週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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アイドルに見るクラブ体質 (2004.04.28)

スペインリーグでは、大体どのクラブにも「アイドル」と呼ばれる存在がいます。
別に男前で笑顔が素敵である必要はなく、インチャ(ファン)に絶大な支持を受ければ誰でもイドロ(アイドル)になれる。
それならば、イドロのタイプを見ればそのクラブの体質、というか特質が見えるのではなかろうか、
といのが今回の疑問であります。

今回比較するのはマドリーの両雄、レアル・マドリーとアトレチコ・デ・マドリー。

まずエル・レアルのアイドルと言えばラウールことラウール・ゴンサレス・ブランコ。
アトレチコの下部組織がおとり潰しになったのを機にマドリーに移籍。ホルヘ・バルダーノのもとで1994年10月、17歳でトップチームデビュー。その後の活躍はご存知の通り。生え抜き中の生え抜きではないが、下部組織から育ち世界のトップレベルに達した。
その言動は無用な問題を産まぬよう極めて計算されている。例えば先立ってのクラシコでのフィーゴの退場に関しても「審判がそう判定したんだからしょうがない、それを覆すことはできないんだから、ノ?」と極めて優等生的発言をしていた。
ちなみに、「ノ?」とはラウールの口癖で、語尾につけると日本語の「でしょ?」といった意味になるが、彼の口癖であり、モノ真似に必須な言葉である。
ジダン、フィーゴ、ベッカム、ロベカル、カシージャス、ユニフォーム販売で上位を占める人々だが、勝負に強くこだわりながらも、見た目は綺麗なプレーする。

一方のアトレチコ。

アトレチコのアイドルはフェルナンド・トーレスだと思われがちだが、それは違う。
彼は女、子供のアイドルであり、アトレチの大半を占めるおやじどもの評価を得ているとは言いがたい。
ならば彼らのナンバーワン・アイドルは誰か、その名もディエゴ・パブロ・シメオネである。嘘だと思われるのなら一度カルデロンに足を運ばれるとよい。先発ならば選手紹介で熱烈な拍手が送られるし、不利な状況で途中出場しようものならもの凄い喝采がわきおこる。その後、敵にえげつないタックルでも喰らわせようものなら場内熱狂、興奮の坩堝。
ほんまでっせ。

そしてその次に支持を受けているのがデニス・ニコライディス。守備では必死でボールの後を追い回し、間に合わないボールにも体ごと突っ込む、決して休むことない芸風がアトレチに大受け。
最近、決定率、テクニックで勝るパウノビッチが先発に定着しつつあるが、デニスを待ち侘びる声は大きい。
ちなみに、スペイン到着当初は「あんなじじいに何ができる」「ギリシャ人???」「ありゃスポンサー絡みで来ただけやで」等、罵詈雑言の嵐だった。それを吹き飛ばし得たのはプレースタイルがアトレチの心を掴むものであった点が大きい。
ビセンテ・カルデロンのハートを掴むには、トラバッハドール(働き者)でペレオン(相手に絡んでいくタイプ)でバタジャドール(戦争屋)であることが必須である。

フィーゴのドリブルに熱狂しジダン、ラウールのテクニックに喝采を送るマドリディスタとセンターバックに絡みつくニコライディスに興奮しシメオネの後方からのタックルにテンションがぶっ飛ぶアトレチ、根本的に人種が違う。
この二つがエテルノ・リバル(永遠の仇)と呼ばれるのも当然かと。
才能を上に置く人間と努力を上に置く人間、わかり合うのは難しい。

その一方で、サッカーはどちらに偏ってもつまらないものになる。
異なるものを互いが補うように重ね合わせ、その結果として高い場所に手が届く、これがサッカーの楽しみの一つだと思われます。
それは今のバルセロナを見ればよくわかるのではなかろうかと。

レアル・マドリーもアトレチコ・デ・マドリーも、来シーズンの補強に期待しましょう。

(2021/07/10)

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