週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「さて」
「前回から続いて、モウリーニョがロブソンの戦術というか、サッカーの見方を受け継がなかったことについてやな」 「モウリーニョがどういう考えの持ち主か、というのは、最初に見た、彼の喜怒哀楽がどのようなプレーで引き起こされたかを見るとわかりやすい」 「喜んでる時」 「喜んでない時」 「それぞれが、どのようなプレーと対応しているかというと」 「喜んだ場合は、次のようになる」 「まず相手のバレンシアがショートコーナー」 「得点状況は、1-0でバルサがリード」 「カルピンのクロス」 「ディフェンスのクリア」 「フィーゴが持ち出して」 「前方へパス」 「そこに待ち受けるは」 「ロナウド」 「そのまま持ち込んで」 「ゴール」 「カウンターから見事に得点、差を二点に広げる」 「これを見たモウリーニョのリアクションがこれ」 「めっちゃよろこんではるな」 「次に下の反応を引き起こしたプレー」 「これは、2-1でバルセロナがリードしている状況で起こった」 「ボールを持った選手が敵陣でドリブル」 「ボールを失う」 「この時、バルサの選手が5人画面内にいる」 「ちなみに、画面の下、切れている部分にセルジもいることから、6人で攻めている勘定になる」 「エンゴンガのカウンター」 「ここまで中盤がすっ通し」 「そこからパスが前方へ」 「縦に抜けるクラウディオ・ロペスをブランが追う」 「この時点で、最終ラインは余裕の二対二」 「マイナスに折り返して」 「カルピンがシュート」 「カウンターから見事に失点、同点に追いつかれる」 「この後の表情がこれ」 「ばっかじゃねーの」 「というような顔に見える」 「こう見ると、モウリーニョはカウンターが決まるとご機嫌で、決められるとご機嫌斜めということかね」 「カウンターがどうこうというより、ロジカルなことが起こるとご機嫌で、イロジカルなことが起こると不機嫌なんではないかね」 「変な英語使わんでくれるか」 「まず、最初の例は、1-0で勝っている状況で、前がかりになる相手の裏を突いての得点で、非常に理にかなっている」 「まあ、サッカーの王道といえば王道やな」 「前にロナウドというカウンターにおいて最良の選手がいるのだから、なにも無理せず長くボールを出していれば点は入る、というモウリーニョの考え通りに話が進んだからあれほど喜ぶのだと思われる」 「しかしあれやな」 「なんや」 「周囲との温度差が凄いな」 「他の人は拍手だけやしな」 「モウリーニョだけ全力でジャンプして全力で喜んでいる」 「それはやっぱり、自分の頭の中にある絵が現実になった喜びがあるからやと思うで」 「ゴールが入ることより、俺様の筋書き通りになることを喜ぶタイプか」 「その逆がこれ」 「まず、無茶苦茶なのが、2-1でリードしている段階で6人で攻めて、後ろに莫大なスペースを残す点にある」 「おまけに、ここでボールを受けるのがクラウディオ・ロペス」 「追うのはブラン」 「スピードで勝てるわけがないのだから、これだけ前方にスペースがある状況では止めようがない」 「理屈には合わんわな」 「さらに、言えば、モウリーニョであればこの状況自体、起こりえない」 「どういうことや」 「ことの発端は、下の状況でドリブルをしたことにある」 「ふむ」 「バルサが前に人数をかけて攻めているということは、周囲にパスコースがあるはずだから、こんなクソ狭い場所を無理にドリブルで抜ける必要はない」 「つまりは、もしモウリーニョが監督であれば、上の形でボールを失うようなプレーをさせないから、そもそもこんな失点はありえないということか」 「だからこそ、この表情になるんとちゃうか」 「そうなんかね」 「実際、チェルシーのモウリーニョなんかを見ても、ロブソンの切って切られて方式は採用していない」 「まあ、実際問題として、この年のバルサは102点取って優勝でけへんかったしな」 「この時に勝ったのはレアル・マドリー」 「監督はあの人」 「ファビオ・カペッロ」 「がちがち派の代表やな」 「モウリーニョは、もともとの性格に加えて、実際に自分の理屈に合わないサッカーでは勝てないことを目の当たりにしたわけだから、それがその後に影響を与えたんちゃうか」 「しかし、それもどうなんやろな」 「なにがどうなんや」 「カペッロは2回マドリーの監督やって2回優勝したやろ」 「したな」 「そんで、2回ともファンから嫌われて1年で追い出された」 「そりゃ、ママドゥ・ディアラのパスミスサッカーを見せられたらマドリー派は切れるで」 「そんなん、リアルタイムで見るのもきついし、ましてやビデオで繰り返し見たいとは思わへんやろ」 「守備組織の勉強では見たいけどな」 「それに引き換え、ロブソンのバルサは、ふとした拍子に無性に見たくなることがあるんや」 「そりゃ趣味の問題やろ」 「果たして、今年のマドリーがどっちの試合を残すのか、というのが非常に気がかりなんやけどな」 「どうやろな」 「そんなこんなを注目しつつ」 「今シーズンもサッカーは楽しいというところで」 「また次回」 「ご機嫌よう」 おまけクイズ3問 問1:下の絵には今のサッカーではありえない部分があります。どこでしょう 問2:下の絵には今のサッカーではほぼありえない部分があります。どこでしょう 問3:下の人は誰でしょう?日本と関係があります。 答1:ネックレスをしている。 この頃は、むしろネックレスや指輪をつけてプレーすることが当然だった。 答2:堂々とタバコをすっている これも、当時は普通だった。ちなみにすっているのはルイス・アラゴネス。 答3:ホセ・ハポン・セビージャ ハポン(日本)性の由来は調べるとすぐわかります。
『モウリーニョのツボ』の記事を読んで
はじめまして。
やはりモウリーニョ監督は、チームが最も合理的に、効率的に勝利できる方法を第一と考えているようですね。 勝っている状況でリスクを負った無理攻めをして逆にピンチになるという、わざわざ勝利確率を下げてしまうような非合理的なやり方・・これはチームの成功のためには最適ではないと考えているんでしょう。ましてや前にロナウドを備えていてカウンターが強いチーム構成では。 逆にゴールを挙げたシーンでは、最もリスクの少ない方法で効率的に得点できた。これは、この1-0という得点状況ではチームにとって合理的で最善な得点方法だったんだと判断しているのかもしれません。 自分の筋書き通りのゴールが生まれたことに喜んでいるというより、チームが状況に応じたベストな攻撃方法ができていて、そしてゴールを奪うことに成功した、このことに対して彼は喜んでいる。つまり彼は「チーム全体の成功」を喜んでいる。 そんな捉え方もできるのではないかと思いました。
久しぶりの
かなり前から、拝読しております。
技術的な記事が続いていましたが(それも良かったです)、久々にこういうノリの記事、大変楽しく読ませて頂きました。 また機会がありましたら、宜しくお願いします。 また、2007年以前の記事も読み返したいのですが、もし宜しければ復活させて頂けませんでしょうか。 Re:久しぶりの
長くご覧頂きありがとうございます。
小ネタものも重要なのですが、今は技術について出来る限りのものを見たいと思います。 このため、またしばらく技術ものが続くと思います。 申し訳ありません。 また機会がありましたらこのようなことが書ければと思います。 過去記事については、移すのに時間がかかるため、まだ手付かずになっています。 いつと言うことはできませんが、なんとか移したいとは思っております。 今後ともよろしくお願いします。
一言
明確なイメージを持って、それを実現させるということができてこそ、彼はスーパーな監督なのでしょう。ぼんやりとした全体像なら凡人でも考えられます。
自分のイメージを形にすることに快感を覚えることが、プロフェッショナルな仕事へのエネルギーとなっているのだと思います。 口が悪いところもありますが、自信の現れなのでしょう。一仕事をするプロとしては、尊敬してしまいます。 |
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