週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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「よし」

「よしってなんや」

「お前の愚痴とやらを聞こう」

「そんな大そうなもんでもないねんけどな」

「遠慮せずに言え」

「チェコの得点は、コーナーキックからやったやろ」

「そうやな」

「具体的には下の形から決まった」



「赤いのがチェコやな」

「これは、オープン、つまり、ゴールから遠ざかるように蹴るコーナーで一番入る確率が高いと思われるプレーがそのまま使われている」

「ニアポスト側に二人入れて、その後ろにスペースを空けてそこで叩くとうやつやな」

「オレンジで囲まれている選手がニアポストに二人、その後ろに白い点線のスペースが空いていて、まさに理屈どおりなんやな」

「その辺りの詳しい話は、コーナーキック関連の文章をお読みいただくとしてだ」

「実際に試合場にいれば問題はないが、テレビではこのプレーが実にわかりにくい」

「それはしかたないな」

「コーナーキックの時に、一番良くある画面の切り替えというのは、下の感じやろ」





「ボールを蹴るまでキッカーを大写しにして、次の瞬間引いた映像に切り替えるという手法やな」

「これは、コーナーキックを味わうには最悪の方法やろ」

「まあ、蹴る前の中の配置と動きは非常に大切やしな」

「その一番大切なところを無視して、写しても写さんでもどうでもいいキッカーをクローズアップするとはいかなる魂胆かと」

「画面上の動きの問題ちゃうかね」

「ぜひともこのような映像作りはやめていただきたいと願うわけやな」

「それが不満か」

「実はもう一つある」

「言ってみろ」

「スイス対トルコの試合やねんけどな」

「トルコが終了間際に劇的な逆転勝ちを決めたやつやな」

「スイスの人はなにをやっておるのかと」

「どういうことや」

「前半はつばぜりあいが続いて、途中から大雨になったやろ」

「すごい降り方やったな」

「それで、ピッチに水が浮いて、全体が水溜りになったわけや」

「走るたびに水しぶきが上がり、パスは地面につくとべしゃっべしゃっと止まる。実に楽しそうであった」

「そういう状況では、明らかにスイスが優勢だった」

「そうやな」

「まず、そういうピッチでは、ボールが止まるので、テクニックが発揮しづらい」

「細かくドリブルをしようとしても、ボールが止まるので置いていってしまうし、細かくパスをつなごうとしても、途中で止まってしまう」

「そうなると、大雑把なサッカーしかできない」

「ボールが止まるから、当たり合いが増えるし、短くつなげないからロングボールが増える」

「そうなると、体が大きく、そういうサッカーに適しているスイスの方が強い」

「トルコは軽量級が多いからな」

「おまけに、雨そのものに慣れているスイスは、その状況での戦い方を熟知している」

「相手とは雲泥の差だった」

「具体的にいうと、下のようになる」



「青い線が行うべきプレー、赤い線が行うべきでないプレーか」

「まず、上の右側から見ていくと、こういうときはキーパーにバックパスをしてはいけない」

「途中でボールが止まると酷い目にあうからな」

「おまけに、PKスポット付近というのは、一番水溜りができやすい場所だから、そこにボールが止まりやすい」

「一番芝が荒れてるからやな」

「次に、細かいドリブルをしてはいけない」

「ボールを置いてけぼりにして、相手に取られてしまう」

「では、どうするかというと、一番左のように、前に蹴ってはそれに追いつき、前に蹴ってはそれに追いつき、という方法で前に運ぶといい」

「少々強く蹴ってもどうせ途中で止まるから追いつく」

「そして、ひたすらディフェンスラインの裏に放り込む手段が一番有効になる」

「普段ならゴールラインを割るボールも、べちゃっべちゃっとバウンドするたびに止まるから、その心配がない」

「スイスの選手はそれをよくわかっていて、先制点もまさにそこから生まれた」

「このビデオやな」

「それに対して、トルコはついつい細かいことをしようとしてボールを失っていた」

「慣れてないから、状況への対応がおくれたんやな」

「緒戦を負けて、敗退の縁に立つスイスにとっては、まさに天の恵みだった」

「ほんまにそうやな」

「1-0とリードして前半を終わる」

「スタンドも大満足」

「どころがだ」

「どうした」

「ハーフタイムでは既に雨がほとんど上がってしまった」

「不思議な夕焼け空になったな」

「これはよくない」

「最近のスタジアムは、素晴らしく水はけがよいから、15分もすればかなりいいピッチコンディションに戻る」

「これはスイスにとってよろしくない」

「困ったところやな」

「困ったというなら、なにかをすればいい」

「なにをするんや」

「スタジアムの排水を止めてしまえばいい」

「無茶なことを」

「すでにリードを奪っている。ボールが止まる状況の方が点は入りにくい。おまけに水が浮いていた方がスイスにとって有利である。以上のことを考えれば、それが一番勝つ確率が高い」

「そりゃそうやけどな」

「おまけに、スイスは自国開催だから、スタジアムの排水設備を止めるなど朝飯前」

「まあな」

「なぜ止めなかったのかと」

「きっと心の正しい人たちなんや」

「開催国がグループリーグで敗退したら盛り上がりに欠けるから、勝つために全力を尽くすのは義務みたいなもんやで」

「きたない技を使いたくなかったということではないかね」

「両チームともに同じ条件で戦うわけやからきたなくもなんともないやろ」

「トルコは排水設備をいじれへんしな」

「そこをどうにかできるから、自国開催はええんやないか」

「まあな」

「それを真面目にピッチ整備までしてどうするのかと」

「実は排水を止める手段がなかったとか」

「そんな設計があるかいな」

「まあ、スイスの人は正直であるということやな」

「そうなんかね」

「レアル・マドリーなんかは、雨も降ってないのにピッチを水浸しにしたあげく、排水を切ったことがあるけどな」

「そこはえらい違いやんな」

「やっぱり心正しい人々なんや」

「そんなこんなで」

「また次回」

「ごきげんよう」

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