエスタ、シャビ・アロンソといった選手をなぜ連れてきた、という話になるで」 「それは言わん約束や」 「おまけに、これならサイドにフアン・ロドリゲスとか連れて来た方がええんちゃうか」 「それも言わん約束や」 「ついでに、アラゴネスの性格からしても、これはないやろ」 「引かへん人やからな」 「相手が出てこないなら、無理にでも潰してやろう、というのがいつもの行動パターンやからな」 「例えば下の形か」 「セナの代わりにシャビ・アロンソを入れて、さあどうだ」 「どうだ」 「本当にやりそうで恐いな」 「今回は、ロシア戦のように引いた事実もあるし、こうはならんのちゃうかな」 「ドイツでのフランス戦の教訓もあるしな」 「そんなこんながどうなるのか」 「22日のお楽しみというところで」 「また次回」 「ご機嫌よう」 |
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