週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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前回は、ボールが地面、足、地面と衝突してコントロールされる例を見た。

ここでは、足の裏を用いた同様の例を見る。



















足の部分の拡大図は以下のようである。








ボールは、地面、足、地面の順で衝突している。


一般的に、物はなにかに衝突するごとに勢いを失う。
このため、衝突を何回も繰り返せばいずれ止まる。

例えば、ボールが地面に当たることにより1/3しか跳ね返らないとする。
これは、地面と二回衝突が起これば、理想的には1/9の高さになることを意味する。

足とボールの衝突では、より小さくしか跳ね返らないと考えられる。
なぜならば、このような衝突では、靴底が上に反る効果などが存在するため、地面との衝突より緩衝作用が大きいと考えられるためである。


仮に足との衝突で1/5になるとすれば、3回の衝突で1/45になる。

1/45になれば、ほとんどのボールは高さ的にコントロールされたとみなしうる。

これに加え、ボールに対して上から下に向かって触れることは、自分方向への回転を生みやすい。


これがコントロールにおいて有利であることは以前に見た通りである。

このように、完全に挟むことなく3回の衝突でコントロール可能であるとの認識を持つことは非常に重要である。

次も同様の例を見る。
前回は足と地面の間にボール挟んだと考えられるコントロールを見た。

ここでは同様ながらやや違う例を見る。

具体的には以下のようになる。

















一見するとアウトサイドで地面に挟み込んだようにも見える。
しかし、実際には異なる。

ボールが地面と接触したのは次の図である。



足とボールが接触するのは次の図である。



静止画ではわかりにくいが、冒頭に見た写真を連続的に表示することによりはっきりと見ることができる。

ボールが小さく跳ねたところで接触しており、ボールの衝突は、地面、足、地面の順に起きている。

このようなコントロールは、足の裏を用いても可能である。

次回はそれを見る
前回までは、空中にあるボールを直接コントロールする例を見た。

ここでは、インサイドと地面にボールを挟むようにコントロールする例を見る。

今、画面左下の選手からパスが出る。







コントロール過程は以下のようになる。




























以上からわかるように、上から来たボールが右足のインサイドの前を通過している。




つまり、空中で足とボールは接触していない。
その後、ボールが跳ねる。





最大で上の図までしか跳ねていない。
これは、ボールが一度地面と足の間に挟まったためだと考えられる。



これに似たコントロールは、アウトサイドでも行うことができる。
次にそれを見る
ここまで見たように、コントロールとは非常に受動性の高い技術である。

それは、ボールが空中にあっても地面近くにあっても変わらない。

足でボールを正確にコントロールするには、末端の部分の変形が重要である。

変形の種類には、以下のようなものがある。


爪先部分の変形





足首の伸展




また、足首から先の左右への変形も重要だと考えられる。


外側への変形





内側への変形





これらの変形に加えて、膝から下などのより大きな部分がボールに押される、もしくは弾かれるように後退する作用も重要になる。










これらが機能するには、関係する筋肉を緊張から開放することが重要であると考えられる。

一方で、足を引くなどの操作は上で見た変形や動きを邪魔する可能性が高い。

例えば、膝から下を引こうと思えばそれに関わる部分に力を入れざるをえない。
力を入れることは筋肉の緊張を生む。
筋肉が緊張すれば、上記の効果を十分に利用することはできない。

つまり、操作と脱力は矛盾する。

このことは育成において重要であると考えられる。
最初に、引いて止めることを選手に教えると、受動的なコントロールが下手になる、もしくは、それを習得する場合に悪い癖が残る可能性が高い。

同様のことは、地面に近いボールのコントロールにおいても見られた。

次は、ロングボールを地面に挟むようにコントロールする例を見る。
前回までに見た例は、どれも一般に信じられている「引く」という動作と無縁であった。
無縁であるにも関わらず、そのように認識されることは少ない。
ここではその理由を見る。

以前、下のようなコントロールを見た。















見ればわかるように、足を引く動作をともなわずに接触が行われている。
ここから写真を間引く。
具体的には、間を二枚づつ省略する。
結果は下のようになる。







この連続写真では、足が常に動いているように見える。
間引くことにより、面をつくって待つ動作が見えなくなる。
よって、上コントロールが受動的であるという印象が薄くなる。

これを、「空中にあるボールのトラップでは足を引くものだ」と思い込んでいる人が見ると、そのように見えなくもない。
特に、接触後の写真を見るとそう見える。





確かに足がボールに対して引かれるように動いている。
これを、ボールを止めるために足を引いたためそのように動いている、と解釈しようと思えばできる。

このように、まったく引かないコントロールであっても、間を省略し、引くと思い込んだ目で見ると引いているように見えるなくもない。

現実の試合をテレビで見る場合、一コマ一コマ分解してゆっくり見ることはない。
これは、画像を間引いた状態で見ることに近い。

このため、思い込みを通した目で見ると、空中でのコントロールは本当に引いているようにしか見えなくなる可能性が高まる。

以下のコントロールも同様である。








































最初の例の接触前後は以下のようになる。





この体勢から膝下を一気に引くことが可能であるとは考えにくい。
緊張から開放された面にボールが当たり、それにより足が受動的に押された、もしくは、弾かれたと考える方が自然である。

二番目の例では次のようになる。





接触時と、その直後の足先の向きは以下のようになる。




ここでは、受動的に足が押される効果に加え、足首が外にねじれる効果によってボールがコントロールされたと考える方が自然である。

これまでの例から、

引くという意識的な操作なしにボールコントロールは可能である
操作可能な状況でもそれをせず、受動的な接触によりコントロールされうる

ということは断言できる。

また、操作のないコントロールであっても、「引く」と思い込んだ目で見ればそのように見える可能性が高いことも言える。

次回は、これまでをまとめる


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