週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「さて」
「バルセロナは、バジャドリーに勝利」 「珍しいことやな」 「代表週間の後としてはそうやな」 「この試合では、今後のバルサを考える上で、いくつか面白い変化があったので、それを見ていこうかと」 「よかろう」 「そして、その後に、読みもの的な形でグティについて取り上げようとも思う」 「グティか」 「グティや」 「また、なんかやらかしたらしいな」 「恒例行事といえば行事なんやけどな」 「それはそれとして」 「バジャドリー対バルサの先発はこう」 「バルサは、メシ、アウベスがベンチスタート」 「バジャドリーの方は、いつもと大体同じ布陣」 「ちなみに、これは、6-0でバルサが勝った試合の、後半部分の配置と類似が多い」 「センターバックと中盤の底、ビバル・ドラドが違うな」 「試合の流れはというと、前回、骨も残さず散ったバジャドリーであったが、恐れる色もなく、ラインを上げ、前からがんがん行く作戦」 「メンディリバルは、本当に引くということをしない」 「だからバジャドリーの試合は、いつも見ていて面白い」 「ちなみに、前回に見た、バジャドリーがマルケスの縦フェイクからの横パスを狙ってカットしに行く場面が31分前後にある」 「ピケへの横パスに、アギーレが猛然と詰めた場面やな」 「キックでフェイントをかけるのは良いが、普通の蹴り方よりスピードが落ちるので、読まれると危ないという実例になっている」 「まあ、マルケスの行動パターンを読まれた、ということでもある」 「そして、40分、エトーがバジャドリーのボールを奪い取り、パスからラインの裏に抜け、ループで決めて0-1」 「あの、守備に入るの早さは、エトーらしい」 「バルサの方が決定機は多いものの、組み立ての面では、バジャドリーも負けてはいなかっただけに、ホーム側としては悔しい失点であった」 「そして中休み」 「後半開始直後、バジャドリーの左中盤、ジョナタン・セスマが負傷する」 「同じ場所に、エスクデロが入る」 48分: ジョナタン・セスマ→エスクデロ 「この、エスクデロがえらくいい選手だった」 「ドリブルで縦にも中にも抜けるし、スピードを上げた状態でのパスもぶれが少ない」 「これはいい買い物だと思って調べてみると、アルゼンチン人で、ビジャレアルからのローンらしい」 「さすがは、南米からの先物買いが得意なビジャレアルであるな」 「そして、注目の交代は56分」 「攻撃で詰め物になっていたアギーレを代えて、オグベチェを入れる」 56分: アギーレ→オグベチェ 「オグベチェがトップに入り、噂のゴイトンは右に入る」 「ここやな」 「うむ」 「実は、この配置を取られると、バルサの弱い部分がさらに弱くなる」 「具体的には下の形やな」 「シウビーニョの身長が、173cm」 「ゴイトンが189cm」 「バルサの右からクロスが上がり、ハイボールの競り合いになると、まず絶望的である」 「体つきからしてそうやな」 「そして、右から逆サイド、というのは、もう良く知られたバルサの弱点である」 「その辺りは、こちらをご覧いただくとして」 「マドリーやらスポルティング・ヒホンやら、オリンピック・リヨンにもそれは利用されたし、この試合のバジャドリーもそれを狙っていた」 「よって、下のようになるのは非常にまずい」 「いくらなんでもゴイトンがでか過ぎやろ」 「わかりやすい方がええかと思ってな」 「戦術的に、弱い部分を攻められた時に空くスペースが、さらに弱くなるというのは、非常に良くない」 「守備が壊れるのは、多くの場合、一番弱い場所からであり、そこの強度がチームの強度に直結する」 「サッカーにおける応力集中の原理というやつやな」 「というわけで、シウビーニョを起用した場合、に高さのミスマッチを利用されると厄介なことになる」 「チャンピオンズリーグだと、シュヴァインシュタイガー、カイト、クリスティアーノ・ロナウドとか、いった選手が来る可能性がある」 「やはり、シウビーニョではきつかろう、ということで、下の形がよかろう、という話になる」 58分: シウビーニョ→ダニエウ・アウベス、ペドロ→メシ 「プジョルが左サイドバックか」 「こうした方が、弱みをある程度緩和できる」 「まあ、それはそれでいいんやけどな」 「なんや」 「バルサは、ここでメシとアウベスを使う必要はないやろ」 「まあな」 「代表の試合で疲れているところを持って、今週はチャンピオンズがある」 「なにもこんなところで、35分とはいえ、彼らを使う必要はなかろう。というのは確かにその通りとしか言いようがない」 「どうも、グァルディオラは真面目すぎるというか、捨て試合を作れない体質に見える」 「真面目というか、神経質というのが一番目に付く特徴やけどな」 「メシなんか、むしろ召集から外してもいいくらいやで」 「その辺は性格やしな」 「そうは言っても、怪我でもしたら終わりと違うか」 「まあ、今後が成否を決める問題やな」 「カソルラの例もあるしな」 「カソルラはきついな」 「骨折で今期絶望」 「ビジャレアルとしては、目の前が真っ暗になる事件やでほんまに」 「以前、ビジャレアルの構成で見たように、カソルラの代わりはいない」 「他は、みんな左の方がいい」 「そこからカソルラを抜いたら、ほんまにどうしようもない」 「泣けてくるタイミングやな」 「今期のビジャレアルは、前に見たように、本当につらい構成で、まあよくここまでの成績を維持できると驚く」 「チャンピオンズを戦いながら、リーグ4位」 「驚異的な数字やでほんまに」 「リーガでは、毎試合苦労しっぱなしやけどな」 「それもあって、負ける時は、わりと大差で負ける」 「今週もアルメリアに3-0」 「最近はセナに疲れも見え」 「カソルラは壊れ」 「アーセナル戦が非常に心配である」 「いやー」 「いやー、どうした」 「考えれば考えるほど勝ち目ないわ」 「理屈をこねればこねるほどそんな気になるな」 「一番重要な点として、ビジャレアルは、左サイドを押さえられない構成になっている」 「そこを攻めてくるのは、サニャとウォルコット」 「こりゃ止められんで」 「おまけに、右にカソルラがいないことで、ボールを前に運ぶ力も衰える」 「今期のマンチェスター・ユナイテッド戦で顕著だった」 「苦しいとかそういう問題を越えてしんどいな」 「いっそのことこう組むか」 「だから、ここ最近で見たように、1-4-3-X系はまったく駄目だと言うに」 「まあな」 「アトレチコにずたずたにされるのに、アーセナル相手に持つとは思えん」 「カソルラ、カニをセナ、ブルーノに変えたら少しはいけるやろ」 「サイドを攻められても、ある程度守れるかもしれんが、前線の反発力が弱すぎて収支が合わんやろ」 「まあ、理屈を言われると困るけどもや」 「理屈をこねなくてどうする」 「ユナイテッド戦もなんとかなったんやし、今回もなんとかなるやろ」 「パク、ガリー・ネビルで攻められるのと、ウォルコット、サニャで攻められるのでは話が違うで」 「はたして、ビジャレアルは何を勝ち筋と見てチームを組むのか」 「それが一番の注目というところで」 「いっそのこと、バジャドリーからエスクデロを返してもらったらどうやろ」 「今日返してもらって明日試合にだすのか?」 「無理か」 「当たり前や」 「ちなみに、もしビジャレアルが負けた場合、”プレスが甘いから、守備が甘いから負けた、スペインリーグ全体でそうだ、リーガは駄目だ”という馬鹿な評論が出る可能性がありますが」 「それは、まったくの見当違いである、ということはお分かりいただけるはずである、ということを先に申し述べておいて」 「今週はこの辺で」 「また次回」 「ご機嫌よう」 「グティ事件に関する話は」 「こちらにありますので」 「よろしければどうぞ」 |
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