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シュートやパスで相手の足元を抜く場合、一度ディフェンスに正対すると良い。 正対とは、体の正面を相手の正面に向けることを意味する。 これは、相手の足を揃え、利き足方向にスペースを作る効果を持つ。 以下に具体例を見る。 0708シーズンチャンピオンズリーグ決勝、マンチェスター・ユナイテッド対チェルシー戦の42分におけるルーニーのプレーである。 ここでは、シュートではなくクロスが目的となっているが、フェイントなどのメカニズムは同じである。 ここで、ディフェンダーの重心が後ろにのっているのがわかる。 正対して前進する構えを見せることで、ディフェンスにこの体勢を取らせることができる。 一度相手を押し込むことにより、横へのドリブルが楽になる。 以上のように、一度相手と正対し、押し込む姿勢を見せられると、ディフェンスは横の動きに対する反応が遅れる。 この遅れを取り戻すために大きく足を出すため、その下を抜きやすくなる。 このようなパスは、俗に「股抜き」と言われる。 しかし、股を抜くよりも相手の軸足を意識し、その横を通す感覚を持つほうが良い。 片足で立つ人間は、軸足を動かすことができない。 このため、足元を抜いてシュートやパスを送る場合、その横を通せばカットされる心配はない。 よって、動きの中でマーカーの軸足を意識することは非常に大切である。 相手と正対する。一度正面へ押し込む。利き足方向へ切り返す。相手の軸足を意識しながらキックモーションに入る。足を返して軸足の横を抜く。 具体的には、以上の手順でこのプレーは行われる。 右足でシュートを行う時、角度の変更は下の図のようになる。 ピンクがフェイントのシュートコース、青が実際のシュートコースである。 一般的に、15度前後ずらせばよい。 インフロントからインステップ、インステップからインステップ、インステップからインサイドにサーフェスを変えて角度を変えることが多い。 基本的な状況において、このテクニック自体は難しくない。 踏み込んだ後、体の中心、肋骨のやや下側を後ろに引くようにすると蹴りやすい。 ラウールや、フォルランのシュートでもそれは見られる。 ラウールのシュートは、いわゆる股抜きであり、フォルランは違う。 しかし、軸足の点からみれば、ラウールは相手の軸足の内を通しており、フォルランは外を通している。 上の二つのシュートは、内側、外側の差があるのみで、軸足の横を抜くという点において原理的に同じである。 練習法 以下の点が大切である。 ・相手と正対する ・一度正面へ押し込む ・利き足方向へ切り返す ・相手の軸足を意識しながらキックモーションに入る ・足を返して軸足の横を抜く 以上の手順を習得する最も単純な方法は、1対1からのシュートである。 この場合、キーパーを必要としない。 タイミングは、ファーに打つシュートがブロックされるタイミングで足を返すのが最もよい。 フェイントをかけるためには、先手を取る必要がある。この練習では、ドリブルで一度相手を押し込むことがそれにあたる。 パスを出す選手を用いる場合、下の練習も有効である。 この場合、一度正面を向いて押し込む必要はない。 また、軸足の内側だけでなく、外側を抜くシュートも重要になる。 下のような状況では、後ろからシュートブロックに来るディフェンスの足元を抜くプレーが有効である。 裏を取られた守備者は、あわてて足を伸ばすケースが多い。 シュートブロックに来た場合、ニア方向に踏み込んだ後、一瞬待ってから足を返せばちょうど逆サイドに抜ける。 この技術は、シュートやクロスにおいて、敵をあざむく最も簡単な方法の一つである。 下のような形では、スルーパスに使うこともできる。 応用範囲が広く、ぜひ身につけたい技術の一つである。 |
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