週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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「さて」

「ここでは、デ・ラ・ペーニャがいかに天才であるかという点を見て行くわけやな」

「まず、画面右側のデ・ラ・ペーニャから右サイドへ長いパスが出る」



「その後、下のような流れになる」






「ディフェンスにクリアされる」

「全然天才的じゃないな」

「まあ、そうなんやけど、下の図が鍵になる」



「マルケスがクリアした瞬間やな」

「体勢を見ると、かなりギリギリであることがわかる」

「のけぞった感じの姿勢やな」

「デ・ラ・ペーニャのパスというのは、実は、下の形を狙っている」



「もし、マルケスがすんでのところで届かなかった場合、頭でクリアにいった分、抜けたボールに対する守備はできない」

「ペーニャのパスというのは、わざとこれを狙っていて、ディフェンスにとって、ギリギリでクリアできるかできないかの位置にボールを出し、意図的にかぶらせる」

「かぶる、というのは、高いパスをクリアしようとしたのに、ボールに触れることができずに裏に抜ける、という意味やな」

「取れそうな餌をまいて、実は取れずに罠にかかる、という感じやな」

「まあ、ほんまにそんなことができるのか、という話やけどな」

「本当にうまい選手というのは、これができるんや」

「でも、お前、ペーニャのパスは、50mくらいあって、ディフェンスをギリギリ越えるということは、頭の上5cmを通るいうことやろ」

「そんな感じやな」

「そんなもん、アイディアがあっても、実現不可能やろ」

「普通はそうやな」

「信じられへんという話や」

「昔、ラス・ロサスというフットサルのプラタだったチームに、ガビという選手がいてやな」

「突然どうした」

「この選手が、強烈に上手くて、30m位の距離から、わざとディフェンスがクリアできそうな高さのパスを出して空振らせ、ゴールにつなげる、という技を実際にやっていた」

「そんな個人的な記憶を持ち出されても困る」

「そりゃそうやな」

「皆様におかれましては」

「上のようなパスを本当にデ・ラ・ペーニャが狙っているのか否か」

「チェックしながらご覧になるのも一興ではないかと」

「普通は下のようになるところで」



「デ・ラ・ペーニャはこれを狙う」



「これが一つ、シャビとデ・ラ・ペーニャの差でもあって、シャビは基本的に上を確実に出す中からチャンスを狙う」

「ペーニャは、見えた瞬間に出して、下のように、一発で決めに行く」

「そんな違いがあるというところで」

「また次回」

「ご機嫌よう」
「さて」

前回は、シャビのプレーで、インサイドでのパスとアウトでの切り返しが見合いになっているものを見た」

「一方を止めようと思うと、もう一方を止められなくなるから、相手はうかつに近寄ることができない」

「ところが、昔のシャビは、うかつにも近寄られることがあった」

「というのが下の図になる」

「ずいぶん前の映像で、多分、6~7年前のベティス戦だと考えられる」

「今、左下の赤っぽい選手から、中央、マイナスにパスが出る」



「これをシャビが受ける」



「ボールをコントロールする」





「ここで、体の正面が相手を向く」



「さらに横を向きながら」




「パスフェイクをかけて」





「アウトで切り返し」



「ところが、相手はそのまま寄ってきて」





「絡みつかれる」






「最後には体を前に入れられてしまい」





「ファールで引き倒す」



「これは、プレーとして良くない」

「ボールをコントロールした時点では、十分に相手との距離がある」



「今のシャビなら、まず相手に絡まれることはない」

「ボールをコントロール、ボールを横に動かして相手を向いてパスフェイク、パスフェイクからアウト切り返し、という流れは共通しているのに、昔は絡まれて、今は絡まれない」

「その差はなにかというと」

「前への踏み込みやな」




「これが今で、しっかり体の前方に踏み込んでいる」

「ところが、昔のプレーではそれがなく、横に流れている」

「わかりにくい場合は、例によって、パラパラ漫画にしていただければと」

「体の正面を相手に向けても、プレーのベクトル自体が前を向かなければ、相手を止める効果は少ない、ということやな」

「それどころか、自分の体勢を崩して、むしろ相手を呼び込むことになりかねない」

「正対してはみるけど、どうも相手に飛び込まれてボールを失ってしまう、だから恐くてできない、ということは往々にしてある」

「そのような場合は、一度前にプレーのベクトルを向ける、すなわち、前へ踏み込む、もしくは、ボールを軽く前に突く、という行動を取った後に技を仕掛けるとよい」

「と、そのようなことがシャビのプレーから見えますので」

「ぜひ試していただければと」

「これまでの話をまとめると下の図のようになる」



「今回のシャビのプレーにおいては、まず①のインサイドの表で出すパスが基本になる」

「この時、前へ踏み込むことが非常に重要である」

「そこから、インサイドの表から裏の変換を用いることで、②方向へのパスを出すことができる」

「これは、今回は出ていないが、以前の話から、シャビはそれが可能であることがわかる」

「そして、それらのパスをフェイクにして、同じ体勢から、③の方向にアウトで切り返すことができる」

「切り返した後は、アウトでパスを戻すか、もう一度90度方向に切り返すこともできる」

「以上の行動が見合い、つまり、一つを止めると別のものが止められない構造になっているため、シャビからボールを奪うことができない」

「つまり、シャビはキープ力がある」

「とまあ、そのような結論になる」

「そんなこんなで」

「今回はこの辺で」

「また次回」

「ごきげんよう」

「おまけで、デ・ラ・ペーニャの天才性についての文がこちらにありますので」

「よろしければどうぞ」
「さて」

「今回はカタルーニャダービーことバルセロナ対エスパニョール」

「驚くことに、エスパニョールがカンプノウで勝ってしまった」

「別に驚かんでもええがな」

「敵地で勝ったのは27年越しの話らしいから、そら驚くで」

「わしが生まれる前の話か」

「嘘やろ」

「嘘やな」

「先発はこう」



「今回は、シャビに注目していこうかと思う」

「それまたなんでや」

「なんでとはどういう意味や」

「取り上げるのであれば、デ・ラ・ペーニャをやるべきではないのかね」

「明らかな天才やしな」

「笑えるくらいの才能、という意味では、彼が筆頭やろ」

「まあ、そうなんやけど、地味キャラであったシャビの良さが、最近は再評価されているらしくて、その関係でシャビで行こうかと思うわけやけどな」

「地味とか言うたらあかん」

「シャビの上手さというのはどこから来るのか、というのを見つつ、昔のシャビと今のシャビを比較することで、そのプレーに変化が見られる、というのを言えたらいいなあ、というのが今回の趣旨になる」

「さよか」

「まず、シャビのプレーとしては、下のような流れが良く見られる」



「これは、代表戦の絵やな」

「右からボールが来て、コントロールしながら前を向く」



「そこに、相手の選手が詰めてくる」



「相手を向いた後、一度右側へボールを押し出す」





「ここから、前にパスを出すモーションで、左足を踏み込む」








「この辺までは、完全にパスを出すように見える」



「ところが、この辺りから様子が変わる」









「パスフェイクにつられた相手の両足が、完全に揃っている点に注目したい」



「アウトで切り返した後、アウトでバックパス」





「ボールは無事にプジョルに渡る」



「同じ流れは、この試合でも見られる」











「わかりにくい場合は、パラパラ漫画にしていただければ、少しはましではないかと」

「以上のことから、ひとつのことがわかる」

「シャビのこのプレーでは、インサイドで前に出すパスと、アウトで90度に切り返すことが、完全な見合いになっている。ということやな」

「同じモーションから、同時に守ることのできない2つの行動を選択することができるため、守備としては止めようがない」

「パスを切ろうと思えば止まって横に足を出さなければならないし、後ろへの切り返しを防ぐために突っ込み続ければ、横を抜かれる」

「パスを短く出して、そのまま自分で追いかければ、前へのドリブルにもなるしな」

「このことは、シャビのキープ力の一つの源になっている」

「上手い、とうことの一つの形はこれである、とも言える」

「例えば、シャビは、同じモーションから、2つのパスを出すことができる、というのは、以前に見た」



「片方を切ると、片方を止めることができない」

「ここでも見合いの概念が出てくる」

「しかしあれやな」

「なんや」

「最初の切り返しの図やけど、もうちょっとアップの画像が欲しいところやな」

「それがないのが、シャビのシャビたる所以とも言える」

「地味やしか」

「ポジション的にも、引いた画面で撮られることが多い場所だから、なかなか大写しにならない」

「似たようなプレーで代用するなら、下のような感じやな」
















「最初のパスフェイクが弱い、軸足がケンケンしている、という点が異なるが、大枠このような形で切り返してあろうと思われる」

「テレビで、カメラを自分で選ぶことができたら、こういった映像は、もっと簡単に手に入るのにな」

「カメラスイッチを自分でできる映像、というのは、分析屋の夢やな」

「今は、同じプレーの引いた絵と近い絵を同時に手に入れることが難しい」

「リプレイが出ない限り無理やな」

「早くそういう時代がこないものかと」

「思うことしきりであります」

「はい」

「それはさて置き、シャビも、昔は上の場面、つまり、相手が前から寄せて来る場面で失敗をしていた」

「というのが次のページの話ですので」

「よろしければどうぞ」
ニアに体を向けた踏み込みから軸足を開き、ファーへシュートを打つ。

インパクトは、おそらく、エトーがよりインフロント寄りであり、イグアインはインサイド寄りである。
連続表示した場合、左側、6番目と7番目の間で軸足を外に向ける様子が良くわかる。




続き:メシのアウトでの切り返し


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