週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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先発


ビジャレアルは、左にイバガサを置き、前で勝負する道を選択した。

26分(1-0):アルムニア→ファビアンスキー、 42分:ギャラス→ジュルー


アーセナルは、26分と42分に怪我による交代を余儀なくされる。
これは、ビジャレアルにとって幸いだった。

46分(1-0):カニ→マティアス・フェルナンデス


右サイドの交代。カソルラ離脱の影響が出ている。

69分(1-1):ジョレンテ→ピレス


同点とされ、後半勝負のため持ち駒にしておいたピレスを投入。

77分(1-1):ウォルコット→エブエ、77分:イバガサ→ギジェ・フランコ


アーセナルは、ウォルコットを下げ、いわゆる店じまいに入る。
ビジャレアルは、ピレスを左に置く。この後、ビジャレアルのセンタリング、シュート回数が増える。


http://www.as.com/futbol/partido/Villarreal-Arsenal-0298_03_01_0042_0235

黒がビジャレアル、黄土色がアーセナルを表す。
後半開始からの32分間。ビジャレアルは、枠外シュートが一本記録されているのみである。
そこから、やや盛り返した理由は、選手と配置を変えことに加え、アーセナルに交代枠が残っていなかったことが関係している。



アーセナルとしては、セスクとナスリを代える予定であったと考えられる。
特にセスクは、誰の目にも明らかなほどばていた。
前半に起きた2人の負傷交代が、ここで意味を持っていた。

ビジャレアル側は、ギジェを入れた段階で、より攻撃に特化した形に組むことができた。



セナを下げ、イバガサを中央に入れる、もしくは、エグレンを下げ、イバガサを中央に入れる方法である。
これは、リーグ戦において、度々行われてきた。
この場面で、別の選択をしたことは、監督の判断として興味深い。

試合全体を見ると、アーセナルが優位であった。
これは、上で見た図にもあらわれている。



特に、アーセナルのクロスの多さが目に付く。
両チームの特徴上、特に、アーセナルの右サイドからのボールが多くなることは予想可能であった。(参考:こちらの後半部分

この試合では、下の形のクロスがほとんどであった。



いわゆるクロスであり、空中からセンターバックの間を狙う。

しかし、そのバリエーションである、切り返して、縦、もしくは、逆サイドを狙うもの。



キーパーとディフェンスの間に、速く低く入れるもの。



これらのクロスは、ほとんど見られなかった。
特に、キーパーの前に選手が飛び込むことが少なく、攻撃が非常に淡白に見える一つの要因となっていた。

この試合、早い時間帯にセナの見事なミドルが決まり、前半で相手2人が負傷するなど、ビジャレアルにとっては絶好の展開だった。
絶好の展開でありながら引き分けたことは、第二戦に向けて非常に苦しい。

アーセナルに対しては、できるなら下のように守りたい。



ただ、ビジャレアルは、チーム構成上、そのように組みにくい。

第2戦の方針が注目される。
「さて」

「グティに関してやな」

「先週辺りに、グティとフアンデ揉める。フアンデは今後グティを使わない方針、といった感じのニュースが出た」

「ところが、フアンデは、チームから誰かを締め出す気はないと発言」

「グティは、無事、マラガ戦に召集される」

「無事かどうかはわからんけどやな」

「事件はそこで起きる」

「詳細は、ASの、この動画で見ることができるわけやけれども」

「これは、グティの性格や、試合前のスタジアムの雰囲気を見ることができる、という点で、非常に面白いのではないかと」

「まずは、導入部分の訳を」

"Bueno, vamos con el caso Guti. Se nego a calentar, pero antes del partido...."

”では、グティの件に行きましょう。ウオーミングアップに出るを拒否したのですが、試合前には……”

"No No ... Calento unos minutos, calento unos minutos.
Despues de calentar, se sento otra vez al banquillo y no quiso volver a calentar. "

”いやいや、数分アップしたんだよ、数分。アップをした後、一度ベンチに座り、再びアップに出るのを拒否したんだよ”

「そんな感じか」

「アクセント記号を抜かすと、こんな感じだ」

「これだけの知識があれば、流れは把握可能なので、一度動画をご覧頂くのも手かと」

「では、動画の詳細へ」

「開始から、スタジオで話す2人の大筋は上の通り」

「次に、15秒くらいから、マドリーのベンチが写り、下に文字が入る」

「写っているのは、右から、グティ、サビオラ、ハビ・ガルシアやな」

「言葉の内容はというと」

”今日は、俺の出番はないな……まあ……出番があるのは、ハビが1番手だな……この点差だと最初にフォワードの後ろの奴を下げる……そんで、中盤に1人入れる……まあ、俺じゃない”

「これは、グティがしゃべっている内容で。読唇術をつかって抜き出している」

「スペインのスポーツ番組では、良くある」

「このグティの言葉を意訳すると、次のようになる」

”あのチキン野郎は、一点リードしたら必死でそれを守るに決まってる。今日は出番ねえな”

「おいおい」

「ん?」

「えらい悪い方向に意訳したもんやな」

「他にやりようがないやろ」

「こうとかやな」

”今日は、私達がリードしておりますので、守備の上手な選手が交代出場することでしょう。残念ながら、私の出番はありませんね”

「気持ち悪いわ」

「そうか?」

「まあ、どちらがよりグティの気持ちに近いかは、読む方に判断していただくとしてや」

「37秒から、ピッチ上の映像へと移る」

「試合前、妙なハイテンションで悪ふざけに興じるグティの姿」

「50秒から、グティがベンチに向かい座る姿」

「そこで、観衆から節をつけた野次が飛ぶ」

「グティマリコン、グティマリコン、グーティーマーリーコーーン」

「これは翻訳すべきなのか」

「グティ・オカマ野郎やな」

「あっさり言いよったな」

「マリコン、というのは、グティの枕詞のようなものではある」

「いや、グティの後につく言葉やで」

「細かいな」

「なんとなくな」

「これは、実に良く使われ、敵が彼を侮辱するためのみならず、マドリディスタも良く用いる」

「グティがへたれたプレーでボールを失うと、すかさずマリコン!」

「試合中に髪を整える仕草を見てもマリコン!」

「チームの調子が悪い時など、練習場で車から降りるだけでマリコン!」

「なにをやってもマリコンやな」

「多分、髪がやたらとつやつやしていて髪型もよくいじる。体が華奢である。すました態度が目に付く、といった辺りが原因やろな」

「多分ではないと思うが」

「ちなみに、グティマリコンコールは、マラガだけでなく、スペインの多くのスタジアムで観測されるらしい」

「1分10秒あたりから、試合中、グティが最初にウォーミングアップに出て行く映像になる」

「この時、プレパラドール・フィジコのジョルディ・ガルシアと軽口を叩くなど、まだ平和な雰囲気が漂っている」

「1分22秒、再びベンチに座り、頬杖をつくグティが映る」

「これは、試合開始から85分の時点で、右は、ミチェル・サルガド」

「そこにコーチが近づいてきていわく」

「もう一回、準備に行くぞ」

「それに答えていわく」

「ベンガ・コーニョ」

「おい」

「再び、ベンガ・コーニョ」

「結局、グティは、後5分しかないのにアップなんかやってられるかということで、コーチを追い払う」

「さすがグティ」

「ちなみに、コーニョというのは女性器のことやな」

「その前のベンガは、まあ、あらゆる意味があり、それゆえに大した意味のない場合も多い言葉である」

「その後、サルガドの顔が、無理やり拡大される」

「ミチェルの顔がすべてを物語っています。グティ、なんてことをいうんだ」

「さらに、コーチの顔が、無理やり拡大される」

「ふう、なんてこったい……どうしよう……もう一回言ってみようかな……それより、フアンデになんて言おう……」

「そして、最後は、”グティは、フアンデと一緒にいる限り、二度とプレーすることはないと知っています。そして、私たちがそれを知っていることも知っています”という言葉で締めになる」

「最後の、”私たちがそれを知っていることも知っている”というセリフがわかりにくいな」

「ここは、グティがカメラを見てる点が重要で、撮られているのを知っているということやな」

「多くの場合、マドリーの選手がベンチでなにか話す時は、手で口を隠す」

「それは、カメラで撮られて唇を読まれ、後からどんな尾ひれをつけて報道されるかわからないのでそうする」

「そういえば、昔、カナル・プルスのニュースかなにかで、マドリーの古い選手が、新しく来た選手に、”おい、あそこにカメラがあるだろ、あれに気をつけろよ、あいつらは映像から俺たちの言葉を読むんだ、だから、こうやって口を隠してしゃべれよ”と教えているのを見たことがある」

「まあ、選手の間では常識やな」

「にもかかわらず、グティが最初のように、監督批判ととられかねない言葉を、隠す気配もなくしゃべったということは、撮られてもかまわん、という気持ちがあることを示している」

「撮られてもかまわん、というより、撮れ、撮ってこれをニュースで流せ、ということちゃうか」

「そういうことも含めて、最後の、”私たちがそれを知っていることも知っている”というフレーズにつながる」

「もう、なんというか、グティはフアンデが大嫌いなんやな」

「そうとしか解釈できない映像ではある」

「選手が、このように反抗すると、どうなるかというと」

「内規で罰金を取られる上に、侘びをいれないと確実に干される」

「さて、今後どうなるものか」

「どうなるもこうなるも、こげんなる前にどげんかせんと」

「ある意味、フアンデがマドリーに向いていない、というのは、この点にもあらわれている」

「グティのような選手を使いこなせるか、どうかが鍵やしな」

「そういうことや」

「それにしても、グティのやってることも無茶苦茶過ぎやけどな」

「明らかな就労拒否やしな」

「駄々をこねる子供じゃあるまいし」

「いや、正にそれと同じ状況やろ」

「よくもまあ、この性格で、今までやってこれたと感心する」

「その性格やねんけどな」

「なんや」

「ちょっと、あることを思い出したんやけどな」

「だからなんや」

「雑談になるけどええか」

「もともと雑談やし」

「昔、ラージョ・バジェカーノが一部にいた時代の話やねん」

「古いな」

「マドリーが、敵地で試合をして、グティもそれに出ていた」

「ふむ」

「試合が終了して、ユニフォームの交換が行われる」

「よくある風景やな」

「グティも誰かのユニフォームをもらい、小走りにロッカールームに引き上げていく」

「テレサ・リベロだと、西側の客席のある方のバックスタンド下に向かうわけか」

「選手入退場用のトンネルの前には、用務員のような人が立っていた」

「見張りやな」

「そこで、グティは、なんと、さっき交換したばかりのユニフォームを、用務員に投げつけてトンネルに消えていった」

「ほほう」

「なかなか凄い話やろ」

「なんというか」

「相手選手と交換したばかりのユニフォームを、投げ捨てて帰るとか聞いたことないで」

「うむ」

「ちょっと目が点になる出来事だった」

「多分、係員に、そのユニフォームくれ、とか言われて、それであげたのではないかね」

「ほんまか」

「ほんまかと言われても困る」

「第一、公衆の面前で投げて渡すことはないやろ」

「それは、こう、合理主義的なだな」

「交換を求めた選手は、グティのユニフォームが欲しかったわけで、それに対して、グティはこんなもんいらん、ということにならんか?」

「倫理を厳しくして見るとそうかもしれんけどやな」

「グティは、そういう性格だろうと思ってはいたが、中々に興味深い出来事だった」

「まあ、こっちは、グティの性格といえば、違う話を思い浮かべるんやけどな」

「どんな話や」

「この稿の前に、バジャドリー対バルサの試合があるけど、バジャドリーのボランチにアルバロ・ルービオがいるやろ」

「一家に一台、アルバロ・ルービオと呼ばれる選手やな」

「彼は昔、アルバセーテでダビー・サンチェス・ロドリゲスという選手とボランチを組んでいた」

「2004年前後の話か」

「この、ダビー・サンチェスという選手は、ボールを触れば抜群の才能があった」

「左足からのドリブル良し、スルーパス良し、組み立て良し、フリーキック良し」

「実にいい選手だった」

「それについては、異議はない」

「ところが、性格に問題があり、味方のミスが許せない。気に入らないことがあるとすぐむくれて止まる。守備を全力でやらない」

「まるで誰かさんやな」

「人を支える、人のミスをカバーする、味方のために走る、といったことを信条とするアルバロ・ルービオは、それが我慢できなかったらしく、ダビーの態度にはいつも苛立ちを隠さなかった」

「能力の組み合わせとしては、いいコンビやねんけどな」

「能力的には、ピルロとガットゥーゾのような形ではあるが、どうもに性格が合わない」

「そればかりは、どうしようもない」

「ボールを扱う才能において、ダビーはルービオの遥かに上、比較するのが馬鹿らしいほど上だったにもかかわらず、ルービオはリーガの一部でレギュラーを取り、ダビーはルーマニアに流れた」

「ルーマニアか」

「どうやら、そうらしい」

「それはまた、意外な変転やな」

「やろ」

「それで、何が言いたい」

「何がとはなんや」

「グティと関係した話ではなかったのか」

「それはこれから言うねん」

「引っ張ってどうする」

「要するに、グティも一歩間違えば、ダビーのようになっていた可能性が高い、ということや」

「それはあるかもわからんな」

「彼の性格でやってこれたのは、レアル・マドリーという組織の中で育ち、才能を認められてチームに守られたからで、もし、なにかの拍子で他のチームに出されたら、周囲と上手くいかずにスポイルされた可能性はある」

「ふむ」

「圧倒的な天才である、デ・ラ・ペーニャも、バルサでロナウドと組んだ後、非常な苦労をした」

「安息の地を見つけたのは、一度バルサを出て4年後、エスパニョールでタムードと出会ってからやからな」

「才能のある選手というのは、得てして使いにくいものだから、それをどう扱うかに監督の器量が問われると思わんか」

「そうかもわからん」

「最近ではエルゲラなんかもそうやな」

「お茶目な性格が災いして、ウナイ・エメリと大喧嘩。チームを放逐された」

「エメリとは歳も近いし、経歴においてはエルゲラの方が圧倒的に上だから、一緒にやっていくのは元々難しかったのかもしれんけどな」

「エルゲラとグティについては、蹴球計画でも話題になったことがある」

これとか、これか」

「こういうネタになるというのは、それだけ癖のある性格である、ということができる」

「普通やったらネタにならんしな」

「監督というのは、それを使いこなしてこそだと思わんか?」

「どうやろ」

「まあ、そんなこんなを思いながらこの騒動を眺めると、少し違った色合いが見えるのではなかろうかというところで」

「また次回」

「ご機嫌よう」
「さて」

「バルセロナは、バジャドリーに勝利」

「珍しいことやな」

「代表週間の後としてはそうやな」

「この試合では、今後のバルサを考える上で、いくつか面白い変化があったので、それを見ていこうかと」

「よかろう」

「そして、その後に、読みもの的な形でグティについて取り上げようとも思う」

「グティか」

「グティや」

「また、なんかやらかしたらしいな」

「恒例行事といえば行事なんやけどな」

「それはそれとして」

「バジャドリー対バルサの先発はこう」



「バルサは、メシ、アウベスがベンチスタート」

「バジャドリーの方は、いつもと大体同じ布陣」

「ちなみに、これは、6-0でバルサが勝った試合の、後半部分の配置と類似が多い」



「センターバックと中盤の底、ビバル・ドラドが違うな」

「試合の流れはというと、前回、骨も残さず散ったバジャドリーであったが、恐れる色もなく、ラインを上げ、前からがんがん行く作戦」

「メンディリバルは、本当に引くということをしない」

「だからバジャドリーの試合は、いつも見ていて面白い」

「ちなみに、前回に見た、バジャドリーがマルケスの縦フェイクからの横パスを狙ってカットしに行く場面が31分前後にある」

「ピケへの横パスに、アギーレが猛然と詰めた場面やな」

「キックでフェイントをかけるのは良いが、普通の蹴り方よりスピードが落ちるので、読まれると危ないという実例になっている」

「まあ、マルケスの行動パターンを読まれた、ということでもある」

「そして、40分、エトーがバジャドリーのボールを奪い取り、パスからラインの裏に抜け、ループで決めて0-1」

「あの、守備に入るの早さは、エトーらしい」

「バルサの方が決定機は多いものの、組み立ての面では、バジャドリーも負けてはいなかっただけに、ホーム側としては悔しい失点であった」

「そして中休み」

「後半開始直後、バジャドリーの左中盤、ジョナタン・セスマが負傷する」

「同じ場所に、エスクデロが入る」

48分: ジョナタン・セスマ→エスクデロ


「この、エスクデロがえらくいい選手だった」

「ドリブルで縦にも中にも抜けるし、スピードを上げた状態でのパスもぶれが少ない」

「これはいい買い物だと思って調べてみると、アルゼンチン人で、ビジャレアルからのローンらしい」

「さすがは、南米からの先物買いが得意なビジャレアルであるな」

「そして、注目の交代は56分」

「攻撃で詰め物になっていたアギーレを代えて、オグベチェを入れる」

56分: アギーレ→オグベチェ


「オグベチェがトップに入り、噂のゴイトンは右に入る」

「ここやな」

「うむ」

「実は、この配置を取られると、バルサの弱い部分がさらに弱くなる」

「具体的には下の形やな」



「シウビーニョの身長が、173cm」

「ゴイトンが189cm」

「バルサの右からクロスが上がり、ハイボールの競り合いになると、まず絶望的である」

「体つきからしてそうやな」

「そして、右から逆サイド、というのは、もう良く知られたバルサの弱点である」



「その辺りは、こちらをご覧いただくとして」

「マドリーやらスポルティング・ヒホンやら、オリンピック・リヨンにもそれは利用されたし、この試合のバジャドリーもそれを狙っていた」

「よって、下のようになるのは非常にまずい」



「いくらなんでもゴイトンがでか過ぎやろ」

「わかりやすい方がええかと思ってな」

「戦術的に、弱い部分を攻められた時に空くスペースが、さらに弱くなるというのは、非常に良くない」

「守備が壊れるのは、多くの場合、一番弱い場所からであり、そこの強度がチームの強度に直結する」

「サッカーにおける応力集中の原理というやつやな」

「というわけで、シウビーニョを起用した場合、に高さのミスマッチを利用されると厄介なことになる」

「チャンピオンズリーグだと、シュヴァインシュタイガー、カイト、クリスティアーノ・ロナウドとか、いった選手が来る可能性がある」

「やはり、シウビーニョではきつかろう、ということで、下の形がよかろう、という話になる」

58分: シウビーニョ→ダニエウ・アウベス、ペドロ→メシ


「プジョルが左サイドバックか」

「こうした方が、弱みをある程度緩和できる」

「まあ、それはそれでいいんやけどな」

「なんや」

「バルサは、ここでメシとアウベスを使う必要はないやろ」

「まあな」

「代表の試合で疲れているところを持って、今週はチャンピオンズがある」

「なにもこんなところで、35分とはいえ、彼らを使う必要はなかろう。というのは確かにその通りとしか言いようがない」

「どうも、グァルディオラは真面目すぎるというか、捨て試合を作れない体質に見える」

「真面目というか、神経質というのが一番目に付く特徴やけどな」

「メシなんか、むしろ召集から外してもいいくらいやで」

「その辺は性格やしな」

「そうは言っても、怪我でもしたら終わりと違うか」

「まあ、今後が成否を決める問題やな」

「カソルラの例もあるしな」

「カソルラはきついな」

「骨折で今期絶望」

「ビジャレアルとしては、目の前が真っ暗になる事件やでほんまに」

「以前、ビジャレアルの構成で見たように、カソルラの代わりはいない」



「他は、みんな左の方がいい」

「そこからカソルラを抜いたら、ほんまにどうしようもない」



「泣けてくるタイミングやな」

「今期のビジャレアルは、前に見たように、本当につらい構成で、まあよくここまでの成績を維持できると驚く」

「チャンピオンズを戦いながら、リーグ4位」

「驚異的な数字やでほんまに」

「リーガでは、毎試合苦労しっぱなしやけどな」

「それもあって、負ける時は、わりと大差で負ける」

「今週もアルメリアに3-0」

「最近はセナに疲れも見え」

「カソルラは壊れ」

「アーセナル戦が非常に心配である」



「いやー」

「いやー、どうした」

「考えれば考えるほど勝ち目ないわ」

「理屈をこねればこねるほどそんな気になるな」



「一番重要な点として、ビジャレアルは、左サイドを押さえられない構成になっている」

「そこを攻めてくるのは、サニャとウォルコット」

「こりゃ止められんで」

「おまけに、右にカソルラがいないことで、ボールを前に運ぶ力も衰える」

「今期のマンチェスター・ユナイテッド戦で顕著だった」

「苦しいとかそういう問題を越えてしんどいな」

「いっそのことこう組むか」



「だから、ここ最近で見たように、1-4-3-X系はまったく駄目だと言うに」

「まあな」

「アトレチコにずたずたにされるのに、アーセナル相手に持つとは思えん」

「カソルラ、カニをセナ、ブルーノに変えたら少しはいけるやろ」

「サイドを攻められても、ある程度守れるかもしれんが、前線の反発力が弱すぎて収支が合わんやろ」

「まあ、理屈を言われると困るけどもや」

「理屈をこねなくてどうする」

「ユナイテッド戦もなんとかなったんやし、今回もなんとかなるやろ」

「パク、ガリー・ネビルで攻められるのと、ウォルコット、サニャで攻められるのでは話が違うで」

「はたして、ビジャレアルは何を勝ち筋と見てチームを組むのか」

「それが一番の注目というところで」

「いっそのこと、バジャドリーからエスクデロを返してもらったらどうやろ」

「今日返してもらって明日試合にだすのか?」

「無理か」

「当たり前や」

「ちなみに、もしビジャレアルが負けた場合、”プレスが甘いから、守備が甘いから負けた、スペインリーグ全体でそうだ、リーガは駄目だ”という馬鹿な評論が出る可能性がありますが」

「それは、まったくの見当違いである、ということはお分かりいただけるはずである、ということを先に申し述べておいて」

「今週はこの辺で」

「また次回」

「ご機嫌よう」

「グティ事件に関する話は」

こちらにありますので」

「よろしければどうぞ」
これは、「個人技術 足の甲で上から下に切る、後方回転」の続きである。

正面からの拡大図を見る。

踏み込み












軸足が着地した時点を見る。



前回にあるように、軸足のつま先が正面より外に開いている。
また、軸足側の半身、左半身に軽くもたれる動作が確認できる。




インパクト時点を見る。



開いた上体の中のアーチ、軸足とボールまでの大まかな距離が確認できる。
また、多少見難いが、足首がほぼ伸びた状態であることも確認できる。
インサイドの部分は、やや前方を向いている。
これは、蹴った後、足が少し上に返ったためだと考えられる。







フォロースルーにおいて、蹴り足が軸足と交差する。



これは、左半身を支えとして、蹴り足を動かした証拠である。
蛇足ではあるが、これを「軸」とは表現しない方が良い。
軸であれば、上半身がその周囲に回転するイメージになるが、見ての通り、これまでの流れにおいて上半身は開いた状態を保ち、ほとんど回転させない。







これまで見た、セルヒオ・ラモス、イニエスタ、トゥンジャイの蹴り方は少しずつ異なる。
これは、蹴る状況、出すパスの強さや距離、回転数が違う以上、仕方のないことである。
それぞれの、異なる点ではなく、共通点に目を向けてイメージをつくることが重要であり、上達につながると考えられる。

「さて」

「スペインはまたも勝って負けなしのグループトップ」

「気味が悪いほどの順調さやな」

「プレーの落ち着きぶりは、デル・ボスケのチームらしい」

「まあそうなんやけど、この試合は、色々と不思議な部分があった」

「理解できそうで理解できないシステムがいくつか出てきた」

「先発はこう」



「トルコはまごうことなき1-4-4-2」

「スペインはというと」

「なんやろな」

「1-4-4-2のいわゆるロンボ、菱形バージョンに見える」

「それにしては、カソルラの位置がおかしいねんな」

「シャビと同じような高さにいることが多い」

「システムとしては、完全に左右非対称で、攻撃においては下のように動く」



「問題のカソルラは、左のウィングのような位置に上がる」

「組み立てが詰まるとシャビがその後ろに下がる」

「右サイドはほぼがら空きで、セルヒオ・ラモスの独壇場」

「サイドや、裏へ長いボールを送るのはシャビ・アロンソ」

「そのような組み合わせやな」

「こうしておけば、セルヒオ・ラモスとシャビ・アロンソの能力は使いやすい」

「デル・ボスケが対称性を崩す時は、選手のベクトルを矛盾なく噛み合わせるためであることが多い」

「しかし、それにしてはこの配置は変で、ビジャは左の方がいいし、カソルラは右の方がいい」



「極めて実験臭のする布陣やな」

「予選で実験とは男前やな」

「それにしても、カソルラは右利きなのかね、左利きなのかね」

「右やと思うけど、フリーキックでは、左で蹴る位置に立っていた」

「いわゆる、アストゥリアス人両効き理論のあらわれやな」

「誰も認めてへん理論やけどな」

「寂しい話やな」

「それはそれとして、上のように組むと、明らかに右サイドにスペースを残す」

「それは別に恐くない、というのが下の絵やな」



「左前にいるアルダは、中に入り、縦にはまったくいかない」

「実際に、トルコのそのスペースは死んでいるので、ビデオをお持ちの方はご確認いただければと」

「おまけに、後ろから上がってくるイブラヒム・ウズルメズは、まったく攻撃に効かない」

「セルヒオ・ラモスに完敗もいいとこだった」

「ラモスに負けたというだけじゃなく、普段からボール扱いに自信がないんやと思うで」

「相手が近づいてきただけで、すぐ半身になってボールを庇おうとするあたりは、そんな気配がある」

「デル・ボスケは、多分、彼の能力の低さを良く知ってこの形に組んだのと違うか」

「そうなんか」

「ハーフタイムの濃厚な挨拶を見る限り、トルコ時代の部下というか、一緒のチームにいたはずやで」

「そうかもしれん」

「以上のように、特殊な布陣で臨んだスペインであったが」

「上手くいったとはいい難い内容だった」


http://www.as.com/futbol/partido/Espana-Turquia-0279_10_08_0163_0650

「たまに現れるASの流れ図で、点が上に来るほど、そのチームが攻めていたと思っていい」

「開始から、スペインは鳴かず飛ばずやな」

「むしろ、5分あたりには、終わったに近いピンチを招いていた」

「前半どうなるかと見ていると」

「30分を過ぎたあたりで動きがあった」



「カソルラが逆サイドに出て、ビジャが左にくる」

「選手を得意な場所で使う、という意味ではこちらの方がいい」

「その後、トゥンジャイのパスからアルダに完全な形を作られるが、トラップミスで事なきを得て」

「前半は0-0で終わる」

「注目の後半」



「うむ」

「元通りやな」

「ビジャが左に来ることが多くなったのは違うが、基本同じやな」

「試合の流れも前半と同じ」

「トゥンジャイに危ない形でシュートを打たれるが、枠をそれて事なきを得て」

「迎えた58分」

「トルコが先に動く」

「セミフを下げてアイハン」

58分: セミフ→アイハン


「これは」

「なんというか」

「一歩引く形で1-4-1-4-1」

「これも難しい変化やな」

「それまでの分かれは、トルコにとって悪くなかった」

「その中で、システムを変える積極的な意味は薄い」

「誰かインタビューできる人に理由を聞いて欲しいところやな」

「トルコが選手を代えた2分後にスペインが先制」

「セットプレーから、セルヒオ・ラモスがミスで膝に当てたボールがちょうどピケの前に転がって得点」

「なんというか、デル・ボスケの運を感じるゴールだった」

「逆に、トルコにとっては最悪のタイミングでの失点」

「ここで、スペインはさっさと実験的配置をお終いにする」

64分: ビジャ→マタ


「ごく普通の1-4-2-3-1」

「鉄板システムやな」

「これに対して、点を取らなければならないトルコは再びフォワードを増やす」

72分: アルダ→ゴクハン、 カソルラ→シルバ


「やってることがちぐはぐやな」

「まあ不運な失点ではあったからしょうがない」

「監督としては、こういう形が一番嫌なんやけどな」

「この辺りから、無理に攻めるトルコの裏を取る形で、スペインのチャンスが増え始める」


http://www.as.com/futbol/partido/Espana-Turquia-0279_10_08_0163_0650

「トルコはそれでも行かなければしょうがないので、さらに行く」

85分: エムレ→サブリ


「1-4-3-1-2」

「やられたらやり返す布陣だったが」

「むしろ、一方的にやられそうなシーンを残しつつ試合は終了した」

「しかし、双方、短い時間に色々とチームをいじった90分だった」

「中でもポイントは、スペインの最初の謎布陣と、トルコが58分に引いた理由やな」

「その他の変更は、意味がわかりやすいんやけどな」

「上の二つはよくわからないので」

「何かご存知の方はお教えいただければと」

「あと、個人技術編として、足の甲で後方回転をかける、トゥンジャイ編がありますので」

「そちらもご覧いただければいうところで」

「また次回」

「ご機嫌よう」



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