週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「いわゆるバルセロナダービーだったわけだが」
「バルサは今節も勝てなかった」 「先発はこうやな」 「バルサはイニエスタやメシを温存か」 「水曜日にマンチェスター・ユナイテッド戦があるからな」 「おまけに、前回に見たトゥレを前に上げるバリエーションはまたもおあずけやな」 「残念ながらそうやな」 「もしかしたらマンチェスター戦に温存しているのかもわからんぞ」 「それやったら嬉しいけどな」 「エスパニョールは、リエーラが出ていない」 「ベンチスタートで後半には出てきた」 「スペイン代表に選ばれた頃の彼は実に自信に満ち溢れていて、一つ一つのプレーが確信に満ちていた」 「最近は、今ひとつ攻めていけないというか、無難なプレーに流れがちやな」 「何があったんやろな」 「タムードも怪我以降いまひとつで、3人の内2人が思わしくない」 「監督も頭の痛いところや」 「それはさて置き、この試合では一つ面白いプレーがあった」 「なんや」 「下のプレーやねんけどな」 「絵が小さいな」 「見にくい場合は、写真を押すと拡大されます」 「イニエスタが、ディフェンスに向かってドリブルをして、中央を押しこんだ場面やな」 「その通り」 「これがどうした」 「この、相手に向かってドリブルをする、という行動は、上手い選手と下手な選手の分かれ目であるわけや」 「前にもそんな話があったな」 「相手に向かう効能というのは、進行方向の両脇にスペースを残すことで、このスペースを自分の都合のいい場所に作れば、次のプレーが楽になる」 「それが上の最後の写真やな」 「実際のプレーは、次の写真の一番上のように進む」 「中にはたいてワンツーか」 「これは良くある形なわけや」 「この場合の常道と言ってもいいくらいやな」 「ところが、実は、2番目の写真のパターンも非常に有効なんやな」 「スルーパスか」 「このプレーを行うには、パスを受ける選手の動きが重要で、写真のように最初から浮いておくよりも、わざとディフェンスにマークをされやすい位置から少し下がる振りをして、縦に抜けた方がいい」 「要するに、下がることでマークを釣り出し、その裏を取るわけやな」 「模式的に書くと、下の形やな」 「ふむ」 「実は、相手がゾーンディフェンスの場合、このような形で、中盤の守備者を中央に向かって押し込んでいくと、縦にスルーパスが出る状況になりやすい」 「この手のスルーパスは、ジダンやデ・ラ・ペーニャの得意技やな」 「それが次の図やな」 「ジダンか」 「ジダンで、試合は、チャンピオンズリーグに勝った年のホームでのバイエルン戦や」 「ちょっと古いな」 「まず、一番上の写真ではサイドラインに近い位置でボールをもらう」 「次に中央を向いて、一番近いディフェンダーに向かってドリブルを開始するわけやな」 「これは、実はあまり普通の行動ではない」 「周囲に十分スペースがあるのに、わざわざ相手との距離を縮める必要はないな」 「実は、その狙いというのは、次の図でわかる」 「デフェンスの間を通すパス狙いか」 「この場合、一番上に示された3つの間を一発のパスで通すことを狙っている」 「いわゆる門狙いというやつやな」 「これが、”中盤の守備者を中央に向かって押し込んでいくと、縦にスルーパスが出る状況になりやすい”という文章の具体例なわけや」 「最初からゾーンの間を狙わず、そこを狭める選手に向かってドリブルすることで動けないようにして、おもむろに間を通すわけやな」 「おまけに、後ろの選手はカバーリングのために中央に動くから、縦にパスが通りやすい状況が生まれる」 「パスを出す方はそれでいいとして、受ける方もその意図をわかっていないとあかんな」 「それが2枚目の写真で、一度戻る動きをしたフォワードが、縦に出ることでこれを受けようとしている」 「ラウールやな」 「この場合、ラウールは、ジダンが中央へドリブルをした時点で、このパスを予想していたと思っていい」 「ほんまかいな」 「そうじゃないと、こうもいい場所に、こうもいい動きで入り込むのは難しいで」 「以心伝心か」 「出すも出したり、受けるも受けたり。両者ともに、匠の技というわけやな」 「でも、これは手筋として使えるな」 「ボールを持った選手が、中央の守備者に向かってドリブルをして、中へのパスフェイクから縦にスルーパス。この時、フォワードは一度下がってから縦に抜ける」 「これさえ知っておけば、タイミングを合わせるのはわりと簡単やな」 「皆様も一度試してみられてはいかがかと」 「ただし、最初の部分、つまり、相手に向かってドリブルを仕掛ける、ということができないと絵に描いた餅になるで」 「そこは、普段のミニゲームやらなにやらで、ボールを持ったら必ず一番近いディフェンダーに体を向けて相手を止める。といった行動を繰り返して度胸と技術を身につけて行くしかない」 「その辺りも試していただければというところで」 「また次回」 「ごきげんよう」 |
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