週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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インタビューにて思う (2004.10.13)

スペインではサッカーがナンバーワンスポーツであり、テレビで選手のインタビューが流れる時間は長い。そしてそのインタビューは大概スペイン語でなされる。当たり前ですが。

スペインではインタビューに字幕をつけない。例えば、日本では、ほんのちょっと発音が不明瞭だっただけで、ご丁寧に字幕がつくが、ここでは一切そのような努力は行なわれない。

例えばプジョルがカタラン(カタルーニャ語)でインタビューを受ける時にはちゃんとテロップが流れるが、本人がカステジャーノ(いわゆるスペイン語)を喋っている、とみなされた場合には必ず文字無しで放送される。

一瞬聞くと当然のような気がするのですが、スペインリーグにいる選手はなにもスペイン語を母国とする選手ばかりではない。
インタビューが聞き取りにくい選手は数多くおるのですが、その中でもポルトガル語圏、とくにブラジル人のスペイン語は抜群にわかりにくい。

ポルトガル語とスペイン語は似ているらしく、マドリードからリスボンに一年間出張していた人が、最後までまともなポルトガル語を覚えずに押し通して帰ってくることができる位のものである。

この似ている、ということが曲者で、スペインに来たポルトガル語の人間も、何となく言葉が通じてしまう為に、何年たってもポルトガル風カステジャーノを喋りつづける。

例えば、ホームを意味する「カサ」はどう聞いても「カザ」だし、プレーするを意味する「フガール」は「ジュガール」にしか聞こえない。
この微妙な単語の違いに、ブラジル風ポルトガル語のやや不明瞭な発音が加算されると何がなんだかさっぱりわからなくなる。

個人的にいくらインタビューを聞いてもサッパリわからなかったのはジャウミーニャ。
デポルティーボで監督のイルレタに頭突きを食らわせた元清水エスパルスの選手であるが、そのフニャフニャとした音と非常に多い摩擦音のお陰でカステジャーノがさっぱりカステジャーノに聞こえない。
彼の言っている事は半分ぐらいしかわからなかったのだが、その言葉の80%近くがわからなかった謎発音の第一人者はドナト。
ドナトと聞いてすぐに顔が思い浮かぶ方は結構なリーガマニアだと思うのですが、年を経て渋みを増した正方形のモアイのような顔をした元デポルティーボの選手で、その四角い体と見た目からマウロシウバと区別がつかない、と言われたものであります。
この人はブラジルで生まれながら「神のお導き」で1990年にスペイン国籍を取得、スペイン代表としてもプレーしている。
つまり彼はスペイン人なのだが、その喋るスペイン語は極めてブラジル風であり、非常に聞き取り難い。

これは自分の言語能力が不足している為だと思っておったのですが、ある日、スペイン在住十数年、公立語学学校のニベル5(最上級クラス)を卒業し、バスク語も勉強している語学堪能な人にこの悩みを相談したら、
「あら、そんなの私だってわからないわよ」
と軽く一蹴されてしまった。
サッカー仲間のスペイン人に聞いても皆、「マス・オ・メノス(大体)わかる」としか答えなかった。
となると、果たして公共電波にのったドナトのインタビューは一体どれほどの価値があったのか、悩みは尽きない。

さらに上の人物から、ドナト以上に意味不明なスペイン語を喋る人物がいると聞いた。
それはジオバンニで、バルセロナにいた長身のトップ下、マドリードとのデルビでゴールを決めたのをハイライトに、尻すぼみに活躍がなくなりオリンピアコスに移籍した選手を指す。
そんな彼も当然?ブラジル人であり、彼のインタビューにはさすがのスペインのテレビ局も字幕をつけたのつけなかったの、という伝説が残る程の人物である。

とは言え、ブラジル人全てが謎の発音をするわけではない。個人的に最もわかりやすいスペイン語を喋っていたのはデニウソンで、流石にスペイン人女優と浮名を流しただけのことはある、と一人合点したことがある。

考えてみるとマドリードにいるロナウド、ロベルト・カルロスの言葉は相対的に聞き取りやすい。
ジャウミーニャ、ドナトはポルトガル語の基礎になったといわれるガジェゴ(ガリシア語)を喋るラ・コルーニャの選手だし、ジオバンニはカタランのバルセロナにいた。
バルセロナに居たオランダ人達が軒並み不可思議なカステジャーノを喋っていたことを考えあわせても、環境の影響だと考えられなくもない。
セルタ・デ・ビゴ(ガリシア地方のチーム)に居たエドゥ(ブラジル人)は結構わかりやすいのですが。

(2021/08/18)

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