週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「さて」
「バルセロナとバレンシアは2-2の引き分け」 「バルサが最後の最後で追いついた形だった」 「この試合と、前節のセビージャ戦は、バルサの現状と、今後を考えるについて、非常に示唆的なものではなかったかと思うわけだ」 「そうかね」 「そこで、以前の対策と、そこからの変化を見つつ、これからについて考えてみようと思うんやけどな」 「ええで」 「まず、去年の9月の終わりの段階で、下のように守るとよい、というのがわかっていた」 「マルケスの前に壁をつくり、バルサの左を空ける」 「これが実際に有効だったのが、12月半ばのクラシコだった」 「プジョルをフリーにすることで、非常に楽な形で守ることができた」 「左の、プジョルと、アビダルをフリーにしてもまったくパスが出てこないため、このような方法が有効だった」 「その後、時は流れ、様々に改善事項が見られるようになった」 「左サイドバックのアビダルが良くなり、左センターバックにピケが定着するようになった」 「これにより、左からの組み立てが良くなった」 「アビダルの進化についてはこちら」 「ピケの良さについてはこちらを参照いただければと」 「以前、”ガビ・ミリートが復帰した場合、バルサの左を空ける守り方は、破綻するのではないか”という質問を頂いた時、昔の戦例から、それでもマルケスを押さえ、ミリートを空けることになるだろう、と予測した」 「果たして、アビダルが良くなり、ピケが入った今、上のような守り方が有効か否か」 「それが気になる」 「その疑問にある程度の答えが出たのが、1節前のセビージャ戦やな」 「先発はこう」 「特徴としては、こう」 「コネがトゥレに、ルイス・ファビアーノがマルケスにつき、ピケを空ける」 「上の疑問に解決するためには、ぴったりの布陣だった」 「概念図はこう」 「いきなり相手のユニフォームが変わったな」 「今後のことを考えて、ということなので、ご容赦いただければと」 「こう守ると、下のような形が増える、ということがわかった」 「ピケ、アンリのラインが非常に良くつながる」 「セビージャの場合は、モスケラがアンリを止められず、攻め込まれた」 「この形で守るのが厳しければ、どうするか」 「通常であれば、ツートップでピケ、マルケスを抑えに行く」 「下の形やな」 「ただ、バルサが本気で攻める時は、ピケとマルケスの間を、異常なほど離す」 「こうなると、受ける側としては守りにくい」 「例えば、ピケにボールが渡った時、一人が詰めて、もう1人はトゥレへのパスを切る」 「その後、マルケスに横パスが出ると、トゥレに寄せていた選手がマルケスに詰める」 「ところが、通常より距離があると、詰め切れない」 「その間に、アウベスがサイドの中盤の裏へ走りこむ」 「守るサイドバックは、一瞬、中に入るメシと外のアウベスの2人を見る形になる」 「マークが甘くなったメシにパスが通り、中へのドリブルから縦に抜けるエトーにパス、そのままシュート、もしくは、外のアンリに展開」 「いつものバルサパターンにはまる」 「実は、今節のバレンシアは、ピケにも詰める守り方をした」 「図では、シルバが一つ下がっているが、ピケがボールを持つと、セビージャ戦よりも、遥かに近い位置で守る」 「これは上手くいっていた」 「しかし、ピケの相棒はプジョル」 「これでは、バルサに対して守るという意味では、今後の参考にはなりにくい」 「マルケスが居ると居ないとでは攻める場合にえらい差やしな」 「一方で、バルサに対して攻めるという意味では、参考になる試合だった」 「右のパブロ・エルナンデス、左のマタの飛び出し、そこへボールを送るシルバが非常に効いていた」 「バルサに対しては、長く攻める方がいい、というのは以前の対策にも出てきた」 「下のような形の攻めは、依然有効であると」 「そういうことになる」 「以上をまとめると、バルサを止める、という面では、ピケの存在、アビダルの進歩により、以前よりも止めにくくなっている」 「攻撃面では、依然とかわらず、一度プレスを抜けてしまえば、十分に攻めることができる」 「セビージャのように、プレスに負けて簡単にミスを犯したらあかんねんけどな」 「バレンシアの選手というのはやっぱり上手いんやな」 「あと、ピケを空ける型の守備も、まったく意味がないというわけではない」 「アンリにいい形でボールが入ったらまずいやろ」 「まずいけど、サイドバックがそこでの一対一に負けなければ俄然有利になる」 「それが可能なら、の話やな」 「その点では、バレンシアの交代は興味深かった」 62分 ケイタ→アンリ、66分 バラハ→ミチェル 「まずは、バルサが62分にアンリを入れる」 「75分に下のようになる」 75分 ミゲル→モレッティ、75分 シャビ→グジョンセン 「ミゲルをモレッティに代え、左のアレクシスを右にもってくる」 「これは、アンリを止めに行った交代と見ていい」 「まあそうかね」 「ここを止められたら、左を空ける型の守備に復活の目がある」 「しかし、実戦でそれに賭けることができるのかね」 「難しいかね」 「難しかろうな」 「とにかく、ポゼッションを高めてくる相手に対する守備というのは、センターバックをいかに抑えるか、というのが非常に重要になる」 「ビルドアップから、リビルドに入ることが多いからやな」 「そこは、チェルシー戦での第一の興味ではなかろうかと」 「下の形はあかんかね」 「これは、前期のバレンシアやバイエルン・ミュンヘンがやって、ぼっこぼこに負けた例がある」 「そやけどな」 「バルサは、攻められた時に瑕が修整されていないので、より反発力の強いツートップの方がええと思うけどな」 「そんなこんなもどうなるか」 「火曜日のお楽しみというところで」 「また次回」 「ご機嫌よう」 |
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