週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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「さて」

「クラシコであるな」

「結果は4-1」

「大差というかなんというか」

「先発はこうやな」



「マドリーの狙いは前回のクラシコと一緒で、中央前方の選手、つまりグティがトゥレをマンツーマン気味にマークし、サイドバックは2人のフォワードが下がって対応する」

「前回はグティの位置にラウールがいた」

「こんな感じやな」



「前にうまくいったので、今回も二匹目のドジョウということかね」

「変える必要はないということやろな」

「この試合の動きも前回とほぼ同じだったが、メシに対するマークには気を使っていた」



「マルセロと1対1にしては危ないので、彼がボールを持つとかならずスナイデルがヘルプに行き、マルセロは縦を、スナイデルが中を切っていた」

「時間をかければロベンも下がってきて、トリプルチームのような状態になる」

「対策は万全という感じやな」

「そして、試合の方はというと」

「12分にラウール、20分にロベンが決めて2-0とマドリーがリード」

「バルサとしては困ったことになった」

「そこで、23分に交代が行われる」

「グジョンセンがアウトでジオバンニ・デ・ロス・サントスが登場」

「フォワードが1人多すぎやしないかと思っていると」

「下のようになった」



「メシが中か」

「中やな」

「今までだと、負けている後半の勝負手やな」

「それを23分で出す辺りなかなか」

「前回の教訓から、対策を考えた結果がこれ、ということかね」

「これで上手くいったかどうかというと」

「この交代をきっかけに持ち直した、という点では良かった」

「マドリーは左のロベンを止める手段を入念にこうじておいたのに、それを外された形ではある」

「ジオバンニに2人行くのは行きすぎだし、そうすると中盤が相手メシの回りにスペースができる」

「おまけに、ジオバンニとマルセロを1対1にしてしまうと、ドリブルで抜かれる可能性が十分にある」

「さらには、メシは頻繁に上がるマルセロをマークする必要がないので、足を溜めることができる」

「マドリーにとっては色々と悩ましいところやな」

「しかし、いいことばかりでもないのが世の常というかなんというか」

「今までも守備の薄かった中盤にメシを入れて持つのかどうかというのは疑問やな」

「持たなかったのは後半の2失点でも明らかではないかと」

「どうなんやろな」

「とにかく、バルセロナはチームとしてボロボロであったな」

「レアル・マドリーには、最低限の後ろが耐えて前が決めるという構造があった」

「決して安定な構造ではないねんけどな」

「はたして、バルサはどうしてしまったのか、反省してみたいところではある」

「反省会か」

「そうやな」

「まずシーズン最初の問題はロナウジーニョやな」

「外すか使うのか、中途半端な時期が長すぎた」

「彼を支える選手を切り過ぎたせいで、もはや使う場所はなかったんやけどな」

「その辺りは、こちらをご覧いただくことにしてだ」

「去年の終わり頃は、彼を使わないことでチームが安定してきたと思ったら12月も終わりのクラシコで思い出したように使う」

「それでまたおかしくなってきた」

「ロナウジーニョは、使う、使わないでチームのバランスを完全に変えてしまうから、中途半端に使う道なんかないのにな」

「天才と毒物の紙一重というやつかね」

「その後しばらくして、外すことに決定した」

「それはそれとしてや」

「なんや」

「この試合のバルサの先発を見ると、ロナウジーニョ以外の問題も良くあらわれていると思わんかね」



「これはなんや」

「バルサの課題の上位3つで、重要な順に線が濃くなっている」

「ほほう」

「まず一番の課題はメシやな」

「メシか」

「彼を攻撃の核に据えるのか据えないのか、決心をつけないといけない」

「いけないも何も、ロナウジーニョがいない以上、彼を中心にするしかないんちゃうかね」

「能力的にはそうだとしても、怪我が問題やろ」

「怪我はなあ」

「毎シーズン長期に渡って戦列を離れる選手を中心に据えるのは難しいで」

「その選手が凄ければ凄いほど、いないときの反動もきついしな」

「やろ」

「とは言っても、来シーズン一杯は様子をみるのと違うかね。次も怪我をしたら、それこそ考えなあかんとは思うが」

「じゃあ、メシは中心に置くと決めて、次はサイドバックやな」



「ザンブロッタとアビダルか」

「この2人の組み立て能力、プレッシャーをかわす能力、クロスを上げる能力というのは極めて低い」

「バルサの使い方に合わんと言えば合わんな」

「つないで攻めるのであれば、サイドバックがポロポロとボールを失っては話にならんやろ」

「バルサはパスを回す運命にあるから、この2人は変えないとしょうがない」

「そして最後に、ボージャンとグジョンセンや」

「トップがボージャンだと、ボールに触るために下がったり、サイドに流れたりする機会が多く、ゴール前の選手が足りなくなるのは確かやな」

「おまけに、グジョンセンを中盤でイニエスタやデコの代わりに使うのは無理がある」

「言われてるほど悪いとは思わんけどな」

「そうなんか?」

「ゾーンの間でパスを受ける動きなんかは抜群に上手いで」

「でも、そこからパスが出てこないで、潰れてしまうことが多いやろ」

「確かにそんなこともあるけど、守備でも惜しみなく走るし、相手に当る度胸もあるから今のバルサの中盤には貴重やと思わんか」

「そこや」

「どこや」

「その走って当れる選手というのがまた問題や」

「そうなのかね」

「今のバルサを見ると、アンリ、メシ、シャビ、イニエスタ、ボージャン、ジオバンニ、エスケーロといった瞬発力型やテクニック型の選手が多く、長距離を走り続けてスペースを生めてバランスを取るとか、泥臭く相手に当っていくとかいった人材が足りない」

「デコはどうした」

「昔は、彼に加えてモタやファン・ボメルやジュリやジオがいたことを思えば、明らかに人手不足やろ」

「薄いのは薄いな」

「薄すぎるから、チームのバランスが保てないわけで、それを埋める補強候補などを考えてみようと思うわけだ」

「例えば、ハーグリーブスか」

「いきなり確信を突きよるな」

「中盤でバランスも取れて、サイドバックでも間違えない。条件にあてはまるやろ」

「それはそうやけど、海外に手を伸ばして、やれハーグリーブスが欲しいとか、やれシュバインシュタイガーが欲しいとか言い出すと夢物語になるので、リーガ関係者で実際に買えそうな選手を選ぶといいと思うわけやな」

「さよか」

「そこで結論としては下のようになった」



「これまたなんとも言えん面子やな」

「ええやろ」

「ええというのかなんというのか」

「セルヒオ・ガルシアとルイス・ガルシアは、センターフォワードに入っても良く、サイドでもプレーできる」

「このルイス・ガルシアは、エスパニョールの方か」

「そうやな」

「マキシ・ロドリゲスは、左右のサイドで良く、トップ下からボランチでも働く」

「サパテールは、中盤のバランスを取れて、サイドバックでも一通りの仕事ができるな」

「イラオラは、サイドバックでプレッシャーをかわすのがうまく、中盤に出てもいいし、実はボランチもできる」

「ゴンサロは、守ってよし、組み立ててよし、サイドバックも可能やな」

「ガライはどうしたんや」

「もうラシンから買ったらしいから入れてみた」

「ガライは、キック力があるのは確かやけど、細かい組み立てがうまいかどうかはよくわからんのやけどな」

「それは来てからのお楽しみやな」

「左は、ホセ・エンリケにアントニオ・ロペスか」

「ホセ・エンリケは、ドリブル良し、クロス良し、スピードもあってタックルも上手いというスペイン期待の星や」

「ビジャレアルからニューカッスルに買われて行ったのではなかったかね」

「どうも不満があるらしく、スペインに帰りたがっているそうな」

「もう一人がアントニオ・ロペスとは手堅いな」

「ロングキックが正確、フリーキックも抜群。仕事熱心で周囲とのバランスに気を使い、最近は右サイドバックとしても信頼されている」

「左利きの右サイドバックというのは珍しい」

「これらの選手であれば、バルサに足りない、走力、バランスを取る力というものを補完できるのではないかと思うのだが」

「ふむ」

「おまけに各自様々なポジションでプレーできるため、ボージャンをセンターフォワードで使ったり、グジョンセンを中盤で使うような無理をしなくてもすむ」

「いわゆる、ポリバレントな選手というやつか」

「実験として、このメンバーで様々なシステムを組んでみるとよくわかる」

「なんじゃそりゃ」

「まず、バルサ的1-4-3-3を組むと次のようになる」



「サパテールが2人いるのは気のせいか」

「9人しかおらんのやから、誰かが2箇所やらなしゃあないやろ」

「豪気やな」

「次に、1-4-4-2を組む」



「左前のアントニオ・ロペスがどうかとも思うが、普通に戦えそうではある」

「3バックも可能やで」



「しかし、なんにしても、9人も取るわけにはいかんやろ」

「4人くらいは取って欲しいと思うねんけどな」

「シーズン後に期待かね」

「去年からの酷いバルサがどうにか改善されることを祈らずにはいられない」

「補強の前に、作戦担当者を交代させればなおいいかね」

「そのあたりも注目ということで」

「また次回」

「今回も戦術問題集の続編がありますので」

「そちらもご覧下さい」

「ではまた」

「ご機嫌よう」


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