週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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「さて」

「ヌーノ・ゴメスのシュートに関してやな」

「この得点は、クリスティアーノ・ロナウドが左からボールを持ちこみ、そのシュートをキーパが弾いて、中央に跳ね返ったことから始まった」

「こぼれ球を、メルテザッカーが追いかける」



「ヌーノ・ゴメスがダイレクトでシュート」



「この時、メルテザッカーは、なぜか気をつけをしている」



「これはいかなる理由によるものかというと、下のようになる」



「横から来たボールを、逆サイドネットにシュートするというのはシュートを決める基本的な技術の一つである」

「そこで、ディフェンスは黄色い線のように足を出していきたいのだが、あわてて出すと、その下を通して決められる」

「これまた基本的な手筋の一つやな」

「メルテザッカーは、それを嫌って足を揃えた」

「ところが、ヌーノ・ゴメスは、その軸足の内側を抜かず、外側を通した」



「裏側から見た図はこちら」



「一番右に、ちらりと顔が見えるのがキーパーやな」

「一瞬の読み合いに勝つところが素晴らしい」

「この状態でニア側にシュートを打つと、戻ってくるキーパーが気になるところやけど、目の前のディフェンスの足のすぐ外を通せば、キーパーに対して一番遠い位置に打つことができる」

「よいシュートであったと」

「ちなみに、股と軸足については、こちらにもありますので」

「ご一読いただければと」

「これで、スコアは1-2」

「ポルトガル追い上げムード」

「ではあったが」

「60分にまたもセットプレーから失点する」

チェコ戦で、ポルトガルの弱点として、セットプレーに弱いこと、テクニックに溺れること、ペペの裏がハイボールに弱いこと、以上の3点があったわけだが、見事に1番目でやられてしまった」

「次はその辺りを見てみようかと」

こちらにてどうぞ」

「さて」

「ポルトガルのセットプレーでの守備についてやな」

「最初の失点は下の形からだった」



「左に見えるのが、ポルトガルゴール」

「最初に結末を見ると、下のようになる」





「うむ」

「これ、赤いほうが守備なんやで」

「らしいな」

「まことに信じられない位置で、白い選手が2人フリーになっている」

「本当に守る気があるのかすら疑わしい結果やな」

「そこで、より詳しく見るために、写真を図に直してみる」

「下の配置を」



「ファーの部分だけ取り出す」



「青がドイツ、赤が守備をするポルトガルやな」

「しかし、これでは選手が団子でよくわからないので、間を離して見て行こうと思う」

「よかろう」

「選手は下の配置から点線のように動いた」



「ドイツは、2の選手がニアに入り、1の選手はファーに逃げた」

「ここで面白いのは、ポルトガルの1が、ニアに入る選手を追いかけたことやな」

「結果下のようになる」



「写真ではこう」



「これは実に不思議であるな」

「ごく普通に守るなら、下のようになる」



「それぞれが一番近い選手をマークする」

「これでなんの問題もない」

「もう一つよくわからないのが、赤の2番の動きで、敵の2番をマークしないなら後ろに下がらなければいけないし、下がらないのであれば、敵の2番についていかなければいけない」



「そのどちらも行わないというのは奇妙な話やな」

「監督の指示はどうなっていていたのか、非常に興味がある」

「ちなみに、赤の2番はクリスティアーノ・ロナウドであるな」

「次に、2つ目のセットープレーでの失点を見る」

「同じような位置からのフリーキックから」

「インパクトの瞬間」



「ボール移動途中」



「バラックがヘディングをした瞬間」



「いくつか奇妙な点がある」

「まず、最後の写真で、キーパーが変な位置にいる」

「ボールにまったく届かないのに飛び出している」

「次に、ヘディングの瞬間、白い選手をマークすべきディフェンダーが離れている」

「最後に、オレンジの輪で囲まれた選手は、最初から最後までマークすべき選手に対して遅れた位置にいる」

「世にも奇妙な物語というわけか」

「キーパーについては、しゃあない気もするけどな」

「なんでや」

「最初に、あんな無茶苦茶な形からやられたら、ディフェンスは信用でけへんから、無理にでも前に出てクリアしたろ、という気分になるのはしょうがないないやろ」

「そうかね」

「普通そうやで」

「マークしていたディフェンダーが離れたのは、バラックに突き飛ばされたからやな」

「パウロ・フェレイラか」

「そして、最後に一番外側で遅れているのがクリスティアーノ・ロナウド」

「なるほど」

「こう見ると、ポルトガルは、ファーサイドの守備に問題を抱えている感じやな」

「ボールに近い場所にペペとリカルドカルバーリョを置き、その後ろにクリスティアーノ・ロナウドとフェレイラ」

「その後ろの部分が弱いということになる」

「コスティーニャのような選手があと1人いたら違ったかもわからんな」

「ちなみに、ドイツのヘディング4人衆の身長は、メルテザッカー198 cm、メッツェルダー194 cm、バラック188 cm、クローゼ182 cm」

「ポルトガルの身長上位5人は、ペペ 187 cm、クリスティアーノ・ロナウド 184 cm、、リカルド・カルバーリョ 183 cm、ボジングワ 183 cm、パウロ・フェレイラ 182 cm」

「この状態でロナウドがマークが苦手で、フェレイラが押し負けるようでは、やはり苦しくなる」

「しかし、ドイツはでかいな」

「さすがというべきやな」

「プレー内容では、遥かに上を行っていたポルトガルは、セットプレーの穴を突かれて敗戦」

「難しいものであるな」

「チェコ戦で明らかだったものを、監督のスコラーリがなおしきれないということは、よほど根の深い問題だったのではなかろうかというところで」

「今回はこの辺で」

「また次回」

「ご機嫌よう」
「さて」

「ロシア対スウェーデンの対決はロシアが勝利」

「グループリーグ勝ち抜けを決めた」

「その先発はこう」

「その前にや」

「なんや」

「先にギリシャ戦のスペインの先発を見ておこうかと」



「なんでや」

「一応スペインがメインやからな」

「スペインは、2-1でギリシャに勝利」

「まあ、ギリシャもちょっとやる気がなかった」

「そうかね」

「下の写真を見るとその一端がわかる」








「これは、スペインの2点目やな」

「セスクが浮かせたボールをグィサが落としてデ・ラ・レーが決めた」

「これがどうした」

「ギリシャの輪で囲まれた3人の動きが酷い」

「裏を取られているのに追う気ゼロやな」

「これは、モチベーションが低い時や疲れた時の典型的な症状で、とりあえずボールには行くが、次のプレーに反応しない」

「耳が痛いな」

「スペインとしては、控えを使えてよかった面はあるが、本チームの方が固まっているとはいえないだけに、善悪は微妙なところがある」

「イタリア戦が非常に興味深いと」

「そういうことになる」

「そんなところで、ロシアとスウェーデンにいこか」

「ええで」

「とにかく見所満載で、先発はこう」



「前半は、ロシアが攻めた」

「この試合の記事を読むと、”攻撃的なロシア”とか”勇敢に前にでるロシア”といった文字が必ず入っているはずやな」

「その一端は、下の写真に垣間見られる」



「赤いユニフォームがロシア」

「ボールの前から横にかけて、8人の選手がいる」

「平面図に書き写すと、下のようになる」



「写真で、ロシアの選手は8人、スウェーデンの選手はキーパーも含めて9人だから、最終ラインは2対2になっている」

「これは、確かに攻撃的だといえる」

「後ろを薄くして、前に人数をさいている、といことやな」

「これは、ロシアとスウェーデンをクロスが上がる場面で比較してもわかる」









「1番上と2番目がロシア、3と4がスウェーデンか」

「輪で囲まれた選手が攻撃側で、明らかに人数が違う」

「スウェーデンは、ボールの後ろに5人は残すやりかたで、ロシアは、4人かそれ以下でもいい、というやりかたやな」

「確かにロシアは前に出ている」

「疑いなく」

「そうなると、前に出る、つまり、攻撃的に戦って、何を狙っていた、という点が気になる」

「気になるんか?」

「集団で何かをするには、ある狙いがないと協調して動けない、だから、ロシアの狙いは気になるとこなんや」

「そういうことにしとくか」

「一言でいうと下のようになる」



「これはなんだ」

「サイドでボールを保持したら、センターとその間にある赤い空間に後ろから入る選手を使い、そこからキーパーとディフェンスラインの間を狙うと見せかけて、その一つ後ろを狙う」

「具体的には、下のようになる」

「まず、サイドにボールが出てそれを中央に返す」



「それをダイレクトでサイドにひらく」

「この時、オレンジで囲まれた選手の動きに注目やな」



「サイドでキープ」



「この時、オレンジの選手はもうペナルティーエリアにかかっている」

「ボールと同じスピードくらいで前に動いてるな」

「いかに頑張って走ったかがわかる」

「そして、バックパス」



「この時、オレンジの選手は、サイドでボールをキープしていた選手と、中央にいるディフェンスの間に入っている」

「これは、あまり一般的ではなく、普通は、より中央、横からのクロスをダイレクトで叩くことのできる位置に入る」

「あまり一般的でないことを全力でやったということは、そこになにか意図があるということか」

「バックパスを受けた選手は、前へドリブル」



「再びサイドにパスが出る」



「キーパーとラインの間に入れると見せて、横にパス」



「惜しくも合わず、シュートはゴールをそれる」



「以上の流れから、チームとして下の形を狙っている片鱗は見える」



「走りこんだ選手にパスが出ず、バックパスにかわっている点が違うけどな」

「それはあるが、次のシーンでは、もっと純粋な形が見られる」

「続きはこちら

「なんで分けるんや」

「ちょっと話が長くなりそうな気配やからな」

「ようわかったな」

「それでは、次のページで」
「ロシアがチームとして、下の形を狙っている、という話の続きやな」



「ディフェンスラインから、サイドにボールが入る」



「それをコントロールミス、ディフェンスが前に出てクリアを狙う」



「ディフェンスは、ボールに触るものの、それがちょうどロシア選手の目の前にこぼれる」

「そこで、中央の選手がサイドのスペースへ猛ダッシュ」



「ダイレクトで縦へ」



「これに対し、サイドにいた選手がクロスするように中央へ」



「そこへパスが出る」



「中央へ進路を取り」



「前方へ進むフェイントから横パス」



「フォワードが逆サイドに決める」



「正に下の形になる」



「これはあれやな」

「なんや」

「セビージャ時代のフアンデ・ラモスもこれに似た形を狙ってたな」

「サイドをへスース・ナバス、その内側に走りこむのがアウベスだとしたら、そっくりではある」

「ただし、セビージャは、一つ後ろを狙うというようなまだるっこしいことはせず、思いっきり上の図の赤いコースにクロスを蹴る」

「中で、カヌーテ、ルイス・ファビアーノ、外からプエルタといった選手が飛び込んで押し込む」

「いまとなっては懐かしい」

「それはさて置き、例えば、下の図でも同じようなパスが見られる」

「サイドでボールを持って」



「中に返す」



「上で述べた場所に選手が入ってきているのがわかる」

「ロシアとしては、前に選手をかけて、単純にクロスを上げていたわけではなく、サイドと中央のディフェンスの間にできる空間に人を入れ、それをワンクッションにすることで相手を崩そうとしていた」

「まあ、そういうことになる」

「ちなみにや」

「なんや」

「前の得点シーンで、プレーの間とか溜めと呼ばれることに関して、実に興味深い場面があったんや」

「そうなんか」

「続きはこちらまで」
「さて」

「下の流れで、プレーの間というものに関して、面白い場面があったという話やな」









「サイドから、中央に入る選手の拡大写真は、次のようになる」









「問題は、ここや」

「どこや」

「どういう状態かというと、下のようにあらわされる」



「体の正面が相手に向いて、軸がほぼ真っ直ぐな状態やな」

「これは、次のプレーで、左、つまりゴールライン方向へドリブルをすることもできるし、右、つまり中央へパスを出すこともできる」

「要するに、どっちかに傾いてないから、どっちにでも行けるということやろ」

「こうなると、正面のディフェンダーは、一度止まらざるをえないし、周囲をカバーしているディフェンダーも次にどう動くかを注目せざるをえない」

「その一瞬が間なわけか」

「瞬間的な溜めともいえる」

「そこで、ディフェンスの死角で動いたりして相手の裏を取るわけやな」

「攻撃側としては、この一瞬の間があると、動きを合わせやすい」

「この次の動きが、じゃんけんぽんのぽんになる」

「この場合は、中央にパスを出す」









「一瞬ボールを見てしまうディフェンスは、これへの対応が遅れると」

「そういうことになる」

「それにひっかからないと、バレージのような変態的なディフェンスに近づけるわけやな」

「多分な」

「なんにしても、一番近いディフェンスに正対する、ということがここでも重要なわけやな」

ドイツワールドカップのまとめでも出てきた通りや」

「最後にちょっと、守備組織の話をしておきたいんやけどな」

「ええで」

「ロシアの中盤というのは、1-3の形になっていて、左中央が凹んでいる」



「そうやな」

「そうなると、綺麗な4人のラインと比較して、下のパスが通りやすい」



「下の1人を他の3人と同じ高さまで上げれば、そのコースは消すことができるしな」

「ここで、サイドから中央に入るパスは、ぜひ止めたい」

「それを入れられると、守備は非常にしんどい」

「そうすると、フォワードを使って遮断する、というのが思い浮かぶ」



「まあ、そうなるやろな」

「ここが問題なわけや」

「なにがや」

「中盤の構成として、一つ通りやすいパスコースが残る、これを意図的に使うことで、相手のプレーをある程度操作できるのではないか、ということや」

「具体的に頼む」

「こうしておけば、相手としては右サイドにパスを出しやすいから、そちらにボールが流れる」

「その可能性はあるな」

「ところが、相手のサイドを比較して、右の選手の方が下手だとしたら、守備側にとって都合のいい状態を作り出すことができる」

「トラップディフェンスの一種か」

「いつか試してみたいとろこではあるな」

「そんなこんなで」

「また次回」

「ご機嫌よう」


付録:ロシアの得点、サイドからのボールを逆サイドに打つ




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