週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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組み立てにおいて、相手との距離を保ち、パスコースを確保するため、正対することが重要であることを見た。
そこから、有効なパスを送る場合、正面や周囲のディフェンダーの裏を取る必要がある。
蹴る直前にパスコースを変える技術は、その目的のために欠かせない技術である。

ここでは、インサイドキックで変化をつける技術を取り上げる。これは、パスだけでなく、シュートの場面でもよく用いられる。


下の例は、右足のインサイドで、右に蹴ると見せかけて、左に蹴る。








利き足と逆サイドのペナルティーエリア内でシュートを打つ場合、キーパーと正対した後、ファーに蹴るフェイントからニアを抜くと入りやすい。
その際、この技術が用いられる。
(参照:1対1を決める:その1、その2)
http://shukyu-keikaku.net/partido/0708/23_mad-vdr/index.html
http://shukyu-keikaku.net/partido/0708/24_atl-ath/index.html

別角度から見る。










体の右に蹴る踏み込みから、足を左に振り、逆に蹴っているのがわかる。
最後は、蹴り足と軸足が十字に交差している。

次に、同様の技術をサイドで用いる例を見る。
敵陣、右サイドの奥で、後ろ向きにボールを持つ。
後ろに戻す踏み込みから、中央へ蹴る。











ペナルティーエリアの中に、ラストパスを出すために体の正面とパスの方向をインサイドでずらす技術が使われている。

次の例は、ほぼ同じ位置で、後ろ方向に蹴るフェイントで相手を動かした後に方向を変え、開いた足の間を通している。










以上は、ボールを持っている足から見て、ほぼ正面、もしくは、蹴り足の側に送るフェイントから、軸足方向に蹴っている。
右足でボールを持っているなら、右から左に変化させ、左足でボールを持っているなら、左から右に変化させる。

その逆のプレーも可能である。











右足で持ち、左側に出す踏み込みから、体を開き、足を右に押し出すことで、逆に蹴っている。
このパスは、ゾーンの間を通すものであり、そのような場面で、この技術は非常に重要な意味を持つ。

以上のように、インサイドキックで方向を変える技術は、シュート、ラストパス、組み立て、いずれの場面でも使用される。

インサイドキックを習得する場合、これを念頭に置き、いつでも方向を変えることができるように心がけて練習するとよい。
「ゴルフのパターのように蹴る」などと言われ、窮屈な形を強制されることもあるが、そのような指導は無視してよい。
方向を変えることのできない形だけのインサイドキックは、実戦で役にたたない。それどころか、害ですらある。

蹴る方向を変える場合、その意図を最後の瞬間まで悟らせないことも重要である。
そのためには、右に蹴る場合と、それをフェイントにして左に蹴る場合の動作は、できるだけ同じ方が良い。
これは、例えば、野球において、ストレートとフォーク投げる場合のフォームがなるべく同じである必要があり、投球と牽制の場合のフォームがなるべく同じ必要があることと同じ理屈である。
もし、投球と牽制のフォームに明らかな違いがあれば、簡単に盗塁を許す。
サッカーにおいて、踏み込む前の段階でパスの方向がわかる癖があれば、パスはカットされやすくなり、受け手が厳しいプレッシャーを受ける場面が増える。

これは、サッカーの上手、下手と直接関係している。
組み立ての上手い選手は、直前までその意図が読めず、下手な選手はその逆である。
決定力のある選手は、直前までその意図が読めず、チャンスを逃す選手はその逆である。

インサイドキックにおいては、歩きながら自然に蹴ることも大切である。
蹴るモーションが前もってわかればわかるほど、相手の対応が早くなるためである。









上の例では、特徴的な予備動作がほとんどないままキックが蹴られている。
このようなプレーに対しては、守備の対応が難しい。

上の技術は、様々な場面、ゾーンで使用することができるため、是非習得したい。組み立て、シュートの能力が格段に上昇する。
例えば、空いた時間に遊びで軽くボールを回す場合なども、上のことを意識して行うのと意識しないのでは、時間経過による上達がまったく異なる。
また、選手にキックを指導する場合にもしっかりと頭に置いておきたい技術である。

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インサイドキックで方向を変える

・使用する場面
キーパーに向かった後のシュート
サイドから中へ出す場合
ゾーンの間を抜く場合
その他多数

・意識すべき点
フォームをなるべく一致させる
(歩きながら自然にインサイドで蹴る)

これまで、技術編において、相手と正対することがいかに大切であるかを見てきた。
ボールをもって、体の正面を相手に向けることなくしてサッカーはなく、真の技術もない。
しかし、ボールを奪われる恐怖がそれを阻害する。
正しい技術を身につければ、恐怖を克服することができる。
ここでは、相手にボールを取られないための技術で、習得が容易なものを紹介する。


・着地する足の横を通してボールに追いつく(アウトパッセ)

以前に見たように、前に出てくる相手に対しては、次に着地する足の横、または上を狙えばよい。
その一例として、下の図のように、相手の着地する足の横にボールを通し、それに追いつく方法がある。



これを練習するためには、下図のようにするとよい。



適切な距離をおいたディフェンダーから向かいあった状態でパスをもらう。
パスを出したディフェンダーは、ボールを奪うために飛び込む。
パスを受けた選手は、体の正面を相手に向けたまま地面につく足に注目し、その横にボールを通し追いつく。
ボールを通した同じサイドを走ってもよく、サイドを想定するような場合は、ボールと逆、たとえば、ボールを左に通し、自分は右を抜けても良い。
このような技術を、スペイン語ではアウトパッセ、自分へのパスと呼ぶ。
最初の距離は6mほどでよいが、技術レベルにより、増減させるとよい。


・ボールを踏む(ブロック)

前から飛び込んでくる相手に対し、ボールを踏むことによりキープする。











ボールを踏むことにより、前から飛び込んでくる相手をブロックする。
飛び込んだ選手の足は、反作用により跳ね返される。
また、飛び込むことによりバランスを崩すため、素早く次のプレーに移ることができない。
その間を利用してプレーを続ける。
このような技をイギリスではブロックと呼ぶらしい。

ただし、この技は、横から飛び込む相手に対しては使わない方がよい。





踏んだ選手の膝から下が、外側に折れているのがわかる。
靭帯を痛める可能性があり、このような場面では踏まない方がよい。


・後の先

無理に飛び込んでくる相手は、必ずバランスを崩している。
このため、自分がバランスを崩さなければ次のプレーにおいて有利になる。











上の流れで、ロナウジーニョは体の力を抜き、軽くジャンプしているだけである。
そこから相手とボールを見て、相手が触った後のボールを軽く横に流している。
最後の写真において、ロナウジーニョは次のプレーに簡単に移ることができる。しかし、飛び込んだアシュリー・コールは完全に倒れている。
誰がこぼれ球を拾うかは明白である。


・相手の足に当てる

相手に詰められ、右にも左にもいけなくなった場合は、どちらかに動くふりをして、相手の出す足にわざとボールを当てればよい。
相手としては、予想外の行動であり、そのためバランスを崩し、対応が遅れる。
相手の意表をつくことは常に有効である。例えば、詰めてくる相手に対し、その真正面にパスを出した場合、ディフェンダーが正しく反応することは難しい。
馬鹿げた技だが、試みると相手は必ず面食らう。


・コツ

飛び込んでくる相手をかわす場合、最も重要なことは、自らバランスを崩さないことである。
バランスを崩さぬ状態で相手を見ることから始め、そこからかわすためのフェイントやパス、ドリブルを試していけば距離を詰められることに対する恐怖はなくなる。
そうなれば、相手と正対することが可能になる。


・育成、子供への指導

飛び込む相手をかわす、パッシブなドリブルを身につけることは、相手と正対することの恐怖を取り除く。
正対しない限り本当の技術は身につかないのであるから、これを習得することは非常に重要である。
それに適した年代は、小学生の低学年から中学年である。
この年齢の子供は、ボールに触りたい一心で、どんどん相手に飛び込む。
このため、正面を向き、それをかわす技を身につけるのに適している。
コーチとしては、飛び込む子供に対して、「そうするとかわされてしまうから、我慢しなさい」と教えたくなる。なぜなら、それがディフェンスの基本だからである。
しかし、それを先に教えてしまうと、攻撃において相手と正対する技術を磨く機会を失わせる。

正対する技術を磨いた後に、守備で我慢することを教える方が良い。
「さて」

「ついに我々の出番か」

「技術問題に関しては簡潔に書くため通常文だったらしいが、試みに我々が担当するらしい」

「ちなみに、今回と同じ内容で普通文のものがこちらにありますので」

「読み比べていただけると面白いかと」

「ほんまに面白いのかね」

「わからんけどな」

「とにかく、前回までに、組み立てを上手くやるには、相手との距離を保たなければならない。それを保つためには、ディフェンスの足を横にそろえさせればよい、ということがわかった」

「サッカーも戦いなんだから、相手と向かい合わずして勝利はないということやな」

「次は、どうやって足をそろえさせるかが問題やな」

「うむ」

「基本的に、守備が足を横に揃える利点は横の動きに強くなることやな」

「足を前後に置いて横に動くのは無理というものやな」

「ボールとの距離を詰めようとすると、足を前後に動かさないとしょうがない」

「ところがそうすると重大な隙ができる」

「というのが下の写真やな」

「今、赤が右に攻めている」

「矢印のようなパスが出て、ディフェンダーがそれに詰める」



「写真が画質の関係で見にくい場合は、クリックすると拡大する仕掛けがある」



「下の写真で、攻撃側が完全に前を向く」



「ところが、ディフェンスは止まらない」

「そして、右足を着地する」



「わかりにくいが、地面についているのは右足であるな」

「左足は、体の後ろにある」

「よくわからない場合は、クリックして拡大を」

「ボールを持った選手はパスモーションを起こす」

「これに対し、ディフェンスはコースを読み、左足を横に開くことでカットを試みる」









「上の4枚で右足を軸にして、左足を開いている」

「わかりにくい場合は、保存してパラパラマンガにしていただければと」

「なんにしても、このディフェンスの動きは無茶やな」

「前にダッシュしてきたから、その方向に慣性がついている」

「その状態で右足を踏ん張って左足を開こうとしても、体は前に流れ続ける」

「パスコース 足は左に 身は前に」

「なんや」

「昔の偉い人が詠んだ歌や」

「そんな状態だから、軸足が踏ん張りきれずに前に流れる」

「ケンケンみたいに飛ぶしかない」

「そんな無茶な体勢でカットできるわけもなく」



「ボールは、足先を通過し、完全にバランスを崩す。」







「上の流れで、パスを出した選手とパスの間の角は実に小さい」

「それにもかかわらず、ディフェンスは触れることすらできない」

「これが前に出る弱点やな」

「図にすると下のようになる」



「図の上のように、前に出ると、横へのパスに対応できない」

「よって、カットできる範囲が極端に狭い」

「しかし、下側のように足をそろえておくと横の動きに強い」

「そうなるとカットできる範囲が広くなる」

「ディフェンスとしては、パスコースを限定するのは非常に重要で、前に出るとそれができなくなる」

「それを避けるためには止まらざるをえない」

「そして足を横にそろえる」

「攻撃側としては、これで距離が保たれる」

「めでたしめでたし」

「つまり、相手の足をそろえさせたければ、正対してパスフェイクを使えばいいということやな」

「そうなる」

「ちなみに、文末に守備側が足をそろえた状態の例がありますので」

「お時間のある方はご覧下さい」

「パスがより大きな角度で出されているのがわかるのではないかと」

「以上がパスの例で、相手を止める技はそれだけではない」

「ドリブルやな」

「その場合、前に出るディフェンスの地面につく足が大切になる」

「次に地面につく足を攻めるわけやな」

「下で、白い選手が左サイドでボールを持ち、赤い選手がそれに飛び込む場合を見る」



「詰める側の左足が着地する」





「次に、ディフェンスは、右足を前に出す」

「白い選手は、それがどこに着地するかを見ながら待っている」



「画面手前に少し体を倒した後、ディフェンスの右足の上を軽い浮き球で抜く」

















「素晴らしい流れやな」

「前に出るディフェンダーに対しては、次に着地する足の横や上を狙えば抜くことができる」

「逆に言えば、それをフェイントに使えば、ディフェンスは近づくことができない」

「距離を保つことができて、めでたしめでたしと」

「サイドでのドリブルに対しては、ワンサイドカットとかが絡んでくるから、足が本当に横にそろう保障はないけどな」

「なんにしても、距離をとることはできる」

「そういうことやな」

「ちなみに、上のようなドリブルをパッシブなドリブルという」

「受動的な、ということやな」

「その名の通り受身で、相手が飛び込んでくるのを待って抜く」

「となると、アクティブなドリブルもあるわけか」

「能動的なドリブルというやつで、自分から前に進み抜いていく」

「いわゆるドリブルやな」

「実は、この二つは違う技術といってもいい」

「そうかね」

「基本的に、アクティブなドリブルが上手い選手はパッシブなドリブルも上手い」

「そりゃそうやろな」

「ところが逆は必ずしもそうではない」

「待っている分にはいいけど、自分からしかけようとするとバランスを崩してしまうような選手やな」

「相手との距離を取る、という意味では、パッシブなドリブルをきちんとできる必要がある」

「そうなれば、飛び込むのが恐くなるから距離が保てると」

「そういうことになる」

「これまでのことをまとめると、まず、組み立てを良くするためには、相手と正対し、距離を保てばよい」

「次に、距離を保つためには、相手の足を横にそろえさせればよい。」

「そして、足をそろえさせるためには、正対して、パスフェイク、もしくは、ドリブルフェイクを用いればよい」

「さらには、相手の飛び込みを防ぐためには、パッシブなドリブルの技術が必要である」

「とまあ、このような話になる」

「しかし、なんで今回は、同じ内容を、違う文体でわざわざ書いたんやろな」

「それは色々あるらしい」

「色々とはなんや」

「まず、資料価値の問題がある」

「説明したまえ」

「多分、一度読むなら、我々の方が面白おかしくてよいと思われる」

「そんなに誉められてもこまるけどな」

「ただ、資料として読み返す時に邪魔くさい」

「邪魔くさいとはなんだ」

「後から、参照する時に、会話調やと、それ自体がスペースを取り過ぎて、何が骨かわかりにくい」

「失礼な」

「それは、コーナーキックに関する文章ではっきりしたらしい」

「むう」

「次に、信用度の問題がある」

「なんじゃそりゃ」

「要するに、ステーキ用としては薄くて、焼いただけではステーキなのかそうでないのか微妙な肉があるとするやろ」

「なんの話や」

「それを、鉄板皿の上に載せて、横にポテトフライとにんじんのバター炒めとアスパラガスでも添えて出せば、人はなんとなくステーキだと思うわけや」

「某ステーキハウスチェーンのようなもんか」

「ところが、同じ肉を、普通の皿に載せて、横にポテトサラダとケチャップスパゲッティ少々とキャベツの千切りを添えて出せば、人は焼肉定食としか思わない」

「おかずの付け合せにスパゲッティが出るのはなんでなんやろな」

「そして、恐ろしいことに、皿と付け合せの差で値段にも差が出る」

「ステーキ1200円、焼肉定食890円か」

「そんな感じやな」

「鉄板の差やな」

「皿でそんなに値段がかわるかいな」

「つまり見た目は重要だと」

「ステーキがぼったくりやっちゅう話やで」

「結局何が言いたい」

「サッカーの文章も同じで、中身は変わらないのに、書き方で信憑性に差があるように思われてしまう、ということや」

「どっちがどっちや」

「なにが」

「だから、わしらの会話と真面目な文章だと、どっちがステーキでどっちが焼肉定食や」

「そらお前、わしらが焼肉に決まっておろう」

「そうか」

「どうした」

「寂しいな」

「ほんまか」

「嘘やけどな」

「アホか」

「まあ、サッカーの文章は焼肉の方がええな」

「おいしくて安くてボリュームたっぷりというのはサッカー自体がそうやしな」

「ステーキ的な文章は、意味があって書くならともかく、無理に盛り上げたり、無理に感動にもっていったり、無理に詩的にしたようなのはきついな」

「形成肉を高値で売りつけられるようなもんやからな」

「やっぱり、普通の肉を食いたいしな」

「そんなこんなで」

「サッカーは焼肉がいいというところで」

「そんなまとめか」

「あかんか」

「あかんな」

「そういえばや」

「なんや」

「会話で書く弱点は、こういう感じで話がどんどん脱線するというのもあるねんな」

「真面目調やとそれはできんからな」

「はたしてどうなるのか」

「今後次第というところで」

「また次回」

「ごきげんよう」



付録:
足を横にそろえたディフェンダーと正対した後のパス。
より大きい角度のパスが出ている。
















前回、距離を取るためは、相手と正対し、相手の両足を横にそろえさせればよい、という点を見た。
ここでは、どうすれば相手の両足が横にそろうかを考える。

守備において足を横にそろえる利点は、横の動きに強くなることである。
前に出る場合、両足を交互に前、後と動かす必要がある。右足が着地すれば、次は左足であり、その次はまた右足にある。
前に進む状態で、着地する足の横を狙われるとそれを防ぐことができない。
これは、以前にも見たように、片足立ちの人間は軸足を動かすことができないからである。
また、前進しながら、着地していない足を横へ動かすことも非常に難しい。
以下にそれを見る。

赤は右に攻めている。今、パスが出た選手に対してディフェンダーが詰める。


(クリックで拡大)



攻撃が完全に前を向く。



これに対し、ディフェンダーは止まらず、前に詰め続ける。
下の図において、右足を着地する。
左足は体の後ろにあり、両足が前後に開いた上体にある。
見難い場合は、クリックして拡大していただきたい。



ボールを持った選手は、右前へのパスを試みる。
これに対し、ディフェンダーは、左足を横に開くことでパスカットを試みる。









左足を横に開こうとしているのがわかる。
しかし、これは無理である。前に出ながらであるため、その方向に体は流れ続ける。このため、軸足である右足を固定できない。その結果、下のように、ケンケンのような形で右足が前に出る。



ボールは、足先を通過し、ディフェンスは完全にバランスを崩す。








上の流れで、正面方向と、パスの出た方向の間の角は非常に小さい。
前に出る状態では、すぐ横に来るパスを止めることも難しい。
概念は、下のようになる。



図の上が、前に出ながらの守備にあたる。横の動きに弱く、パスをカットできる範囲が非常に狭い。
図の下が、両足を横にそろえた守備にあたる。パスをカットできる範囲が広い。
パスコースを限定することは、守備にとって極めて重要であり、そのため相手と正対した場合、ディフェンスは足をそろえる。
逆に言えば、オフェンスとしては、相手と正対した後、パスフェイクを入れることで、高い確率で相手の足をそろえさせることができる。

文末に足をそろえた状態での守備例がある。パスがより大きな角度で出されている。

次に、前に出るディフェンダーに対し、次に地面につく足をドリブルで攻める例を見る。
白い選手が左サイドでボールを持ち、赤い選手がそれに飛び込む。



詰める側の左足が着地する。





ディフェンスは、右足を前に出す。
白い選手は、それがどこに着地するかを見ながら待っている。



画面手前に少し体を倒した後、ディフェンスの右足の上を軽い浮き球で抜く。

















前に出るディフェンダーに対しては、次に着地する足の横や上を狙えば抜くことができる。
逆に言えば、それをフェイントに使えば、ディフェンスは近づくことができず、距離を保つことができる。

上のようなドリブルは、いわばパッシブ(受動的)なドリブルであり、相手が飛び込んでくる状態に応じて抜く。
一般的にイメージされるドリブルは、アクティブ(能動的)なもので、自ら前へ進み、相手を抜いていく。
この二つは、異なる技術と見てよい。
基本的にアクティブなドリブルが上手い選手は、パッシブなドリブルも上手い。しかし、逆は必ずしも成り立たない。
相手との距離を保つにおいて、パッシブなドリブルを身につけることは重要である。

これまでをまとめる。
組み立てを良くするためには、相手と正対し、距離を保てばよい。
距離を保つためには、相手の足を横にそろえさせればよい。
足をそろえさせるためには、正対して、パスフェイク、もしくは、ドリブルフェイクを用いればよい。
相手の飛び込みを防ぐためには、パッシブなドリブルを行う技術が必要である。

これらを別の形で書いたものがこちらにある。


付録:
足を横にそろえたディフェンダーと正対した後のパス。
より広い角度で出さなければならない。















前回、良い組み立てと悪い組み立ての差異を述べた。
今回は、悪い組み立てを詳しく見ることで、その改善方法を探る。

下の図は、サイドでボールを受けた状態を示している。
この時、ボールを持っているチームは、左から右へ攻めている。
まず、一連の流れを見ていただきたい。











このプレーは、組み立てとして、非常に悪い。

まず、最初にサイドのプレーヤーがボールを受けた時点では、十分に前方のディフェンダーとの距離がある。



しかし、パスを出す段階では、非常に近い距離まで詰められている。



距離を詰められることは、周囲の味方を苦しくする。
その理由は、以下の通りである。



ディフェンスとの距離が近いと、パスを出す範囲が限定される。
この場合、ボールを持っている選手は左利きであり、斜め後ろを向いているため、上図の白線より左側にしかパスは出ない。
ディフェンスは狙いをつけやすくなり、黄色い方向への出足が早くなる。
その結果、パスを受ける選手は時間的余裕を失う。

下の二つの図を比べると、バックパスが出た後の方が、相手との距離が縮まっているのがわかる。





さらに、パスを受けた選手は、下がりながらボールをコントロールせねばならず、最初に比べて条件が悪い。
前回も見たように、このようなプレーは、組み立てとして良くない。

その原因は、まず、最初にパスを出す選手が、相手との距離を保てなかったことにある。
距離を詰められたことでパスコースが限定され、ディフェンスに狙いを定められたことで、次の選手が苦しくなった。
ここでは、寄せてくる相手に対して、簡単に後方を向いたことも選択肢を狭めた。

次に、別の例を見る。
ボールを持っているチームは、左から右に攻めている。

前線から、ボールが戻される。



コントロール。



この時、最も近い守備者との間に十分な距離がある。

コントロールした後。



ボールが両足の丁度真ん中にある。この選手は左利きである。この状態から、利き足で前方にパスを送ることはできない。

バックパスの体勢に入る。



相手との距離は、いまだに6mほどある。
しかし、これだけ余裕のある状態で、バックパスの体勢に入っている。
守備側の青い選手達が、前に詰める体勢に入っているのがわかる。

バックパスが通った後。



一番近い相手との距離は縮まり、受けた選手は下がりながらプレッシャーを受けている。
状況として最悪である。

結局、キーパーまで戻さざるをえない。



これは、組み立てとしては、どうにもならぬほどの失敗である。
相手陣で、前を向いてほぼフリーで持っていたはずのボールが、キーパーまで下がり、相手のプレッシャーを受けている。

失敗の理由は、下の図にある。



この状況で、体を後ろにひねり、ボールを足の間に置いている。
これでは、白い線の左にしかパスを出すことができず、ディフェンスを呼び込んでしまう。
ここでは、単純に体の正面を相手に向け、下のような赤いパスを出すフェイントを使えばよい。



これで、ディフェンスの出足は止まる。
相手を一定の距離で止めることができれば、周囲のプレッシャーが緩和され、上のような負の連鎖は止まる。

相手の出足を止め、距離を保つという点について、次に詳しくみる。


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