週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
以前、地面に近いボールのコントロール(トラップ)について見た。
ここでは、空中にあるボールについて見る。 一般的に、コントロールではボールとの接触面を引く必要があると信じられている。 しかし、地面付近のボールに関して、それは誤りであった。 同様に、空中のボールも面を引くような操作なしにコントロールされることを見る。 まず、ロングボールに関するコントロールを見る。 ボールは、上図のオレンジの円の中にある。 白い実線がボールの軌道であり、破線は受ける選手の動きを表している。 コントロールの様子は次のようになる。 この例の特徴は、ボールに接触する段階において、操作の余地がほとんどないことである。 体の前にあるボールに触れるため、足をぴんと伸ばした状態になっている。 このため、ボールの進行方向に対して足を引くような操作は原理的に不可能である。 にもかかわらず、接触後のボールはプレー可能な状態に移行した。 これは、意識的な操作をせずとも空中でのコントロールが可能であることを示している。 次に、このプレーの別角度からの図を見る。 緩衝の様子は以下に見られる。 二枚目の図において、ブーツの先に近い部分が扇状にぶれて写っている。 これは、足先の部分が瞬間的に前へ動いたためである。 一方で、ぶれて写っていたボールは、模様が確認できる状態になっている。 これは、足の変形により、ボールの速さが減じたためである。 足先の動きを見ると、次のようになる。 このプレーにおいて、これ以外にボールの勢いを削ぐ動きは見当たらない。 よって、主要な緩衝は足先の変形によりもたらされていると考えられる。 通常、このような形でブーツの先だけを意図的に素早く動かすことは不可能であり、この接触は極めて受動的であると言うことができる。 次に同様の例を見る。
「さて」
「前回から続いて、モウリーニョがロブソンの戦術というか、サッカーの見方を受け継がなかったことについてやな」 「モウリーニョがどういう考えの持ち主か、というのは、最初に見た、彼の喜怒哀楽がどのようなプレーで引き起こされたかを見るとわかりやすい」 「喜んでる時」 「喜んでない時」 「それぞれが、どのようなプレーと対応しているかというと」 「喜んだ場合は、次のようになる」 「まず相手のバレンシアがショートコーナー」 「得点状況は、1-0でバルサがリード」 「カルピンのクロス」 「ディフェンスのクリア」 「フィーゴが持ち出して」 「前方へパス」 「そこに待ち受けるは」 「ロナウド」 「そのまま持ち込んで」 「ゴール」 「カウンターから見事に得点、差を二点に広げる」 「これを見たモウリーニョのリアクションがこれ」 「めっちゃよろこんではるな」 「次に下の反応を引き起こしたプレー」 「これは、2-1でバルセロナがリードしている状況で起こった」 「ボールを持った選手が敵陣でドリブル」 「ボールを失う」 「この時、バルサの選手が5人画面内にいる」 「ちなみに、画面の下、切れている部分にセルジもいることから、6人で攻めている勘定になる」 「エンゴンガのカウンター」 「ここまで中盤がすっ通し」 「そこからパスが前方へ」 「縦に抜けるクラウディオ・ロペスをブランが追う」 「この時点で、最終ラインは余裕の二対二」 「マイナスに折り返して」 「カルピンがシュート」 「カウンターから見事に失点、同点に追いつかれる」 「この後の表情がこれ」 「ばっかじゃねーの」 「というような顔に見える」 「こう見ると、モウリーニョはカウンターが決まるとご機嫌で、決められるとご機嫌斜めということかね」 「カウンターがどうこうというより、ロジカルなことが起こるとご機嫌で、イロジカルなことが起こると不機嫌なんではないかね」 「変な英語使わんでくれるか」 「まず、最初の例は、1-0で勝っている状況で、前がかりになる相手の裏を突いての得点で、非常に理にかなっている」 「まあ、サッカーの王道といえば王道やな」 「前にロナウドというカウンターにおいて最良の選手がいるのだから、なにも無理せず長くボールを出していれば点は入る、というモウリーニョの考え通りに話が進んだからあれほど喜ぶのだと思われる」 「しかしあれやな」 「なんや」 「周囲との温度差が凄いな」 「他の人は拍手だけやしな」 「モウリーニョだけ全力でジャンプして全力で喜んでいる」 「それはやっぱり、自分の頭の中にある絵が現実になった喜びがあるからやと思うで」 「ゴールが入ることより、俺様の筋書き通りになることを喜ぶタイプか」 「その逆がこれ」 「まず、無茶苦茶なのが、2-1でリードしている段階で6人で攻めて、後ろに莫大なスペースを残す点にある」 「おまけに、ここでボールを受けるのがクラウディオ・ロペス」 「追うのはブラン」 「スピードで勝てるわけがないのだから、これだけ前方にスペースがある状況では止めようがない」 「理屈には合わんわな」 「さらに、言えば、モウリーニョであればこの状況自体、起こりえない」 「どういうことや」 「ことの発端は、下の状況でドリブルをしたことにある」 「ふむ」 「バルサが前に人数をかけて攻めているということは、周囲にパスコースがあるはずだから、こんなクソ狭い場所を無理にドリブルで抜ける必要はない」 「つまりは、もしモウリーニョが監督であれば、上の形でボールを失うようなプレーをさせないから、そもそもこんな失点はありえないということか」 「だからこそ、この表情になるんとちゃうか」 「そうなんかね」 「実際、チェルシーのモウリーニョなんかを見ても、ロブソンの切って切られて方式は採用していない」 「まあ、実際問題として、この年のバルサは102点取って優勝でけへんかったしな」 「この時に勝ったのはレアル・マドリー」 「監督はあの人」 「ファビオ・カペッロ」 「がちがち派の代表やな」 「モウリーニョは、もともとの性格に加えて、実際に自分の理屈に合わないサッカーでは勝てないことを目の当たりにしたわけだから、それがその後に影響を与えたんちゃうか」 「しかし、それもどうなんやろな」 「なにがどうなんや」 「カペッロは2回マドリーの監督やって2回優勝したやろ」 「したな」 「そんで、2回ともファンから嫌われて1年で追い出された」 「そりゃ、ママドゥ・ディアラのパスミスサッカーを見せられたらマドリー派は切れるで」 「そんなん、リアルタイムで見るのもきついし、ましてやビデオで繰り返し見たいとは思わへんやろ」 「守備組織の勉強では見たいけどな」 「それに引き換え、ロブソンのバルサは、ふとした拍子に無性に見たくなることがあるんや」 「そりゃ趣味の問題やろ」 「果たして、今年のマドリーがどっちの試合を残すのか、というのが非常に気がかりなんやけどな」 「どうやろな」 「そんなこんなを注目しつつ」 「今シーズンもサッカーは楽しいというところで」 「また次回」 「ご機嫌よう」 おまけクイズ3問 問1:下の絵には今のサッカーではありえない部分があります。どこでしょう 問2:下の絵には今のサッカーではほぼありえない部分があります。どこでしょう 問3:下の人は誰でしょう?日本と関係があります。 答1:ネックレスをしている。 この頃は、むしろネックレスや指輪をつけてプレーすることが当然だった。 答2:堂々とタバコをすっている これも、当時は普通だった。ちなみにすっているのはルイス・アラゴネス。 答3:ホセ・ハポン・セビージャ ハポン(日本)性の由来は調べるとすぐわかります。
「さて」
「前回からの続きで、ボビー・ロブソンの試合中のアクションについてやな」 「例えば下のようなプレーがある」 「左サイドからセルジがクロス」 「中央にフィーゴ、その外からジオバンニが走りこむ」 「ボールはディフェンスの鼻先を抜け」 「ジオバンニがシュート」 「残念ながら外れてしまう」 「その時の、サー・ボビー・ロブソンの反応は以下の通り」 「実に熱い」 「これを翻訳すると以下のようになる」 「いいか」 「シュートの時に足をこう」 「横に開きながらボールに触るからいかんのだ」 「それだとインパクトした後」 「絶対に右にそれる」 「それじゃあ外れるに決まってるだろ」 「とまあ」 「このようなことをおっしゃていると想像される」 「次もシュート場面でのリアクション」 「じっと戦況を見つめるモウリーニョ」 「その後ろから白髪のお方があらわれる」 「これまた熱い」 「翻訳すると以下のようになる」 「いいかお前ら」 「ボールがこう来たらだな」 「こうやって軸足側に蹴るようにしてだな」 「そっから足を返して」 「スパーンと打つ」 「これで終わりだろ?」 「まったく」 「最近の連中はわかっちゃいねえ」 「とまあ」 「このようなことをおっしゃていると想像される」 「しかし、上手いな」 「なにが」 「サー・ボビーのシュートモーションは実に綺麗ではないかね」 「そう言えばそうやな」 「これは、これまでの技術話との関連で言えば、インサイドの裏表の蹴り分けに相当している」 「そのシュートへの応用やな」 「この足をひねった後のバランスなんか普通なかなかできんで」 「上の二つの例から見るに、シュートを決めるということに強いこだわりがある人なんやろな」 「現役時代絶対フォワードやな」 「バルセロナの監督時代も、守備そっちのけで点を取りまくりに行ってたしな」 「実際にシーズン102得点」 「当時としては驚異的な数字で、みんなびっくりしたのは記憶に新しい」 「そうではあるが、モウリーニョはロブソンを尊敬しながら、サッカーの見方という点では、本当に一切それを受け継がなかった」 「次はその点を見てみようかと」
「今年もスペインリーグが始まった今日この頃」
「皆様いかがお過ごしでしょうか」 「なにかと話題のマドリーはマジョルカと引き分け」 「周辺もなにかと騒がしい」 「注目はなんといってもこの人」 「カランカ大明神か」 「どんだけむりやりなボケやねん」 「モウリーニョ」 「まさに、ジョゼ・モウリーニョ」 「そりゃ注目やわな」 「そこで今回は、彼の思い出を語っていこうかと思うわけや」 「始まったばかりでもう思い出話か」 「あれは、今から14年前のことじゃった」 「時は1996-97シーズン」 「バルサのユニフォームを着たフィーゴの肩をぽんっと叩くこの人は」 「じゃん」 「じゃん」 「じゃん」 「若き日のモウリーニョ」 「そして、そのボスだったのがこの人」 「ボビー・ロブソン」 「この人が、通訳だったモウリーニョをセグンド、つまり助監督に抜擢した」 「モウリーニョはこのころから非常に目だっていた」 「どう見ても監督より前に出て指示を出している」 「おまけに選手がゴールを決めると下のリアクション」 「あたかも自分がゴールを決めたかのようである」 「彼の自軍がゴールを決めた後、もしくは相手にゴールを決められた後の反応はなかなか個性的であった」 「例えばこう」 「画面の左端で力いっぱいためを作る」 「そしてジャンプ」 「一度画面からいなくなる」 「その後、帰ってきて」 「実に喜んでいる」 「次は、相手に点を入れられた時」 「ロブソンが右手を上げて何事かを言う」 「それに対するモウリーニョ」 「なんというか」 「非常にらしい」 「普通に考えて、監督に対する態度ではないわな」 「こういうのを見ると、ロブソンが彼を非常に認めていたことがよくわかる」 「大体、セグンドが監督の前に出て選手に指示すること自体ありえへんで」 「通常、指示が二系統から出るのを嫌うもんやからな」 「越権行為で喧嘩もんや」 「おまけにこの態度」 「彼を使っていた人は、よほど心の大きな人だったのではないか」 「とまあ、そのように想像される」 「ちなみに、この白髪の師匠も、試合中のアクションが非常に興味深い」 「というわけで、次はその点を見てみようかと」 「続きはこちらから」 「どうぞ」 |
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