週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
[769] [768] [767] [766] [765] [764] [763] [762] [761] [760] [759]


Un Minuto de Silencio(ウン・ミヌート・デ・シレンシオ) (2004.04.21)


スペインリーグでキックオフ前、選手がピッチ上に立ったまま動かなくなるシーンをよく見かけます。
あれが、ウン・ミヌート・デ・シレンシオというもので、要するに黙祷です。

黙祷なら黙祷と最初っから言えばよろしい、のですが、日本で一般に言う黙祷とは微妙に異なります。

まず、必ずしも目を閉じる必要はありません。
その名を直訳すると、「一分間の静寂」なのでありますから、目を開けていても静かにしていれば問題ない。
一般的な作法は、起立する、帽子を取る、一分間静かに身を凝固させる、選手であれば腕を後ろに組むのが望ましい、以上になります。
スペインでは試合前しばしばこれが行われますので、現地観戦の際に注目されるとよろしいかと。

ちなみに審判の気分?で沈黙時間が変わるのがスペイン風で、ウン・ミヌート(1分間)といいながら30~40秒しか待たないこともしばしば。
また、リーガ一部では黙祷の途中で叫びだす人間が必ず出るのも特徴。
大体「イホ・デ・プータ(意訳:お前のかあちゃんデベソ)」と叫んでいるだけなので無視するのがよろしいかと。

どんな場合に捧げられるかと言えば、

・スタジアム外での暴力で死者が出た場合
・海外派遣された軍隊で死者が出た場合
・国宝的人物が亡くなった場合
・テロの後
・クラブ関係者の不幸

といったものが主です。
この国では、派兵中の死者、つまり戦死者は、国王参列の葬儀をもって荘重に見送られ、その模様は全国放送により生放送で、数時間にわたって放送される。
軍隊と国との関係が、日本とは根本的に異なります。

個人的に遭遇した例としては、プエルタ・ボニータというチームで、そのクラブの会長の娘さんが病気で亡くなられたため、一分間の沈黙を捧げる、というものがありました。
その時は、そのチームが所属するチームの試合全て、すなわち、8歳の所属するチームからトップチームまで、全ての試合で黙祷が捧げられました。

テロから一ヶ月以上が経ちましたが、現場となったアトーチャ駅にはいまだに献花、献灯が耐えません。
マドリー・ダービーの前の日にもアトレチコのエスクード(紋章)、レアル・マドリーのエスクードをかたどった花が奉じられていました。


「いい世の中とは皆がつつがなくサッカーを楽しめる世の中である」

と誰かがいったとか言わないとか。
今日もサッカーを噛み締めましょう。

(2021/07/05)

Rg

RgtH[
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
文字色
コメント
パスワード


Copyright (C) 2005-2006 SAMURAI-FACTORY ALL RIGHTS RESERVED.
カレンダー
11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
最新コメント
(05/21)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
studio c60
HP:
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター