週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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「さて」

「ラスのパスについてやな」

「ボールを持ち前にドリブル」



「右足アウトで切り返す」





「上では、完全に横を向いている」

「ここからパス」





「ボールは縦に出て」





「守備の股間を抜け、フォワードに渡る」





「実に見事」

「いわゆるグティパターンという奴で、体の正面をサイドに向け、そちらへパスを出す踏み出しから縦方向パスを出す」

「90度の狙いという点では、チェルシーパスとも通じる」

「ただ、この時のラスは、イニエスタの蹴り方に近いと思うんやけどな」

「ちなみに、グティパスについてはこちら

「イニエスタについてはこちらなどをご覧下さい」

「なんにせよ、上のパスは非常に上手い」

「上手いな」

「ラスは大したものであると思わざるを得ない」

「ちなみに、下のパスも実に面白い」

「ラスがボールを持って前へドリブル」





「パスモーションに入った後」





「左足で軽く飛ぶ」




「着地からそのままパス」









「びっくりするくらい良い位置で受け手がフリーになっている」

「注目すべきは、下の2人のディフェンダーやな」



「ラスから見て、右側へのパスに完全に釣られている」





「そのメカニズムはおそらく下の形であろうと思われる」



「右に体を旋回させて、赤いパスを見せ、体をたたんで白い方向に出す」

「以前に見た、シャビと同じ形でのフェイントだと考えられる」

「このラスの拡大図が見たいな」

「拡大図か」

「そうや」

「残念ながら」

「ないんか」

「この守備の反応というのは、実に不思議で興味深いので、是非その詳細を知りたいのは山々やねんけどな」

「自分でカメラをスイッチできる録画映像が待たれるところやな」

「以上では、ラスの良いパスについて見たわけだが、次は、良いキープ、特に引き技を絡めたキープとドリブルについて見てみようかと」

「続きは、こちら

「さて」

「リーガは優勝も決まり」

「残るは順位争い」

「チャンピオンズやらUEFAやら降格やら」

「色々と興味深い」

「そのチャンピオンズ枠を狙うチームの1つであるビジャレアルとマドリーの対戦」

「先発はこう」



「ふむ」

「ビジャレアルの方は、ピレスとイバガサの位置が珍しい」

「ピレスをエグレンの横で使うオプションは、これまで使う機会がありながら、ほとんど採用されたことがなかった」

「それをマドリー戦で先発から使った点は興味深い」

「今までやと、イバガサが中、ピレスが左からトップ下というのが基本だった」

「マドリーは、まあ、良くある布陣ではある」

「今回は、中でも下の選手に注目してみようかと」



「ラスか」

「この試合でも、まさに八面六臂の大活躍だった」

「チームは負けたけどな」

「例えば、中盤の守備において、1人で2人分働く姿が見られた」

「下の感じか」

「ボールを持った選手が、ラスに向かって進んでくる」



「十分に引きつけてから横パス」



「ラスは、それを追う」



「ボールを受けた選手は、縦にドリブル」



「それを追って」



「からんで」



「潰す」




「実に素晴らしい」

「下の状況で1人」



「ここでもう1人」



「合計2人分の働きをしている」

「ちなみに、上の話には続きがあって、相手を潰した後、下のように進む」

「倒れたラスは」



「ボールに喰らいつき」



「頭で弾く」



「這ってでもボールに喰らいつく、その執着心」

「非常に素晴らしいのではないかと」

「上のような例は、別のシーンでも見られる」

「ピレスが、ラスへ仕掛けてくる」



「アウトで中へ切り返し」



「ラスは完全に逆を取られる」



「この辺り、ピレスはさすがの切れ味である」

「一度は負けたラスであったが、そこから反転し」





「ピレスを追いかけ」




「ボールを掻き出す」





「これまた見事で、自分で自分のカバーリングを行い、1人で2人分働いている」

「少なくとも、1.5人分はありそうやな」

「ボランチの横に馬鹿みたいなスペースを残しやすいマドリーにとって、非常に大きな存在であることがわかる」

「彼が来る前と後の成績にもそれはあらわれている」

「以上のような形で、ラスが守備に効くことは、広く知られている」

「確かに」

「この試合では、それに加え、パスの面でも非常に興味深かった」

「という点については、こちらにて」

「さて」

「ハンドに関する話やな」

「前回にも触れたように、歴史上有名なハンド事件というのは、ほぼ同じ理由で起きている」

「ふむ」

「有名なハンドといえば、マラドーナ、アグエロ、メシといったところが思い浮かぶ」

「全部アルゼンチンやな」

「それらに共通するのは、下のメカニズムであり、副審の配置に対し、審判はその逆へと斜めに動く」



「これが基本で、講習でそう教わるらしいな」

「しかし、そう動くと、下の場所が死角になりやすい」



「下の感じか」



「主審からは、選手の影になって見づらい場面が多く、副審からは距離が遠すぎて正確な判断ができない」

「間に敵が入ることも多い」

「そうなると益々見づらくなる」

「当たり前やな」

「例えば、メシのハンドゴールなどが典型になる」


映像元

「ふむ」

「インパクトの瞬間だが、後ろから見ると手か頭かわからない」

「審判の位置からだと、もっとわかりにくいやろな」

「角度を変えて見るとこうなる」



「頭からずいぶんと距離がある」

「裁くとすれば、副審の仕事だが、いかんせん、元々距離がありすぎるため、正確な判断ができない」

「アグエロはこう」


映像元

「主審からは絶対に見えない」

「副審からも無理やな」

「角度を変えるとこう」



「見事なハンド」

「これ、思いっきりパンチしたゴールやったしな」

「ちなみに、上の”goles con la mano(ハンドによるゴール)”という動画を一つ一つ見ると次のようになる」

「まずは、5位」

「サイドからクロス」



「ピンクの矢印の先、青いジャージが審判」



「下も同様」



「手でシュート」



「審判は、矢印の先におり、まず見えない」

「4位は、審判の位置がわからないので割愛」

「3位は上のアグエロ」

「2位は下」

「キーパーがボールを弾く」



「審判は、画面右、ピンクの矢印の先にいる」

「選手が詰めてきて手でシュート」



「審判は丁度真後ろにいて、まず見えない」

「例によって、副審からも遠すぎて、自信を持った判定はできない」

「そして1位」

「神様登場やな」

「浮いたボールが裏に抜ける」



「ピンクの矢印の先、審判の位置に注目」

「マラドーナが抜け出して」



「手でシュート」



「審判は矢印の後ろにおり、頭か手かわからない」

「副審からも遠い」

「よってゴールが認められた」

「以上のように、ハンドによるゴールというのは、いつも同じ理屈で起こっていることがわかる」

「まあ、その形で起こりやすいというのは確かやな」

「いつも起こる間違いを正さないことを馬鹿といい、もうこのような騒動は終わりにすべきであると思わんかね」

「それでどうせよと」

「アグエロが手で決めた時にも出てきたように、せめて下の位置に審判を増やせばよい」



「そう来たか」

「これで死角の大部分が解消される」

「これは、人件費が増えるから主催者が喜ばんやろ」

「そーゆー問題じゃないやろ」

「おまけに、ビデオ判定を嫌う連中が、審判三人はサッカーの伝統だから云々とかで反対しよるで」

「怪我人や死人が出ても同じことが言えたら立派やけどな」

「どういう意味や」

「ピケのハンドの見逃しや、ハンドゴールの見逃をやっていたら、いつか審判が暴行に合い、悪くすれば死ぬ事態も起きうる」

「殺害はないとしても、暴行は起こるかもしれんな」

「その時、ルールを決める人間が家族に対して、あなたの夫はサッカーの美学と伝統のために犠牲になられたのです、それは立派な行為であり、加害者は相応の報いを受けることになるでしょう、と自信を持って言ったとしたら、立派な偽善者であり阿呆やで」

「そうかね」

「ファールでチャンスを潰すというのがアンチフットボールで、手でプレーをねじまげるというのがさらにアンチフットボールだとしたら、誤審で結果を左右するというのは、最もアンチフットボールなわけで、それを減らす努力もせずにやれ伝統だなんだというのは意味がない」

「選手にハンドをしないように教育せよ、という話もあるのではないかね」

「そういうことを言う人間こそ信用ならんやろ」

「どうやろ」

「人間、一億円を拾ってネコババしてもばれないかもしれない、もしばれたとしてもイエローカードですむ、という状況になればほとんどの人が持って帰るに決まっている」

「それは極めて魅惑的やな」

「選手にとって、チャンピオンズリーグの決勝に進むか否かというのは、一億ではとうてい間に合わない価値があるのだから、当然、手でピンチを防げる、ゴールを決めれるとなれば、やるに決まっている」

「フォワードなんか、反射で手が出るもんやしな」

「それを教育でどうこうとか言うのは、自分は一億を取らないと勘違いしている人間か、真に高潔な人のどちらかやで」

「真に高潔な人やったらどうする」

「そんな人は、本当に稀やって」

「まあ、この試合の結果は興醒めするものではあった」

「バルサは、駄目だとわかっている作戦をとって本当に駄目で、きちんとサッカーをしたチームが、アンチフットボールの塊のような形で敗れた」

「なんか今日はアンチフットボール大好きやな」

「最近、流行みたいやしやな」

「特に流行ってるようには思えんけどな」

「とにかく、ピケのハンドにしても、マラドーナやアグエロのゴールにしても、下の配置の審判から見れば、明らかに手であることがわかる」



「アグエロのは絶対にわかるかね」

「おまけに、バーに当たったボールがラインを割ったか割らないかの判定についても、ここに審判がいれば非常に都合が良い」

「ジェフ・ハーストの疑惑のゴールか」

「結局、一番もめるのは、PKかどうか、シュートがラインをわったかどうかだから、それ専門の審判がいるのは当たり前やで」

「それか、ビデオ判定やな」

「チェルシーにとって、バルサが11人でも余裕で守れてたんだから、退場なんかより、PKの方がずっと意味があった」

「それはあるかもわからん」

「とにかく、この、システムとして誤審を生み出している、良くない状況が早く改善されることを願いつつ」

「今回はこの辺で」

「また次回」

「ご機嫌よう」

「さて」

「色々と問題になった、主審のトム・ヘニンク・エブレベに関するお話やな」

「まず、アビダルがアネルカを倒したシーンについて」

「青いアネルカが左に攻めていて、アビダルは裏を取られている」



「青い選手の左足が後方へ、黄色い選手の左足が前方へ伸びる」




「その2つが接触する」



「黄色い選手の足は、青い選手の足の側面に軽く触れている」



「その結果、青い選手の足に横向きの力が加わる」

「それにより、踏み出す足の軌道が内側にずれる」



「軌道がずれるとどうなるかというと」



「軸足を蹴ることになる」



「下図で軸足を蹴り」



「左足を踏み出せなくなり」




「結果として転ぶ」






「これはファールである」

「当たり前やな」

「一見ダイブにも見えるし、接触が小さいので見逃してもいいのではないかという話にもなるが、これは絶対にファールを取らないといけない」

「これの名人が、カンナバーロとかマスチェラーノとかやからな」

「カンナバーロは、裏を取られた時、万歳をしながらそっと足を出し、上とまったく同じ形でフォワードを転ばせる」

「一見自然に見えるから、笛も鳴らない」

「めでたしめでたし」

「となってはいけない」

「これを認めると、サッカーで最も興奮する場面の一つである、フォワードとキーパーの一対一を不正な方法で潰すことを認めることになる」

「よって、厳しく取り締まる必要がある」

「そうじゃないと、サッカーがつまらなくなる」

「いわゆるアンチフットボール的行為が蔓延するわけやな」

「よって、この場面で、ファールを取った主審は正解である」

「ただ、退場かどうかはわからんけどな」

「アネルカがボールコントロールした状態なら退場でもいいが、そうでなければイエローでよいようにも思える」

「レッドの対象になる、”明確なゴールチャンスを潰す”の明確というのが、主審の判断しだいやから、なんともいえへんところやな」

「いつも一番揉めるとこやしな」

「しかし、この試合ではもっと揉める場所があった」

「ペナルティーを吹くべきか否か」

「それについては、”all possible chelsea penalties vs barca”という動画がありますので、まずはそちらをご覧いただければと」

「以下、ハンドに関するものを、そちらからの画像でご覧頂こうかと」

「まずは、動画の2分から始まるピケのハンド」



「これはハンドやな」

「他にいいようも解釈のしようもない」

「これを取らないなら、サッカーは手を使ってプレーしていいことになる」

「それなら、わざわざサッカーをする必要はないわな」

「何がアンチフットボールかと言って、キーパー以外が手を使って利益を得ることほどアンチフットボールなことはない」

「その意味でも、最悪の見逃しであった」

「次に、2分35秒から始まるエトーのハンド」

「バラックのボレーが来て」



「エトーは手を伸ばしながら反転し、ボールが当たる」







「これは、下のピンクの矢印の先、すなわち袖口の部分に当たっており、完全にハンドである」



「バラックが怒ったのも無理はない」

「この反則も絶対に認めてはいけない」

「流れ的に、手で顔をかばったように見えなくもない」

「しかし、反転する人間が手を開いたまま回るというのは、自然に反する行動である」

「もし、顔や体の正面を守るために、早く回転したいのなら、手は閉じて体についていなければならない」

「スケートで手を横に伸ばして飛ぶ人がいないのと同じ理屈やな」

「上に伸ばして飛ぶ人はおったけどな」

「ボイタノか」

「古いわな」

「2人のブライアンという選手がいてだな」

「エトーの行為は、反転しながら手を残し、自然にボールが手に当たることを狙っている」

「同じことを、エリアの外でクロスを止めるためにやる選手は多い」

「身を翻しながら、手と足を横に突き出し、コの字になりながらクロスを防ぐ」

「審判と逆サイドであれば、特に見づらいので、手に当たってもわりと流される」

「これまたアンチフットボール的行為で、絶対に放置してはいけない」

「この見逃しも非常に良くない」

「ただ、この場面では、審判にある程度の言い訳が成り立つ」



「審判の角度から見ると、脇か腕かの区別はつけにくい」

「これは吹けない」

「ただ、そんなことを言い出したら、ピケのハンドも吹けない」



「ピケが手で触った時の審判の位置は、図の一番左」

「視線を追うと下のようになる」



「まず見えない」

「しかしあれやな」

「なにゃ」

「もう、この手の反則の見逃しというのは飽き飽きやな」

「飽き飽きかね」

「歴史的に有名なハンド事件というのは、ほとんど全部同じ理由で起きてんねん」

「そうなんか」

「ほんまにそうで、これ以上放置して死人が出る前に、解決を試みるた方がええって」

「どうすんねん」

「その辺りは、こちらからというところで」

「よろしければどうぞ」

「さてさて」

「後半やな」

「まずは、48分28秒、右サイドからパスが渡り、ブスケツがフリーになる」



「ラインの前で前を向いたいい形だが、裏を狙った浮き球はクリアされる」

「53分30秒、縦へのスルーパスからアウベスが抜けてクロス」



「中には合わず、クリアされる」



「このプレーにおける、パスとアウベスの同期は非常に良かった」

「56分16秒、イニエスタがエリア内でドリブル」



「縦へ切り返し」




「アレックスがギリギリで足を伸ばす」



「これがもとでボールはラインを割る」




「ギリギリとはいえ、イニエスタの切り返しについていったアレックスは見事かと」

「第1戦では、ミケルがイニエスタのアウトに綺麗に合わせて、クロスをブロックしたシーンもあった」

「チェルシーはやはり、いい選手を揃えている」

「58分04秒、メシがライン2つを抜くスルーパス」




「クリアされる」




「60分9秒、イニエスタが中へ切れ込み、メシへパス」



「縦へ折り返し」



「クリアされる」



「63分12秒、イニエスタがサイドから中に切れ込む」



「縦に抜けるエトーにパスを送るが、キーパーに回収される」



「64分53秒、メシが切れ込んでシュート」



「枠をそれる」



「65分までのバルサのチャンスは以上」

「一言で言えば、まったく攻めることができていない」

「概念的には、下のようになる」



「ゾーンを、上のように①~③に分ける」

「②はもうちょっと細かく分けないかん気もするが」

「バルサは、基本的に③のゾーンでボールを回しているだけで、チェルシーとしてはまったく恐くない」

「これまでに見たバルサのチャンスというのは、たまに②を崩しかけたという程度で、本命である①は手付かずだった」

「チェルシーにとっては、①を必死で守っていた第1戦に比べると、まったくの余裕だったと言っていい」

「城で言えば、ほとんど三の丸で防いで、たまに二の丸まで攻められたけど、本丸はまったく手付かずだったということになる」

「なんで城で言う必要があるねん」

「いや、なんとなく図がそんな感じやからやな」

「そして、66分にアビダルが退場する」

「裏に抜けるアネルカを引っ掛けてレッドカード」

「引っ掛けるというよりは、後ろに蹴り出された足に横から触り、その影響で、アネルカの踏み出す足が軸足を蹴ったから倒れたんやな」

「リードを奪われ、まったく攻め手を欠いた中での数的不利」

「バルサ大ピンチ」

「実際、その後も鳴かず飛ばず」

「しかし、結果は1-1で勝ち抜け」

「それには、審判の助けが重要な役割を果たした」

「という点について、次にみてみようかと」

こちらから」

「どうぞ」



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