週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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主審、イットゥラルデ・ゴンサレスの気まぐれPKによりセビージャが2-1で勝った試合。

先発


オサスナは攻め手がない中で良く守った。
セビージャはこれまでのセットアップオフェンスが影をひそめた。
左のディエゴ・カペルは相手に向かってドリブルすることができず、能力を十分にいかしきれていない。



左サイドに入ったキケ・ソラは184cmでスピードもあり相手に向かうことができる。
ディエゴ・カペルとは対照的だった。
64分にモスケラに向かうドリブルで失敗したが、66分にポウルセンに向かい突破、ゴールを決めた。
失敗にめげない点でも素晴らしいゴールだった。
「本日はコーナーキックを好きになろう!オープン編をお送りするわけだが」

「うむ」

「オープンから決まったゴールの数は16、0607シーズンのリーガ後半190試合で決まったコーナーキック全体の3分の1を占める」

「その中から、なにかパターンが見えると嬉しいわけやな」

「そうやな」

「となると、16個のゴールをどのように仕分けるかが問題になる」

「仕分けるというか分類の方法やな」

「平たくいうとそうやな」

「とりあえず、コーナーキックの後、ワンタッチで決まるかツータッチ以上で決まるかというのは分類上欠かせない」

「ワンタッチ、つまり1回で決まるというのは例えばこれで」



「ツータッチ以上、つまり2回以上で決まるとはこんな感じやな」



「コーナーを蹴る選手のキックを0回と数えて、その後のタッチ数で分けるわけやな」

「そうやな」

「1回で決めるものが多いであろうという予想はつく」

「コーナーキックといえばヘディング一発で決めるイメージが一番強いしな」

「で、分類するとどうなるんや」

「1回で決まるのが9個、2回以上で決まるのが7個ある」

「わりと拮抗しておるな」

「とこでだ」

「なんだ」

「実は、2回以上のデータに、1つ毛並みの違うものが混じっていている」

「これか」



「それや」

「これは、右サイドからオープンに蹴られているにもかかわらず、キッカーが左利きというデータやな」

「普通、右からのオープンは右足で蹴るから、非常に珍しい」

「左足でクローズに蹴ると見せかけてスライスでオープンに蹴る、一種のトリックプレーやな」

「これだけはちょっと他のキックと性質が違うので、別にして、他の15種類で話を進めることにする」

「まあよかろう」

「そうすると、1タッチが9個で、2タッチ以上が6個というデータが残る」

「これで、仕分けの第一段階終了やな」

「しかし、このままでは、まだ分類が足りない」

「ここから、さらにどう分けるかとなると」

「色々な方法があるわけやな」

「例えば、シュートが打たれた地点で分類するのも一手やな」

「シュートを打つ人間の移動した軌道の種類で分ける方法もある」

「さらには、シュートを打つ選手が最初にいた位置で区別するのも面白い」

「それでどうすんねん」

「とりあえず、囮の数で分類してはどうかと思う」

「囮とはなんじゃ」

「この場合、ペナルティーエリアの中で最初にボールに触る選手よりもコーナーに近い場所に入る選手を意味している」

「言いたいことがよくわからんが」

「例えば次の図では、囮が1人だと数える」



「これが1人か」

「次に、これだと囮が2人だと数える」



「つまりあれか」

「なんだ」

「シュートを打つ選手の前に何人飛び込むかということか」

「そういうことや」

「それだと、次の図の場合はどうなる」



「この場合、最初にボールに触る選手の前に飛び込む人間は誰もいないから0人やな」

「0人もありか」

「この方法で分類すると、わりと面白いことがわかる」

「で、結果はどうなる」

「コーナーキックの後、1回目のタッチでゴールが決まる場合には、0人が1回、1人が1回、2人が6回、3人が0回、4人が1回になる」

「2回以上のタッチで入る場合はどうなる」

「0人が4回、1人が1回、2人が1回やな」

「表にすると下の感じか」

0人 1人 2人 3人 4人
1回 1 1 6 0 1
2回以上 4 1 1 0 0


「正しくそうなる」

「言葉ではわかりにくいので、最初から表を出せという話やな」

「まあ、流れというもんがあるでな」

「表を見ると、わりと顕著な特徴があるな」

「確かに」

「1回では前に2人入るのがメインで、2回以上では0人がメインやな」

「2回以上が0人なのは理屈的にわかりやすいな」

「なんでや」

「オープンではニアサイドのゴールエリア角で合わせてファーで決める有名なパターンがあるやろ」

「これか」



「この状況で、最初にボールを触る選手よりもコーナーに近い側に人を入れるというのは考えにくい」

「その前に入れたところでフェイントにもならんしな」

「それに、ニアでそらしてファーで叩く以上、そこに人を使いすぎると、必然的に裏で叩く人数が減るので都合が悪い」

「だから2回以上触る時は0人が多いわけか」

「そういうことやな」

「となると、上の表からして、1回で決める場合は前に2人いれるパターン、2回以上で決める場合は前に0人入れるパターンを研究するのがいいという話になるわけかね」

「データ的にはそうなる」

「次回はそれをより詳しく見ていくところで」

「今回はこの辺りで」

「ごきげんよう」
アトレチコ戦0分


見間違えでも冗談でもなく、ホアキンがいわゆるセンターフォワードの位置に置かれている。

アトレチコ戦46分


前半よりもはるかに良い攻めを見せていた。

ビジャレアル戦0分


選手が互いに非を鳴らす場面が目立った。
「先週の末は、マドリード・ダービーが行われた」

「行われたな」

「その試合では、アウェーのレアル・マドリーが0-2で勝利した」

「正にいつも通りのダービーであったな」

「今週は、試合分析としてはヘタッフェ対セビージャをお送りするのですが、このダービーは外せないということで、ひとまず短信をおとどけしようかと」

「さようか」

「先発は次のようになっていた」



「アトレチコは中盤の底にモタが入り、いいパスさばきを見せていた」

「一方のマドリーは、中盤にガゴ、グティを並べいて守備に不安が多い」

「そこがどうなるか、というのが注目だったが」

「開始40秒で試合の方向を決定づける出来事が起こってしまう」

「下の流れやな」




「見事に理解不可能な流れであるな」

「一般的にはパブロのパスミスだけがクローズアップされているが、上から2番目のペレアのミスも同程度に酷い」

「同程度というか、パブロはライン際に追い込まれていて、ペレアは周囲360度どこにも敵がいないことを考えると、そちらの方が信じがたいミスであるともいえる」

「ちみに、上の連続写真では矢印があるので流れがわかるが、それを外すと見事に意味がわからなくなる」



「①からどこをどうやったら②の状態になるのか、謎の多いところではあるな」

「そして、もう一方はこうなる」



「AからBは、あるといえばあるかもしらんな」

「ディフェンスがもたもたして取られたのだろうという予想はつく」

「ミスをしたのがパブロとペレアだと知れば、驚くべきことではないのかもしれないが、監督としては頭の痛いところではある」

「アトレチコは、開幕からこの2人にセイタリディスを加えたパスが弱点で、それがこの試合にもろに出た形になった」

「問題点というのは、大事な時にこそ大きくあらわれるものなのかもしれんな」

「おまけに、最近はまったくキックの蹴れないアッビアーティがキーパーをしている影響で、後方からの組み立てという点では最悪の状態になっている」

「これを解決するためには、ゼ・カストロを使うしかないのだが、彼は、サラゴサ戦セビージャ戦バジャドリー戦で見たように、びっくりするくらい守備でのミスが多い」

「パブロを選択すればボールを持った時のミスが怖いし、ゼ・カストロを入れるとボールを持っていない時のミスが怖い」

「どっちに行っても不安が残るわけで、これはアトレチコのチーム編成の問題であって個人個人の問題ではないといえばない」

「罪を憎んで人を憎まずみたいな話か」

「例えば、パブロもペレアも前線にシギッチやイブラヒモビッチのような選手がいて、そこに単純に放り込むだけでいいならこのようなミスは少なくなるけど、アトレチコの前線はハイボールに強くないので苦手なことをしなければならない」

「その辺の事情は前回のデルビをご覧いただくとして」

「とにかく、この2人のミスからマドリーに先制され、得意の形に持ち込まれてしまった」

「後の展開は、典型的なレアル・マドリーの試合で、決定的なシュートをカシージャスのスーパーセーブとクロスバーで弾き、そうこうしている間にコーナーキックからひょいっと追加点を奪う。後半はアトレチコの焦りと疲れと負傷退場したシモンの不在もあり、無失点で逃げ切った」

「特にシモンの退場は痛かった」

「サイドの守備の弱いマドリーにとってシモンは鬼門筋なのに、その彼がピンポイントで怪我をした」

「これがシュスターの持つ運というやつかね」

「どうなんやろな」

「なにはともあれ、この試合でも10本に対して20本のシュートを打たれながら無失点で勝つというデータ編通りのマドリーが続いているというところで」

「デルビ短信はこの辺りで」

「ではまた次回」

「ごきげんよう」
「さて」

「今日のテーマはショートコーナーやな」

「ショートコーナーというのは次のようなものを指す」



「普通の直接ペナルティーエリアに入れる赤い線よりも手前に短く出すからショートと呼ばれるわけやな」

「そうやな」

「例えば、実際にはこんな感じかね」



「なんか線がごちゃごちゃしておるな」

「いきなりこれを見てもなんのことやらわからんな」

「見方がわからんとどうにもならんしな」

「基本的に、青い丸が攻撃、赤い丸が守備をあらわしている」

「中央に黒い五角形が見えるのはボールやな」

「とりあえず、図を見やすくするために守備を削るとこうなる」



「ほうほう」

「少しは見やすいやろ」

「点線がボールの動き、実線が選手の動きをあわらしているわけか」

「ちなみに、ボールの動きだけを取り出すとこうなる」



「ペナルティーエリアの手前に出された後、ファーポストの前にセンタリングが上がって、それをさらに折り返してゴールが決まっている」

「ちなみにあれやな」

「なんや」

「少し見にくいけど、一番下の点線が青くなっているのは下のような意味がある」



「ボールの青い点線と、選手の青い実線はシンクロしていて、ボールがその軌道を動く間に、選手がその道筋を動いたことを示している」

「この場合、ショートコーナーを受けた選手がボールを受けてから、センタリングを蹴る瞬間の選手配置が記入されているわけやな」

「ここから、センタリングが上がった後の動きは次のようになる」



「ボールが上のように動く間に、選手が矢印のように移動する」

「そして、センタリングに味方選手が触れた瞬間の配置が薄い水色の丸印であらわされている」

「濃い水色と薄い水色の丸は、それぞれ同じ時間の選手配置を示すわけやな」

「いわゆるスナップショットというやつやな」

「上の図の後の動きは下のようにあらわされる」



「上側の薄い水色の選手が下にパスを送り、下側の薄い水色の選手がゴール前に飛び込んで決める形か」

「ついでにいうと、ペナルティーエリアの上の”ヘディング”という文字は最後の選手がどのようにゴールを決めたかをあらわしている」

「そうか」

「そしてこれらを全部重ねると次のようになる」



「ショートに蹴られたボールに対して、中央の選手が一度ファーに下がってからファーポスト前に出て折り返し、それをニア側に走り込んだ選手がヘディングで決める、という話やな」

「そして、上の図の濃い水色の時の守備選手の配置が下の図になる」



「敵味方を重ねると」

「次のようになる」



「これを見ると、ショートコーナーが蹴られた後、ディフェンスのマークが甘くなっていることがよくわかるな」

「そうやな」

「図の見方は以上かね」

「実はあと1つ注意点がある」

「なんや」

「これからの話では、上側、つまり、攻撃側から見て左サイドから蹴られたコーナーは反転させて、右サイドから蹴られたものとして扱う」

「どういうことや」

「例えば下のようなキックがあるとするやろ」



「ほうほう」

「これを次のように反転させるんや」



「ピッチの縦の中心軸に対称にひっくりかえすわけか」

「こうしておけば、左から蹴られたものも右から蹴られたものも同じように扱えるので便利であるし、反転によって何かを見失う危険は小さいだろうという話だ」

「ほほう」

「ショートコーナーのデータは全部で6つあり、下のようになる」

「押すと拡大する仕掛けであるな」







「この中からパターンなり、なにか役立つ情報なりを見つけ出すわけだが」

「時間のある方は、6つを見比べた後に以下を読まれると面白いと思われますので」

「ぜひお試しを」

「時間のない方は即刻下を読まれても面白いと思われますので」

「こちらもぜひお試しを」

「というわけで」

「分析に入るか」

「よかろう」

「ここでは3つのパターンに分けてみようと思う」

「どの3つや」

「まずはこのパターン」



「ショートから横、ゴールエリアとPKスポットの間に入れて、直接シュートを狙う筋か」

「これには次の2つが該当する」



「このパターンは理屈に合ってはいるな」

「それはそうやな」

「上の図で最終的に狙われる、ゴールエリアとPKスポットの間というのは、コーナーキック全般においてよく狙われる場所で、一番得点につながりやすい場所でもある」

「つまり、この場合は、一度ショートに蹴って相手の虚を突き、その上で最も点になりやすい場所を狙っていることになる」

「最初のショートを奇襲とすると、次のセンタリングは正攻法で、いわば奇の正と呼べるような攻めになっている」

「それはなんとなくかっこええな」

「かっこいいか?」

「まあなんにしても、次のパターンはこうなる」



「該当するのは次の2つやな」



「これは、パターン1よりも大きく戻してファーポストの前、そこからニアポストの前に折り返してゴールを決めるパターンになる」

「これもまた理にかなってはいる」

「そうやな」

「まず、大きく戻すことでディフェンスの注意を前に向ける」

「前に向いたところで、そのとき死角になるファーサイドの奥を狙う」

「ディフェンスがそちらにつられたところで、その裏にボールを落とす」

「常に相手の裏へ裏へとボールを送り込むわけやな」

「そういう意味では、最初のショートコーナー、次のファーポスト前へのセンタリング、最後のニアサイドへの落とし、すべてが正攻法ではなく奇襲に近い」

「奇の奇の奇か」

「微妙に語呂が悪いな」

「まあ、いつも相手の裏を狙っているだけに決まれば点になりやすい」

「ただし、パスを多くつなぐ必要があるので、その分ズレも大きくなりやすく、ミスも増える」

「そこが難しいところやな」

「確かに」

「そして、3番目に次の2つが残る」



「これはなんじゃ」

「なんじゃとはなんじゃ」

「パターンが見えんのだが」

「パターンが見えないというパターンだ」

「お前は一休さんか」

「というより、狙った形とは違う形で点が入ったパターンやな」

「1つは相手が触ったこぼれ球を決めて、もう1つは味方の競ったヘディングがこぼれたところを決めているということか」

「そういうことや」

「となると、最初のと2番目のパターンだけ覚えておけばいいということか」

「06-07シーズンの後半から得られたデータだけを問題にすればそういうことになる」

「まず最初はこう」



「攻撃がこのように狙えば点に入りやすいというだけでなく、守備はAのゾーンに蹴られたら、Bのゾーンを警戒すべきだということがわかる」

「観る側にとってはそこが注目すべき場所になるわけやな」

「そして、2番目のパターンこう」



「攻撃がこのように狙えば点に入りやすいというだけでなく、守備はCのゾーンに蹴られたら、Dのゾーンを警戒すべきであり、Dに蹴られたらEを警戒すべきであることがわかる」

「観る側にとっては各ゾーンに素早く目をはしらせれば通っぽいわけやな」

「ボールの動きに対してそれと関連の深いゾーンを知るというのは先読みに非常に役立つというところで」

「今回はこの辺りで」

「また来週」

「その前にちょっと質問があるんやけどな」

「なんや」

「これらの情報を元に、独自のショートコーナーの設計などをやってみると解説という意味からしてよりよいと思わんか」

「ショートコーナーというのはオープンやクローズからの変化というか、バリエーションとして使われることが多いので、設計はその2つが終わってから試みるのがいいのではないかということやねんけどな」

「さよか」

「そういうわけで」

「また次回」

「オープン編にて」

「ご機嫌よう」



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