週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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ポレミカの行く末 (2004/02/13)


「ポレミカ」とは「論議を呼ぶ問題」といったようなスペイン語ですが、サッカーでは「論議を呼び、かつ、機構が絡む諸問題」といった意味で使用されます。
以下にどのような問題がそれに当てはまるか、具体的な例を挙げて見てみましょう。

例:カンプ・ノウ使用問題

皆さん、覚えておられますでしょうか?2年前の11月、「裏切者」フィーゴの登場に大興奮のバルセロナ・ファンが、トイレットペーパー、子供銀行の札束、携帯電話、ウィスキーの空き瓶、果ては豚の頭までを盛大にピッチに投げ込み、その代償としてカンプ・ノウの二試合使用停止が発表されたことを。

さて、そのペナルティーはいつ果たされたのでしょうか。

誰も知りません。

クラブが規律上の違反を犯した場合、コミテ・デ・コンペティシオン(comite de competicion)という機関がそれを審査します。それに不服が申し立てられた場合、教育文化スポーツ省付随の、コンセッホ・スーペリオール・デ・デポルテ(CSD : consejo superior de deporte)という機関が再び審査します。もし、さらにそれが気に入らなければ普通の裁判所に持ち込んで争うこともできます。

小学校でならった一審、二審、、、といった多審理制を取った非常にまともなシステムに見えます。

しかし、そこでは摩訶不思議なことがおこり、摩訶不思議な事態がまかり通ります。

例えば、7試合の出場停止選手が3試合後にはフィールドを駆け回る。
例えば、免許を持たないピーテルマンが練習を指揮してもなんのお咎めもない。
例えば、大クラブに所属する選手に出たイエローがいつの間にやら消えうせる。

そして、例のカンプ・ノウ事件等々。様々なポレミカが有耶無耶のうちに解決されてしまいます。

システムとはうまくしたもので、一目素晴らしい構成でも人間が係わるとその欲望に従って機能するようになる。
この場合はコミテとCSDの間に秘密があり、まずコミテが審査する、その上訴をCSDが預かり取り敢えず処分保留とし、慎重になるべく時間がかかるように審査する。審査した挙句にコミテに差し戻しなんぞにしてみる。そしてそれをまただらだらと審査して上にあげて差し戻して、、、このようなことを延々と繰り返す。
そして一応結論を下すが、その実行にもなるべく手間がかかるようにダラダラと、、、、、、

人の噂も75日、ならば大体一年も粘れば、どんなに大きな事件も雲散霧消する。
この手で、いくつもの事件が、いつの間にやら、時の彼方に追いやられて来たわけです。

これをこれ政治と言うのでしょうか。
まずは問題を疲れさせ、その後になんとなくカタをつける。
政治は英語でポリティック、ポレミカと同語源、ならばポレミカがそのように処理されるのは理の当然であります。
そういえば、弱者が泣き寝入りを強いられる姿も、また、政治と酷似しております。
をとなの世界です。

最後に以下のような設問を、

問題:
バルセロナのライバル、レアル・マドリーはなぜカンプノウ使用停止問題に対して何も声をあげないのか

回答:
貸しと借りの連鎖の中でカードを一枚増やすため

まっこと、世の中は怖うおすな。

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