週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「さて」
「ビジャレアルは敵地で引き分け」 「非常に良いスタートをきったのではないかと」 「相手は去年のチャンピオンやしな」 「先発はこう」 「両者共に1-4-4-2であるが」 「はたして、この両者がぶつかった時に、どのような展開になるのか」 「ビジャレアルの側から予想した後に、以下を読まれると、より興味深いのではないかと思われますので」 「展開と、その後の交代を少し考えていただきたいわけでありますが」 「もちろん、お急ぎの方はそのままお読みいただいても何が起こるというわけではありません」 「あたりまえやろ」 「何も起きようがないわな」 「起きたら面白いけどな」 「というわけで」 「ビジャレアルの起用に注目してみるというと」 「目に付くのは下の赤丸のポジションやな」 「サイドに、ピレスとカニ」 「相手がマンチェスターだという点を考えると、これは危ないように見える」 「2人ともテクニックはあるが、サイドの選手としては走力がない」 「その両者を同時に置くと、マンUの中盤に対して明らかに走り負けをする可能性が高い」 「特に、右サイドが心配やな」 「ナニ、エブラを揃えるユナイテッドに対して、果たしてカニで大丈夫かどうかが問題になる」 「ナニ対カニってのも面白いな」 「結論を言えば、やはり大丈夫ではなかった」 「サイドを押し込まれてクロスを上げられるのはもとより、押し下げられた後のカウンターにも支障をきたした」 「そんなこんなで、前半はボコボコにやられ」 「これはいかんということで」 「後半からカソルラが登場する」 「これで、ビジャレアルは息を吹き返す」 「攻撃面では、カソルラがサイドを縦に長く持ち込むことで周囲が楽になり、また、相手陣では、右サイドから中央に入る彼を経由することでパスが回りやすくなった」 「さらに50分を過ぎると、下のように配置が変わる」 「マティが左に下がって、ピレスが前へ」 「最初の図と比べると、サイドの走力、前に出るスピードというのがまるで違う」 「しかし、こうなるとあれやな」 「なんや」 「なんで最初からカソルラを使わなかったのか、というのが問題になるわけやな」 「そうやな」 「いわゆるローテーションというやつかね」 「それもあるかもしらんが、もう一つは、前半のビジャレアルが、常に試合のテンポを落とそうとしていたこともあるやろな」 「キーパーはゆっくりゆっくりボールを蹴ってたな」 「スローインも、ファールもゆっくりやったしな」 「ファールがあった地点にボールを戻すのに、高く上げて途中の選手がキャッチ、それをわざと短く投げて、キッカーがのんびり取りに行く」 「時間稼をぎ、スローテンポにするための常套手段ではある」 「ユナイテッドとハイペースの試合をしたら不利だという判断かね」 「そうなると、サイドでどんどんいくよりも、カニ、ピレスでボールをキープし、中盤でのパス回しを強化する、という考えもなりたつ」 「この感じは面白いな」 「なんでや」 「試合前に、ある人が、”サイドに起点をつくり、中盤でボールをキープするためにカニ、ピレスを使う”と主張したとするやろ」 「ふむ」 「それに対して、”いや、それでは中盤で走り負け、押し返しも効かないから、カソルラ、マティの方がいい”と異をとなえたとする」 「それがどうした」 「この段階では、どちらももっともらしく聞こえる」 「サッカーはなにをやっても一長一短に近いところがあるからな」 「ところが、試合でやるときちんと優劣が出る」 「まあそうかね」 「具体的に見れば、カソルラが出た方がボールを前に運びやすい、押し戻しやすい、というのは、下のようになる」 「中心からやや左下でボールを持っている選手がカソルラ」 「ここから、右にドリブルを開始する」 「2人の間を抜け、前の1人をかわし、あっという間にボールを前に運ぶ」 「これをやってくれれば、周囲の選手は非常に楽になる」 「楽になることで、その後のパス回しに余裕が生まれる」 「一点でも相手を押し込めれば良い循環がうまれる例やな」 「次に、前にスペースがある場合」 「中央、やや左下でボールを持っているのがカソルラ」 「この場合、浮いた球を膝で前に出して、一気に走る」 「結局、後ろから追いかけて来たエブラに押し倒されるが、それはそれでいい」 「前にスペースがある時、前に走るのは当たり前のように思われるが、そうでもない」 「例えば、下の流れやな」 「カニが自軍エリア前でボールを持つ」 「前には大きなスペースがある」 「前にスペースがあったにもかかわらず、エブラに追いかけられて止まってしまう」 「上に挙げた2つの例からして、カソルラなら、この状況でハーフラインの手前までボールを運ぶか、ファールをもらうであろうと予測されるわけやな」 「スピードを上げた状態でのプレーに自信のあるカソルラと、他の選手ではそこが大きく異なる」 「ドリブルでボールを前に運ぶ、とか、押し返しの起点になる、といった表現は良く使われるところであるが、具体的にはこういうことを意味していることになる」 「先発の選択では、裏目を引いたペレグリーニであったが、後半からの修整でうまく試合を乗り切った」 「ペレグリーニは、前半おかしくても、後半になるときっちり立て直すことが非常に多い」 「去年の、レクレ、ヘタッフェ戦なんかもそうやったな」 「前半が悪い時のビジャレアルほど、後半の開始が面白いという話もある」 「それはあるな」 「そんなこんなで」 「また次回」 「の前にや」 「なんや」 「最初の方のビジャレアルの図で、カニ、ピレスに加えて、エジミウソンにも赤丸がついてたやろ」 「そうやったっけな」 「その理由がまだ出ていないような気がせんかね」 「理由といっては、恐ろしいプレーが多かった以外にないやろ」 「例えばこう」 「画面の中央よりやや上側、少しガニ股気味にボールを持っているのがエジミウソン」 「ボールは右足にあり、ビジャレアルは左に攻めている」 「ここから左に切り返すのだが」 「1人で転んでしまう」 「まあ、事故だと思えば事故やな」 「ところが、次もこける」 「ボールがこぼれて」 「エジミウソンが回収」 「さあ前にいくぞと思ったら」 「横から来た相手に潰される」 「また寝転んでしまったわけか」 「ちなみにファールじゃない」 「それは問題やな」 「さらにはこう」 「今、右下の選手から画面右上のエジミウソンに浮いたパスが出る」 「エジミウソンがトラップ」 「大いにバランスを崩す」 「引いた画面ですが、体が後ろに傾き、完全に平衡を失っているのがおわかりになるのではなかろうかと」 「以上のことから、エジミウソンは、体の平衡を保つ能力に問題があり、浮き球の処理も苦手ではないかと思われる」 「それはバルサ時代からそうで、ターンの時、重心が傾きすぎるから、軽いコンタクトで倒れ、良くボールを失う」 「おまけに、後半になると、中盤で相手に横パスしてとんでもないカウンターをくらっていた」 「こういうミスは、せめて半分にして欲しいところやけどな」 「2回でも多すぎやで」 「ハイボールに対する強さとかは頼もしいねんけどな」 「そんなこんなで」 「また次回」 「ご機嫌よう」
無題
ピレスがピルロになってますよー
Re:無題
ご指摘ありがとうございます。
修整しました。 誤植はなかなか見つけられないことが多いので、教えていただくと非常にありがたいです。 またなにかありましたらお寄せ下さい。
二人で一人前
止まって蹴って走るタイプにしても、自分でドリブルするタイプにしても、
ボールコントロールがうまくて且つ走れる選手は貴重ですね。 チームワークとしては カニがボールを持ったところで前のスペースに走りこむような気の利いた運動量のある選手が近くに居ればまた違うのでしょうが。 Re:二人で一人前
となると、カソルラは一人二役のようなものでしょうか。
まさに旬のプレーヤーでレアル・マドリーが欲しがったのもうなずけます。 カニは、サラゴサ時代、特に左サイドから一気に縦へボールを運んでいた姿が印象に残っています。 またよろしくお願いします。 |
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