週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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マノ (2004.04.6)

「マノ、マノ、マノ」という言葉はスペインのサッカー場でよく聞かれる言葉の一つですが、これは「手、手、手」と言う意味です。要するにハンドの反則を指し、短く鋭く「マノッ!」と叫ぶか、上記のように三回繰り返すのが正式とされております。
一回で叫ぶ場合は頭にアルビトロ(審判)という名詞をつけて、「アルビトロ、マノッ」と叫ぶとよりスペイン人っぽくなれます。
はい。

足が主役のサッカーですが、時に手がその座を奪うことがあります。
最も有名な手といえばマラドーナの神の手ですが、そのほかにも、日常的に手が活躍しております。

例えば、スペインリーグで気になる手といえばプジョルの手。
ペナルティーエリア内でシュートブロックを行う場合、もしくはセンタリングブロックを行う場合、必ず手を後ろに組んでプレーする。
狡猾な選手になると、ペナルティーエリア内でわざと手をめがけてセンタリングを行い、ペナルティーを奪おうと試みることがあるので、それを警戒してのことだと思われる。
しかし、後ろ手に組んだまま相手のフェイクにも応対せねばらないのであるから、非常に難しい技術といえる。

逆にわざと手を広げてプレーする選手もいる。
例えばミランのネスタはスライディングの時、相手の切り返しに備え意図的に手を広げる。
これは、特に裏に抜けた相手を追う場面でよく見られる。
追いかけながら敵の進行方向前方に大きく足を伸ばしてスライディング、それと同時に地面に近い方の手を顔の前に突き出し、切り返されたボールにちょうど当たるように調整しておく。
これにより前方へのドリブルと後方への切り替えしを同時に防ぐ。
ずるいと言えばずるいのだが、極めて有効な技術である。
スペインではエルゲラがよくやるが、一度裏に抜けられると追いつくスピードがないためネスタよりも目撃例は少ない。

手にはその他にもいくつかの使用法があり、

1 ファールをした後、謝る風に相手の頭をさわり、髪の毛を引っ張る
2 倒れた相手に手を差し伸べ、相手が手を差し出すと、さっと引っ込める
3 味方のシュートを避けるふりをしながら手でボールを叩きコースを変える
4 後方から寄せてくるディフェンスの顔に当たるように肘を振り回す
5 角度によっては胸トラップにしか見えないが、実は腕でボールを止める

等が挙げられる。

1と2は相手を挑発する常套手段であり、つい先頃のスペイン-デンマーク戦においてもフェルナンド・トーレスが見事、手引っ込めにひっかかってしまった。

3は先週のアルバセーテvsマドリー戦でロベルト・カルロスのフリーキックをフィーゴが手でシュートし、ゴールを決めていた。

4の達人はラウールで、確信的に相手の顔を狙っている。
チャンピオンズリーグ準決勝、ベルナベウでのバイエルン・ミュンヘン戦でリンケの顔面を肘打ちし、鼻血を吹かせたあげくにアシストを決めている。

5についてはサビオラが抜群に上手い。
そのコツは腕を胸と同期させて引くことにある。
腕と胸が一緒に、つまりその相対角度を変えずに動いていれば、遠くの審判からはその二つを区別することはできない。
審判が笛を吹くのは「手を引いて」トラップをした場合である。
手を引くとは、胸のよりも腕の方が大きく動くアクションを指す。
その場合、腕を引くことでボールの勢いを殺した、もしくは、ボールが当たったから腕が大きく動いた、という論理が審判の脳裏をよぎるため、笛が鳴る。
胸と腕が一体となって動いていればそれを避けられる。
サビオラはそれが抜群に上手い。

その他にも色々と面白い「手」の使用法がありますので、よろしければ探してみてください。

(2021/06/23)

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