週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「さて」
「バルサ対ヘタッフェは、1対1の引き分け」 「バルサのホームだけにヘタッフェとしては大満足やな」 「欲をいえば勝ちたかったやろけどな」 「そりゃ、ほんまに欲張りというもんやんで」 「先発はこう」 「バルサは、メシ、マルケスがいない」 「あとイニエスタもやな」 「ヘタッフェは、いつものメンバーやな」 「右は、コントラじゃなくてコルテスやと思ってたんやけどな」 「ここから、マヌー・デ・モラルが先制点を決める」 「18分やな」 「これはひとつ面白い意味がある」 「先制されると、バルサはもろいのではないか、という 仮説の検証やな」 「バルサは、もともと後方、特に右とボランチの横を薄くして攻め、前からプレスをかける方式だから、無理に前に出なければいけない状況になると、薄みがさらに薄くなって、危ないのではないか、ということやな」 「それで結果はというと」 「どうなんやろな」 「まず、やはり、ピンチにはなりやすい」 「ヘタフェは、これまでに出てきたバルサ対策をきちんと実行していて、長い展開からの速攻、特にアルビンとガビランでバルサの右サイドを狙っていた」 「結果として、アルビンが完全に抜ける場面があり、逆サイドでマヌーが抜ける場面もあった」 「ただ、そこから前にいけなかった」 「ピケのナイスカバーやな」 「サイドに大きくカバーリングする状況でのピケの動きは良く、このような状況で抜かせなかった」 「これはもう、能力勝ちやな」 「ピケの優秀さが際立つ場面といえる」 「他では、下のような場面もあった」 「中央、センターバックの前の一番いい場所でボールを持って、サイドに2人」 「攻撃としては、よだれの出る状況で、前の2人がスルーパスを狙って動き出す」 「間を通せば、ギリギリの状況が演出されるはずだったが」 「パスは出ず、中途半端にキープした後、適当なシュートで終わってしまった」 「もったいないな」 「あれ、キープしてたのアルビンやろ」 「多分な」 「そこのパスや、ピケとの一対一はどうにかして欲しいところや」 「そこさえ抜ければチャンスやからな」 「むしろ大チャンスやな」 「0-1で前半は終わり」 「追うバルサはどうするかと見ていると」 「下のようになる」 54分: ボージャン→ペドロ、フレッブ→アンリ 「ふむ」 「ふむ」 「ボージャンはなかなか信用を得られてないみたいやな」 「彼の使い方としては、後ろを固めて、前に残りやすいようにした方がいいみたいやな」 「スペイン対アルメリアみたいな形か」 「両ウィングを変えてきたバルサに対して、ヘタッフェはどうしたかというと」 63分:グラネロ→コルテス、68分:リヒト→ラファ 「うむ」 「うむやろ」 「グラネロをコルテスはわかるとしてもや」 「走力に欠けるグラネロを外して、サイドの守備を強化しようということやな」 「リヒトをラファはなんでや」 「それがようわからんのやな」 「怪我以外の理由やとしたら、ぜひ知りたいな」 「この状況でこの交代をする理由が見当たらんしな」 「なにかご存知の方がいらっしゃいましたら」 「ぜひ教えていただきたいと」 「上のように、交代で守りを固めたヘタッフェではあったが」 「73分にバルサが同点に追いつく」 「アウベスのセンタリングからケイタのヘッド」 「そして、グジョンセン登場」 74分:シウビーニョ→グジョンセン 「グジョンセンは、信用されてるみたいやな」 「なんか悟りを開いたみたいやしな」 「なんの悟りかね」 「プレーで力が抜けて、プレッシャーを喰らってもぐにゃぐにゃと抜ける姿は昔はなかったことやで」 「そういえば、バジャドリー戦でも出てくるキーパーを完全に見切って浮かせて決めてたな」 「前よりも相手の動きが最後まで見えるんやと思うけどな」 「そして、ヘタッフェの最後の交代はこう」 80分:カスケーロ→セレスティーニ 「もう引き分けでいいです、という交代やな」 「結果的に1-1で試合終了」 「ヘタッフェとしては満足満足と」 「確かに、そうではあるけどや」 「なんや」 「この状況で、ヘタッフェが勝てないとなると、バルサに勝つのは相当難しいということやで」 「まあな」 「まず、マルケス、メシ、イニエスタがない」 「攻撃において、飛車角銀落ちみたいなもんか」 「かわりに選手は入るわけやからそこまでいかんやろ」 「二番目に、ヘタッフェは、これまで出てきたバルサ対策をきちんと実行してた」 「後ろで下手につながい、長いボールを蹴る状態を素早くつくる、右サイドのスペースを狙う、守備ではマルケスとボランチを押さえる」 「その辺の詳しいことは、こちらやこちらの文章を読んでいただければと」 「それでも勝てない」 「三番目に、バルサが無理に出なければならない展開に持ち込んだのに、その裏を取って沈められなかった」 「個人能力の差と、ヘタッフェ側のテクニック不足のせいやな」 「いや、テクニック不足というけどや」 「なんや」 「ヘタッフェくらいの予算規模で、これ以上いい選手をそろえるのは無理やろ」 「それはそうやな」 「リーガ中堅レベルのチームで、アルビンよりドリブルで切れ込めて、マヌーより上手いフォワードをそろえるなんてことはほとんど不可能やで」 「2人とも優秀やしな」 「おまけに、自陣でバルサのプレッシャーに負ける場面があったとはいえ、じゃあ、カスケーロやグラネロよりボールをキープできる選手をつれてこいと言われても難しいし、ガビランより前にボールを持ち込める選手をつれてこいといわれても難しい」 「カタより守れてきちんとボールが蹴れるセンターバックをつれて来いといわれても難しいな」 「さらに、パト・アボンダンシエリにいたっては、彼よりキックの上手いキーパーはリーガにいない」 「つまり、長いボールでスペースを突くにはよい人材がそろっていたわけだが」 「それでも勝てない」 「うむ」 「四番目に、守りを固めても守りきれなかった」 「交代も守備を重視していたけど、後半のプレー内容もそうだった」 「例えば、中盤でボールを取り返したとしても、サイドバックがなかなか開かない」 「これは、バルサのプレッシャーに負けて、クロスカウンターを喰らうことを警戒している」 「リードを守りきる方針だったと見ていい」 「しかし」 「それでも守り切れない」 「つまり、スペインリーグの中堅よりやや上の戦力を持ったチームが、駒落ちしたバルサに対して、完全な対策を施して、もっとも有利な展開に持ち込んだが、攻め切ることができず、さらには、守り切ることもできなかった、ということやな」 「一文が長いまとめやな」 「リーガ平均やや上の戦力を持つチームが、最高に近い条件をそろても勝てない、ということや」 「少し短くなったな」 「努力してんねん」 「それにしても、これはまいったことやな」 「まいったことや」 「ただ、チャンピオンズリーグなんかで、戦力的に十分のチームが、この展開になれば、攻め切れるのではないかね」 「どうやろな」 「特にマルケスを使ってこの流れになれば、サイドへのカバーはとどかへんやろ」 「かといって、彼を使わないと、後ろからの組み立てに支障が出る」 「おまけに、攻めてくる選手の質が上がればなおのこと危ない」 「そうなった時に、大きく引っくり返る可能性は十分にある、ということかね」 「そんなこんなで」 「今回はこの辺で」 「また次回」 「ご機嫌よう」
無題
昨年、日本の雑誌の特集の中に「ビッククラブ対策」という企画があり、当時好調だったエスパニョールのバルベルデ監督が、レアルやバルサを相手にする際にどう準備するかというコラムを書いていました。立ち読みだったので細かい内容は忘れたのですが、今でも覚えている事があって、最後の一文が「これだけ万全だと思われる対策を練っても、勝利の可能性は決して50%に届かない。ビッグクラブとはそういう存在なのだ」という感じの内容だった事でした。
やはり世界のトップレベルとなると、過密日程に苦しみ相手に研究され尽くしていても、それぞれが簡単には負けない個人能力を持っている事が大きいんですかね。 Re:無題
なるほど、バルベルデがそのようなことを発言していたとは知りませんでした。
個人技に加え、互いの弱点を補強し、長所を発揮しやすいチーム構成になっていることが必要であろうと思います。 ヘタッフェの対策の上に、あれだ有利な条件をそろえても勝てないということは、中堅レベルのチームに対しては、バルセロナは堅牢であるといえると思います。 エスパニョールは、タムードやルイス・ガルシアを揃え、恵まれている方だと思うのですが、それでもやはり監督がそれだけ苦るしんでいるというのは興味深いことです。 またなにかありましたらお寄せ下さい。 |
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