週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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上のように、バックパスが出る。
これを受けた選手は、オレンジの輪で囲まれた選手へパスを出す。

1 この場合、前から詰める相手に対して、一度正対してからパスを出した方がよいか、そうではないのか

2 パスを出す時、どのような技術を用いるべきか
















解答

この場合、センターサークル付近の選手は完全にフリーである。
正対して時間を消費せず、なるべく早いタイミングでパスを渡す方が良い。

このパスを出す時、ディフェンスラインから前に出る選手を止めたい。
それには、赤い矢印のパスを見せるのが効果的である。
裏を狙われることで、ディフェンスは前に出ることを躊躇する。








上の状態で、前にドリブルをしている。
このままドリブルを続け、左のオレンジで囲まれた選手にボールを渡したい。
なるべく良い状態で渡すには、どのようにコースを取ればよいか。











解答





後ろから追ってくる選手のコースを横切るように中へ切れ込む。
これにより、サイドのディフェンスを中に動かすことができる。
その結果、ライン際の選手がパスを受けた時、最も近いディフェンダーとの間に十分な距離を確保できる。

横切るように中に入って、サイドへパスという手筋は良く用いられる。
「さて」

「個人技術のお時間なわけだが」

「今日の題材は、マドリー対スポルティングから取ったものになる」

「下の流れで、白いチームは右から左に攻めており、今、一番右の選手から左へパスが出る」





「ボールコントロールの後、中に折り返す」





「コントロールからシュート」




「一言でいうと、長い壁パスのようなプレーであるな」

「ここで、ボールを中に折り返した選手、つまり、下の写真でボールを持った選手がどのような技術を用いたかを見る」



「最初のコントロールの後、セカンドタッチは次のようになる」






「ここで大切なのは、ボールを相手に向けて押し出していることである」

「下の状況において、ディフェンスは縦へのドリブルを切ろうとする」



「これに対し、ボールを相手に向けて押し出しすことで、ディフェンスは止まらざるをえなくなる」

「これにより、相手を受身にすることができ、先手を取ることができる」

「また、正対することにより、後ろから味方が飛び込むための時間を作り出すことに通じる」

「いわゆる、”間”と呼ばれるものやな」

「つまり、スペースではなく、相手に向かうことは、先手を取ると同時に、間を作り出す効果がある」

「正対した後は、次のようになる」

「相手の両足が整う前に、次の技を仕掛ける」





「この場合、体を左に傾けることで、縦への突破を見せ、それと同時に、股抜きを見せている」





「ディフェンスは、足を狭めて股抜きを防ごうとしている」

「しかし、真のパスは右方向に出る」

「ここでは、インフロントキックからインサイドによる方向変換技術が使われている」

「まず、下の写真から足を前に押し出せば、股の間を抜くパスが出る」



「しかし、そこで足首を前に押し出すことにより、パスの角度が変わる」



「非常に小さい動きでパスの方向を変えることができるため、相手は直前までその意図に気づかない」

「この場合、体を左に傾けていることで、より角度の変化がつけやすい」

「重要な技術であるわりに、習得も難しくない」

「最終的に、次の状態でボールが渡る」




「この時のパスは、スピードが非常に遅く、スペースに置くように出されている」

「これは、前に走る味方がなるべくコントロールしやすいようにするためである」

「前に走りながら、90度方向からのパスをコントロールするのは難しい。このため、パスのスピードはできるだけ遅い方がよい」

「理想的には、スペースで止まっている方が良い」

「パスを出した選手は、それを実現させるため、股抜きを見せている」

「相手が待っている状態の場合、その横を遅いパスで抜くことは難しい」

「パスカットの危険性が高まる。」

「しかし、下のように、足を閉じさせてしまえば、その横に遅いパスを出してもカットされる心配はない」








「つまり、股抜きのフェイントは、横に遅いパスを出す準備として使用されている」

「このプレーは、結果から逆算してつくられている」

「後ろから走りこむ選手に対して、スペースに置くような、なるべく遅いパスを出したい」

「しかし、遅いパスではカットされる危険がある」

「それを避けるために、股抜きで相手の足を逆に動かす」

「最後のイメージに向けて、プレーが作られていると見てよい」

「以上」

「真面目な説明終わり」

「えらい長かったな」

「こら読む方もしんどいで」

「なんにしても、結果のイメージからプレーを組み立てるというのは、大切やな」

「サッカーにおいて、一番大切な技術というかテクニックというか資質というか」

「プロとアマとか、上手い下手の差は、その差に起因する部分が大きい」

「例えば、将棋や囲碁でもそうやな」

「あそこに石が欲しい、とか、この形にしたい、と思ってから読んでいくのとそうでないのでは雲泥の差やからな」

「最後に一歩いるから今は打てない、とかやな」

「ひどい人間になると、読めてもいないうちから次の一手で勝てるのがわかるらしい」

「ほんまかいな」

「実際に見たことがあるからほんまやで」

「この場合、サビオラは、下の場面あたりで、最後のイメージが読めてたんかね」



「自分へのパスが出された瞬間か、そのあたりやろな」

「それで、後はそれに向けて詰めていくと」

「このプレーは、確かに詰め将棋っぽいな」

「相手方向にボールを押し出す、先手を取る、正対して間を作る、体を左に傾ける、股抜きを見せる、相手の足を動かす、パスコースを変える、遅い球を通す」

「実に論理的というかなんというか」

「ディフェンスに、対処法はあったのかね」

「股抜きフェイクに引っかかる振りをして、遅いパスを狙って足を出す、とかかね」

「ただ、それをやると、本当に股抜きをくらってボールに追いつかれてシュートを打たれる、というのが最悪やな」

「守備が、最も恥とする決められ方やしな」

「その辺はイメージとイメージの戦いかね」

「そんなこんなで」

「今回はこの辺で」

「おまけに、ラウールの蹴る直前までその意図が読めないシュートの映像がありますので」

「よろしければこちらから」

「というところで」

「また次回」

「ご機嫌よう」
インステップのフォームから、浮き球を蹴る。
連続写真で見ても、蹴るまで、浮き球が来るとはわからない。
キーパーの重心の変化に注目すると、完全に裏を取られていることがわかる。
パスコースを変える技術において、異なるコースに蹴る際のフォームを極限まで同じにすることが重要であることを見た。
その点において、非常にレベルが高い。


















疑問点:下の状況で、ヌーノ・ゴメスはファーサイド側にシュートを打てなかったのではないか?結果的にニアになっただけではないか?

写真中央の白と黒の選手がメルテザッカー、左の赤い選手がヌーノ・ゴメス

時計回りにターン


この状態でヌーノ・ゴメスとボールの動きを把握可能


左足を斜め前に出す


左足着地


右足着地


軸足の外側を抜かれる


以上の写真で見られる通り、メルテザッカーはファーサイドへのシュートコースを切るために動いています。
もし、ヌーノ・ゴメスがファーに打つことのできない状態であれば、そちらにはシュートが飛ばないのですから、ニア側を防ぐための動きをみせるはずです。
例えば、下図の状況から、左足をより左に出して踏ん張り、右へ動こうとするといった行動です。



動きから、メルテザッカーはファーサイドにシュート可能であると信じていたと考えられます。
それが正しければ、ヌーノ・ゴメスに二つの選択肢があったことになります。
もちろん、メルテザッカーが判断を誤っただけであるという可能性も否定できませんが、難しくても、ファーに打てる状況だったのではないでしょうか。

またなにかありましたら、よろしくお願いします。


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