週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「さて」
「うむ」 「無事に0809シーズンもはじまって」 「心がうきうきする昨今ではあるが」 「バルセロナはヌマンシアに負け」 「マドリーはデポルに負け」 「実に華々しい開幕戦となった」 「マドリーがリアソルでデポルに勝てないのは恒例行事やけどな」 「今回は、とりあえずバルセロナの方から見て行こうかと思う」 「先発はこうやな」 「ヌマンシアの方は、1-4-1-4-1」 「バルサの方は、まあ1-4-1-2-3と言っていい」 「ただし、一般的なそれとは内容が異なる」 「その辺りを見ていくとして」 「バルサだけを取り出すとこう」 「一目でわかる弱点はこう」 「メシとアンリ、以前はロナウジーニョを使うと、その後ろにスペースが残る」 「このため、相手は楽にボールをキープすることができる」 「そこをふさごうと思うと、ボランチの脇が空く」 「おまけに右サイドバックを上げるのでセンターバックは前と横にスペースを抱える」 「これらの地点を早く攻められるとバルサはアップアップになる」 「この点に関しては、2シーズン前から手を変え品を変え書かれておりますので」 「こちらの一覧から、ここ2年のバルサに関する文章をお読みいただければより良くわかるのではないかと」 「ちなみに、この試合唯一の得点は、矢印の流れで決まった」 「センターサークル付近でダニエウ・アウベスがコントロールミス」 「それがプジョルの前のスペースに引いたフォワード、ブリトに渡る」 「コントロールから右サイド奥に大きく展開」 「ベルビスが受けて前にドリブル」 「逆サイドへセンタリング」 「走りこんだマリオがコントロールからシュート」 「バルデスの右上を抜けファーサイド上隅に決まった」 「これは、ヌマンシアとしては狙い通りやな」 「早いタイミングでアウベスの裏に出してそこにベルビスが走りこむ、という筋を再三狙っていた」 「特にチョミン・ナゴレからそこへのパスは冴えていた」 「縦に出た後、逆サイドまでセンタリングを飛ばすのも練習通りで、それが見事に決まっている」 「このような方法は、2シーズン前からバルサ攻略の基本手筋で、蹴球計画でも何度もとりあげていた」 「それが今シーズンもまた見られるとは思もわなんだな」 「バルサはリードされたまま56分を迎える」 「なにかせなあかんということで」 「トゥレを下げてフレブを入れる」 56分 「ふむ」 「グァルディオラはこうするのか、という感じやろ」 「メシが中に入る」 「ライカールト時代も、点が欲しくなるとロナウジーニョを同じような位置に置くことはままあった」 「そして、シャビが中盤の底とは目新しい」 「昨シーズンまでは、イニエスタが底で、シャビはその前に入るのが普通だった」 「グァルディオラは逆ということであるな」 「このポジションに、いわゆる攻撃をオーガナイズすることのできる選手を置くことが攻めにおいて非常に重要である、という考えであり、それに適任なのは、シャビである、ということやな」 「昔の自分の位置にシャビを置いたと」 「そういうことになる」 「”シャビを後継者に指名”とか見出しをつければいいのか」 「それはベタ過ぎるやろ」 「長いパスに関しては、明らかにグァルディオラの方が上手かったけどな」 「まあ、この日のバルサの攻め方なら、あまり長いボールは必要ない」 「前回にあるように、スリートップ系のシステムでは、ボランチから後方より、ウィングにタイミングの良いパスを当てる必要がある」 「具体的には、下の形を作り出すためやな」 「バルサは右に攻めていて、ボールを持って前を向いているメシとディフェンスの間に十分な距離がある」 「ここから一気にドリブルで仕掛けて、ディフェンスラインを崩す」 「まあ、そのためにウィングは存在する」 「昔のオーフェルマルスのようなプレーやな」 「懐かしいな」 「ところが、この日のバルサは、下の写真のように選手が中に中に入る」 「エリア付近は大混雑」 「図面上のウィングが中に入るとなれば、そこに長いボールを当てる必要もない」 「この試合に関しては、”サイドを使わないから中央にスペースがなくなって攻撃が詰まるんだ”という形の反省が行われるのは間違いない」 「しかし、もう一つ大切なことは、縦の距離も非常によくなかった」 「フォワードと後ろの選手の距離が近すぎて、スペースを消すわけやな」 「おまけに、プレーの選択の幅も狭まる」 「あと5m後ろにいれば、ディフェンスとの距離も取れて味方が引くスペースも残るし、技も仕掛けやすい」 「この、”縦の距離を適切に保つ”というのは、有効な攻撃を仕掛ける上で、サイドを広く使うことと同様かそれ以上に重要なことなので、ぜひ注目していただきたいところやな」 「例えば、ユーロのスペイン代表は、横は狭かったけれども、縦にはいい距離を保っていた」 「横について言及されることは多いけれども、縦についてはまだあまり触れられることがないので、どんどん使っていくと違いが出せていいのではないかと」 「なにを流行らせようとしてんねん」 「縦の距離に注目してみると、例えば、ペナルティーエリア手前10mからラインの裏にボールを落とす時、ゴールエリアの縁に落とすと、ペナルティーエリアの縁から走りこんだ選手にちょうどいい、というような事がわかる」 「ディフェンスラインがちょうどペナルティーエリアの線にある時の話か」 「そのようなことがわかれば、ボールを受けた時に軽く浮かせてミドル、と見せかけて裏に落とす、というようなアイディアがうまれてくるので、一層サッカーが楽しくなる」 「道を歩きながらそんな妄想をするのも面白いわけやな」 「サッカーは一面、イメージとアイディアのスポーツやから、妄想力は大切になる」 「ほんまかいな」 「それはさておき、試合に戻る」 「フレブ登場後も得点は動かず、61分にアンリを下げてボージャン、66分にイニエスタを下げてケイタを入れる」 66分 「これもまた物珍しい形であるな」 「まず、ケイタがシャビの前にいる」 「これは、監督の守備より組み立てという思想をよく反映している」 「おまけに、ケイタが右にいる」 「彼は左利きで、これまでは左ボランチで見ることが多かった」 「果たしてどうかと思われたが」 「この試合では十分は働きをした」 「しかしながら、無得点のまま試合終了」 「バルサは、初黒星を飾った」 「飾るもんじゃないけどな」 「なにはともあれ、下の先発では今年も前と同じ理由で駄目だろう、というのは見えた」 「それではこれからどうするか」 「下の控え選手とともに考えてみましょう」 「というのが次なるお題やな」 「続きは」 「こちらから」 |
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