週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
サッカーにおいて、「上手いけど試合で力が発揮できない」「技術はあるのに試合になるとそれを発揮できない」といった評論をよく目にする。
しかし、技術とは、本当の試合で使うことができて初めて真の技術である。 それができない選手は、本質的に下手といわざるを得ない。 このような評論が存在すること自体、サッカーが上手いという概念に対して誤解と混乱があることを示している。 ここでは、サッカーが下手であるという点について、純粋に技術面から明確な定義を試みる。 また、その逆に、サッカーの上手さについても明確な定義を試みる。 このサイトをよくご覧になる方のために書き添えるならば、以下は、これまでに見た、「2006年ドイツワールドカップにおける日本代表の欠陥」、「正対と組み立て」、「正しいインサイドキックとは」から発展したものである。 まず、はっきりとした下手なプレーを見ることにより、その原因を探る。 次の図において、白いチームは右へ攻めている。 今、画面上部の白い選手がボールを受ける。 ボールをコントロールする。 コントロール後、体が連続的に左方向へ旋回する。 この時点で、体正面は完全にサイドラインを向いている。 ここから、大きく前へ蹴り出す。 相手に奪われる。 コントロールの時点では、周囲に十分なスペースがあり、相手との距離も十分であった。 ここから、完全なミスパスで相手にボールを渡す。 明白に下手なプレーである。 ここでの根本的な問題は、簡単に横を向くことにある。 始まりは、下のようである。 ここから即座にライン側を向いたため、相手を呼び込み、パスコースが限定された。 このような状況では、どんなにパスが上手くとも、有効な形で味方につなぐことは難しい。 つまり、サイドラインを向き、自ら状況を苦しくしたとこで、正確にボールを蹴る技術が活用されにくくなった。 上の流れにおいて、下手の正体とは、簡単に横を向く、ということである。 これと良く似た例を次に見る。 今、白いチームは画面左へ攻めている。 画面右、センターサークル外側の選手から画面手前側へパスが出る。 コントロール この時点で、体正面は完全にサイドラインを向いている。 キックフェイク インパクト 最終的にボールを外に蹴り出す。 コントロールの時点では、周囲に十分なスペースがあり、相手との距離も十分であった。 また、中央に目を転じれば、複数の味方が見受けられる。 しかし、すぐに横を向いたため、パスコースが限定された。 さらに、相手から逃げるために後ろに下がる。 これによりプレーが苦しくなり、外に蹴り出した。 コントロール時点と、プレーの終了時点を比べると以下のようになる。 この選手は、十分に余裕のある状態でボールを受け、中にいくつものパスコースがある状態で外を向き、ボールを外に蹴り出した。 非常に不満の残る結末であり、このようなプレーは下手といわざるを得ない。 これも、最初のプレー同様、寄せていくる相手に対して、簡単に横を向いた。 それにより、自ら困難な状況に落ち込んだ。 簡単に横を向くことがいかに馬鹿げたことであるか、以下に概念図を見る。 一般にプレスと呼ばれる守り方がある。 その一例は、次のようになる。 ボールを持つディフェンダーに片側を切りながら詰め、サイドへのパスを誘発する。 ライン際のもっとも狭いスペースに追い込み、ボール保持者に横を向かせる。 この体勢では、前へのパスコースが極めて狭い。 守備は、それを狙い打つことでボールを奪い返す。 上で見た簡単に横を向く選手は、守備側がそのような苦労をすることなしに、自ら望んで下の状態に入る。 つまり、中央でプレスをかける部分は必要ない。 一人に詰められると、周囲にスペースがあるにも関わらず、簡単に横を向き、ずるずると体勢を苦しくしながら蹴り捨てる。 これが下手の正体である。 つまり、「サッカーが下手である」ことの理由は、簡単に横を向くことである。 言葉を変えるならば、簡単に横を向くことこそが下手ということである。 これは、よりペナルティーエリアに近い場所でも同様のことがいえる。 次に、それを見る。 |
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