週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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マンチェスター・ユナイテッド対チェルシー

ゲームプラン

チェルシーの先発は、非常に高い確率で次のようになる。



左にカルーを置けばカウンターの威力が増し、マルダを置けば守備的に安定する。
チェルシーは、下のように引いて守る。



ボールを奪った後、ドログバへ、もしくは、サイドへのロングボールからカウンターを行う。
この目的のため、押し込まれた側と逆の選手は前に残る。
左サイドを攻められた場合、右のジョー・コールが高い位置を保つ。



チェルシーとしては、マンチェスターが短いパスをつないで攻めてくる方が望ましい。



これは、1-4-1-4-1は、相手ボランチへのプレッシャーをかけやすいシステムであり、1-4-4-2のパス回しを寸断するのに適しているからである。



中盤でボールをひっかけてカウンター。
これがチェルシーのパターンである。
ユナイテッドが、あえてそれに立ち向かうなら、下のような先発が考えられる。



1-4-1-4-1に対抗するためには、プレッシャーのかかりにくいディフェンスラインからの組み立てが鍵になる。
ここのため、サイドはブラウンよりもハーグリーブスの方が良い。

しかし、このように組まれる可能性は低い。
プレッシャーのかかる試合ではミスがでやすいことを考えても、相手の得意な土俵で戦う必要はない。
チェルシーのように、中盤の守備が堅いチームに対しては、そこを飛ばすのが最も簡便な対策である。



ディフェンスや、中盤のラインも無理に上げず、相手にボールを持たせる形にすればよい。
その方が、チェルシーにとっては苦手な形である。
この場合、マンチェスターの先発は以下のようになる。



チェルシーのドログバと比較して、クリスティアーノ・ロナウド、テベスはロングボールを受けるのに適しているとは言い難い。
その不利をおしてでも、中盤を飛ばす方が良い。
前半は、相手の固い部分を避け、スペースの生じる後半に勝負をかけるのが妥当である。


交代:チェルシーが不利な場合

左にマルダを置いた場合、チェルシーの先発は次のようになる。



チェルシー不利の場合、つまり、得点が必要な場合の交代は次のようになる。



さらに時間が進んだ場合、中盤の選手を外してシェフチェンコを入れる。



これに対し、マンチェスターは、サイドの選手を代えて対抗する可能性が高い。



最終的に、テリーを上げたパワープレーも考えられる。



その場合、5バックで対抗するのが妥当である。




交代:マンチェスター・ユナイテッドが不利な場合

先発を次のように仮定する。



ここからマンチェスターが攻める場合、その変化は多岐に渡る。
例えば、サイドを代えるならば、下のような交代が考えられる。



疲れやすいサイドを、攻撃に有効な選手に代えている。
しかし、同じメンバーで、下のような配置も可能である。



相手のチェルシーは、守備において変化の少ないチームである。
ジョー・コールをカルーかマルダに代えた後は、80分過ぎまで交代を遅らせる可能性が高い。
これは、先発の状態で十分に守備を重視していることと、控えに先発以上の力を持つ選手が少ないためである。
その意味において、チェルシーの対応は読みやすい。
しかし、それに対して、上記のどちらが有効か、断言することは難しい。

ユナイテッドの攻撃における変化が多い理由は二つある。
一つは、前線で複数のポジションをこなす選手が多いためである。
もう一つは、ベンチに先発と同等かそれ以上の攻撃的才能を持った選手がいるためである。
このため、可能な組み合わせの数が非常に多い。
例えば、サハを使う場合、次のような形も考えられる。



選択肢が多い、というのは、一般的によいことである。
しかし、あまりにも多すぎる場合、迷いを生じさせる原因となる。
無数の可能性の中から、最適なものを選び出すのは常に難しい。
この試合において、戦術的に最も興味深いのは、マンチェスター・ユナイテッドがリードされた場面での交代と配置の変化である。
「チャンピオンズリーグ名物、チェルシー対リバプールの対決はついにチェルシーが勝ちをおさめた」

「イントレスティングかつエキサイティングな試合やったな」

「変な横文字はやめてんか」

「すまん」

「素直やな」

「なにはともあれ、先発やな」



「リバプールの左は、丸ごと代わっている」

「ファビオ・アウレリオ、バベルからリーセ、ベナユン」

「チェルシーは、マルダがカルーに、フェレイラがエシエンやな」

「両チームともチームの骨格は変わっていないが、21分に事件が起きる」

「裏に抜けたドログバを無理に追ったことでシュクルテルが負傷」

「ヒーピアに代わる」



「これは痛い」

「非常に痛いな」

「スピードを考えても不安が残るし、後方からの組み立てを考えた時に、シュクルテルがいないと非常に困る」

「彼がいることで、シャビ・アロンソを潰されてもパス出しに困らない、というのが、今シーズンのリバプールの強みやからな」

「1点以上取らないと勝ちがないリバプールにとっては前半から頭のいたいことになった」

「そういえばだな」

「なんだ」

「チェルシーのシャビ・アロンソに対する守備は独特ではなかったかね」

「独特というか、ほとんど詰めに行かなかったのが特徴的やな」



「彼からチャンスの種をつくるのがリバプールの狙いなのに、そこを潰しに行かないのは不思議ではある」

「アロンソに詰めるより、ゾーンをきちんと敷いてボールの入るスペースを潰すことに専念していた感じやな」

「特に、チェルシーが32分にリードを奪ってから、追いつかれる64分まではその傾向が強かった」

「アロンソにはずいぶんと簡単に大きな展開や、細かい組み立てを許していた」

「大きな展開というのは、例えば下のようなパスやな」



「左右に40m以上の長いパスでボールを散らしたり、縦へのフィードでディフェンスを押し下げるようなプレーやな」

「これは技術的に上手い、下手がはっきりする」

「そりゃ、長いボールを正確に蹴るのは難しいでな」

「特にサイドに蹴るボールに関しては、距離をあわせるという点において才能の差がでやすい」

「下の感じか」



「上手い選手が蹴ると、例えばワンバウンドしたボールがすっと足元にあらわれる感じで、コントロールをするとそのままディフェンスと勝負できる体勢になることができる」

「ところが、あまり上手くない選手のボールは腿や腹の辺りに来るのでコントロールに手間がかかり、悪いときはワンバウンドでちょうど頭を越えたりする」

「上手い代表はグアルディオラで、彼はこの手のパスが抜群に上手かった」

「今ならシャビ・アロンソやキャリック、ピルロかね」

「逆に、ディアラやバチスタは距離をあわせるのがあまり上手くない」

「上手い選手は、ほとんどいないから、他の誰をあげても逆の例になると思うけどな」

「次に組み立ての例を考える」

「要するに、組み立てというのは、ゾーン間や角でフリーになる選手にいい形でボールを渡す、ということやな」

「そのためには、どうしても相手を騙さないといけない」

「読まれた場所にそのまま出しては絶対にフリーにはならんからな」

「例えば、中にパスを出すフェイントから外に出すとか」



「縦に大きく出すフェイクから短く出すとか」



「左に出すフェイントから右に出すとか」



「逆サイドを向いておいて、味方が引いた瞬間に合わせるとか」



「以上の他にも、パターンは色々と存在する」

「とりあえず、上の4つに関してはシャビ・アロンソが実際にゲームの中で使用していた」

「さらに言えば、組み立てるパスでは、スピードが大切で、理想的には受け手が触る瞬間に止まっているか、コントロールせずに行きたい方向に行けるボールが良い」

「プレースメントも大切で、そのままドリブルして欲しいならコントロール直後にそうできるように、ダイレクトで戻して欲しいなら戻すように、サイドに展開して欲しいならサイドに蹴れる位置に置くとなおよい」

「上のような条件を満たすパスを出すことができれば、”組み立て上手”と呼ばれるわけやな」

「うむ」

「普通はそのような選手にはなるべく早く距離を詰めてパスコースを限定していくもんやけどな」

「チェルシーがゾーンを優先していたのはわりと珍しいのではないかと」

「そうは言っても、同点に追いつかれたのは、ゾーンを重視して待ち過ぎたのが発端やけどな」

「左に戻ったドログバがキャラガーに寄せていかなかったのが原因やったな」

「あれは個人のミスといえばそうかもしれん」

「リバプールが、ベナユンの見事なドリブルから、トーレスのゴールで追いついたのが64分」

「69分にチェルシーが交代を行って、カルーの代わりにマルダが入る」



「リバプールはこの前の段階でベナユンとカイトを入れ換えていた」

「77分にはそのベナユンに代わりペナンが入る」



「ペナンはオドンコーなんかと同じで、一度も相手に向かず、最初からスペースに走り過ぎるのが惜しい」

「速い選手にはその傾向が強いというのはある」

「1-1のまま延長戦に入り、最終的な配置は次のようになる」



「チェルシーは、ジョー・コールとランパードが下がり、アネルカとシェフチェンコ。リバプールは3-1とリードされた後に、トーレスが下がりバベル」

「そのバベルが破壊的なロングシュートを決めて3-2としたものの、時既に遅く」

「チェルシーが初の決勝進出を決めた」

「守備を主体とした両チームの対戦ながら、ゴール前のプレーを多く、スペクタクルとしても面白い試合だったのではないかと」

「ただな」

「なんや」

「どうにも気になることがあるんや」

「だからなんや」

「リバプールのコーナーキックやねんけどな」

「コーナーか」

「オープンに蹴るにしても、クローズに蹴るにしても、中央からファーポスト寄りのスペースを狙うことが多いやろ」



「そうやな」

「それは理屈で考えても効率が悪いと思うんや」

「なんでや」

「例えば、クローズで蹴るコーナーでは、下のゾーンを狙うのが一番効率がいい、ということを昨シーズン後半におけるスペインリーグのデータは示していた」



「その辺りの詳細は、こちらをご覧いただくとして」

「リバプールの狙うゾーンよりもこちらの方が効率がいいというのは下の図を見ても納得がいく」



「これはどういうことや」

「青い線と赤い線に対してキーパーが反応したとして、①と②で動く距離は同じなわけや」

「ふむ」

「そうなると、どちらに反応しやすいかというと、当然②の方がいい」

「ボールが長く空中にある分、出る時間があるということか」

「そういうことやな」

「それはそうかもわからんな」

「この点は前の試合から気になっていたわけや」

「気にしいやな」

「そこで思い至るのが、もし今シーズン、このようなコーナーキックを繰り返していたとしたら、リバプールのコーナーキックの成功率は低いのではないか、ということなわけやな」

「そう来たか」

「そこで、プレミアの35節、フラム戦までの全ゴールを調べたわけや」

「ご苦労なことやな」

「結果はこうなった」

「1本だけか」

「ニューカッスルとの試合の2点目で、カイトがコーナーキックからヒーピアのそらしを押し込んだのが唯一や」

「コーナーからヘディング一発で決めたようなゴールはゼロか」

「ゼロや」

「うむ」

「これから直ちに赤いゾーンへ蹴るパターンは効率が悪いとはいえないが、それと矛盾しない結果ではある」

「疑いがある、といったところやな」

「そうなるな」

「とにもかくにも、決勝はチェルシー対マンチェスター・ユナイテッドと決まった」

「プレミアの頂上対決がヨーロッパの頂上対決でもあるわけか」

「上で出てきた組み立てに関して言えば、ユナイテッドにはキャリックがいる」

「彼も上手いな」

「特に横パスやバックパスをワンタッチでスルーパスを出したり、ラインの裏に落とす技は絶品なので、ぜひご注目いただければと」

「いうところで」

「また次回」

「ご機嫌よう」


「先日のリバプール対チェルシーに続いて、こちらも引き分けに終わった」

「向こうは1-1、こちらは0-0か」

「残念ながらバルサはホームで得点することができなかった」

「そのかわりといってはなんだが、アウェーゴールを失ったわけでもない」

「それは心強い点ではある」

「とりあえず先発はこうやな」



「この形から、マンチェスターはとにかく守りを固めてきた」

「ディフェンスライン非常に低かったな」

「下の感じか」



「バルセロナがボールを持つと、全体を下げて最終ラインはペナルティーエリアの前、5.5m付近に形成されていた」

「いわゆる半月マークの少し上辺りやな」

「そして、中盤の4人のラインはその8mほど前」

「これは、守備を敷くゾーンとしては、一番下がった形になる」

「これ以上下げると、ペナルティーエリアにかかってしまうからな」

「例えば、普段のリバプールだと、相手にプレッシャーをかけていくのがハーフライン付近で、最終ラインはピッチの広さにもよるけれども、ペナルティーエリアから15m以上離れた場所にある」

「マンチェスターとしては、バルサのフォワード陣、エトーとメシが裏に出るスペースを与えたくなかったんやろな」

「うまいことラインの裏にパスを落とす選手も多いしな」

「そして、引いて4-4のラインを作った前でテベスがトゥレをマークする」

「半分マンツーマンのような形で、まずトゥレに張り付いてパスレシーブを邪魔した後、パスコースを切りながらボールに詰める形やな」

「そして、その前ではクリスティアーノ・ロナウドが一人ぼっち」

「基本10人で守って、カウンターからロナウドの一撃を狙う、実にわかりやすい作戦やな」

「しかし、最近の傾向からして、ここまでべったり引くチームは珍しいで」

「確かにな」

「それを崩す立場のバルサは、今シーズンで一番ボールが回っていた」

「下の形か」



「まず、点線で囲まれたゾーンで実によくボールが動いた」

「ユナイテッドが引いていたから、そこにスペースが空くのは当たり前といえば当たり前やな」

「かつ、左サイドにいたイニエスタが、しばしば中央に入ることで、守備のバランスを崩していた」

「相手の方は、ゾーンをまたいで動くイニエスタを捕まえきれてなかった」

「そして、マルケスからゾーンの間を突くパスもよく決まっていた」

「プレッシャーもかけられてなかったしな」

「それにしても、彼はもともと組み立ての上手い選手なのに、今シーズンは変なミスが多かったやろ」

「それはそうやな」

「久しぶりにさばくマルケスが戻ってきて、非常にいい具合だった」

「ただし、彼を使うと、クリスティアーノ・ロナウドに対してスピードのミスマッチが生じるのが問題ではある」

「とはいっても、バルサは後ろからのパスが安定しないと力が半減するから彼は大切やな」

「そういえば、後ろからのパスといえば、ミリートがマルケスに頼りっきりだったのが気になるところではある」

「彼は緊張しいやからな」

「緊張しいというか、プレッシャーのかかる状況になればなるほど絶対にミスを犯さないようにプレーするから、パスがどんどん縮こまっていく傾向にある」

「一般的に組み立てが上手いという評価を受けているけど、その点が不安なところやな」

「サラゴサでも隣にセルヒオがいると任せっぱなしの場面が多かったしな」

「この試合でも開始早々ものすごいハンドでPKを取られた」

「あれは緊張と関係あるのかね」

「ないのか」

「ちょっと意味のわからんプレーではあったけどな」

「ちょっとどころじゃないやろ」

「下の感じやな」





「写真は前回に引き続き、エル・ムンド紙のものだが」

「ほんまに、ものすごいハンドやな」

「これが開始1分という恐ろしさ」

「しかし、退場にならんでよかったと思うで」

「ボールが枠に飛んでたら、確実に退場やな」

「なんにせよ、マンチェスターにPKが与えられてキッカーはクリスティアーノ・ロナウド」

「絶体絶命の大ピンチ」

「守るはバルデス」

「コースを読んで右に飛ぶ」

「ところがボールは無常にも左へ」

「これはいかんと思いきや」

「枠を外れてあらぬ方向へ」

「バルサは九死に一生を得た」

「これは大きかった」

「正に大きかった」

「点数が入らなかったこともそうだが、クリスティアーノ・ロナウドをのせなかったという点でも大きい」

「今の彼に気分良くプレーされたのでは止めようがないしな」

「結局、0-0で進み、61分にバルサが先に動く」



「メシを代えてボージャンか」

「ボージャンが左、イニエスタが右に入る」

「これはどうだったかという話やな」

「相手を崩す最初のとっかかりを作っていたのは、左からのイニエスタだっただけに、それを移動させたのはどうかということやな」

「ボージャンを右、イニエスタを左でよかったはずや」

「その15分後には下のようになる」



「デコが外れてアンリが入り、左にアンリ、右にボージャン、イニエスタは中盤に下がる」

「デコは久しぶりの実戦にもかかわらず十分な働きだった」

「ただ、ここで注目なのは、むしろマンチェスターの方やろ」

「右のルーニーが外れて、ナニが入った」

「それと同時に、クリスティアーノ・ロナウドの動きが変化していて、完全にマルケスをマークするようになった」

「この形のバルサ潰しの常道といえば常道やな」

「その前までとは明らかに守備での位置取りが変わっている」

「最終的に、このまま得点は動かずにタイムアップ」

「0-0のスコアレス・ドローで終わる」

「結局、どうやったんやろな」

「なにが」

「どっちがいい試合をしたんやろな」

「それはマンチェスター・ユナイテッドやろ」

「そうなんかね」

「最初に見たように、徹底的に守り倒す予定でやってきて、本当に守って帰ったわけやしな」

「おまけに、バルサにほとんど決定的なチャンスを作らせなかった」

「イニエスタのヒールからエトーが抜け出した場面と、ブラウンの大ミスからこれまたエトーが抜け出した場面かね」

「前者はシュートがそれ、後者はキャリックの素晴らしいディフェンスでことなきを得た」

「ちなみに、この試合でのバルセロナのオフサイドは0回」

「まあ、あれだけ引かれたら飛び出そうにも飛び出せへんしな」

「裏のスペースを消して、ペナルティーエリア前のゾーンで激しく潰して、決定機を作らせない、というユナイテッドの思惑通りで、バルサはボールを持ってエリアの周辺までは迫るが、その先に進めなかった」

「名を捨てて実を取る作戦が見事に遂行されたということやな」

「これで、第二戦はどうなるかという話なわけだが」

「どうやろな」

「実は、最近のバルサは引いた相手よりも前に出てくる相手の方が苦手なだけに予断を許さない状況やな」

「相手が攻めてくるとサイドバックを上げすぎる穴と中盤のスペースを突かれてすぐにガタガタになる癖がある」

「リーガで、いわゆる下位チームに勝ちきれないのもそこに大きな原因がある」

「相手が出て来た時に、カウンターできっちりしとめられたらええねんけどな」

「これまでは、それができないからこそ非常に苦労してきた」

「果たしてその辺りがどうなるか」

「注目というところで」

「また次回」

「ごきげんよう」
先発


構造


6分にコロ・トゥレが負傷し、センデロスと交代した。
アーセナルは守備を重視した。特にフレブは、常にピレスを意識して動いていた。
この代償として、前線でアデバヨールが孤立した。このため、前半は攻めに力を欠いた。

ミランでは、オッドとカラーゼによくないパスが目立った。ネスタは狙いのいいパスを試みるが、コースを読まれやすい。
前半は、アーセナルが引いて守ったため、ここで自由にパスを回すことができた。
しかし、能力不足によりボールを失う場面が目立った。ここが改善されれば、中盤より前方の力が発揮される。
セードルフは、いわゆる奇兵として動いた。ゾーンの間を変えながら動き、守備を混乱させた。
パトは最前線でプレーした。
ボールキープに強みを見せたが、ラインの裏でボールを受けることができなかった。

後半開始


アーセナルは、フレブの動きを大きく変えた。
ピルロのマークよりも、中盤の裏、ディフェンスラインの前でボールを受けることを重視した。
これにより、アーセナルの攻めは劇的に改善された。
また、50分のネスタの負傷退場も攻撃を後押しした。
マルディーニでは、アデバヨールのスピードについていくことができなかった。
65分まではアーセナルが有利だった。しかし、70分前後からミランが再びペースを握った。
これは、相手の変化に慣れたためである。

85分


ミランが一度ペースを握った後、スペースを空けた攻め合いになった。
ミランは、ベテランが多く、スタミナに問題がある。
アーセナルが、前半を固く戦った主たる目的はそれを突くためである。
ミランは、85分にエメルソンを入れ、中盤の前のスペースを押さえた。
この流れは、昨年のマンチェスター・ユナイテッド戦と酷似している。

終了間際、アデバヨールがゴール前4mでフリーになった。
ウォルコットのクロスを頭で合わせたものの、シュートはバーを叩いた。
アーセナルは、勝てる試合を引き分けた。
主力を欠いたヴェルダー・ブレーメンにほぼベストのレアル・マドリーが敗れた試合。

・先発


試合開始直後、ロビーニョを追ってスピードを上げすぎたフリッツが足の筋肉を痛め交代し、下の配置に変わる。


・5分(0-0、フリッツ→トシッチ、怪我)


左サイドバックだったパサネンが右に入り、トシッチが左に入る。
レアル・マドリーのマルセロが赤く囲まれている。
これは、この部分の守備が非常に弱いことを示している。
マルセロは、攻撃で非常な威力を見せる。しかし、守備は一対一、ポジショニングともに悪く、スピードに頼っているだけである。
ここが、組織的な守備のできないレアル・マドリーの中でも最も薄い。


・ヴェルダー・ブレーメン


ヴェルダー・ブレーメンは、後方から丁寧にパスをつなぐサッカーを志向している。
しかし、選手の能力というのはそれほど高くない。
特にこの試合では、赤く囲まれた選手に組み立て段階でのミスが頻発しており、以前ムルシアにいたダニエル・イェンセンのみが常に落ち着いてパスをさばいていた。
他の選手は、自陣でのミスが多く、それがために多くのピンチを迎えた。
しかし、そのような状況でも一切引くことなく戦うのがこのチームの著しい特徴であり、監督であるトーマス・シャーフの信念をうかがわせた。
また、上の図の上部に並んでいるのは、この試合に出場していない、今シーズン出場時間の長い選手である。さらには、フリンクス、ボロウスキーといった選手も欠けている。
これに対し、レアル・マドリーは怪我のカンナバーロを除き、シュスターのベストメンバーだった。


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