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スペインリーグ第6節 ビジャレアル 2-1 ベティス
「さて」 「少々遅ればせながら、第6節のビジャレアル対ベティスをお届けしようかと」 「少々じゃないやろ」 「この試合では、ビジャレアルの選手交代が非常に効果を発揮した」 「負けてるビジャレアルは、後半、監督のペレグリーノが面白い、というやつやな」 「その辺りを見て行こうかと」 「よかろう」 「先発はこう」 「前半を通して、全体的にビジャレアルの方が優位だった」 「しかし、終わってみると0-1」 「あら」 「まあ」 「こうなると、後半の動向が気になる」 「後半開始からは、メンバーの変更なくシステムの変更もなし」 「ラインの裏を狙うボールが増えたくらいかね」 「時間は経過するが得点は動かず」 「果たしてペレグリーノはどうするのか」 「ビジャレアルのベンチは下の通り」 「58分に2枚同時に交代されるのですが」 「選手の特徴を知っておられる方は、どうなるのかを予想して以下を読まれると面白いかと」 「そして、交代後の試合展開によって、さらなる変化をどう行うかについても考えられるとさらに面白いのではないかと」 「いうところで」 「すこし間隔を空けて交代後へ」 「ペレグリーノの選択はこう」 58分 「セナとロッシが外れて、ピレスとギジェ・フランコが入る」 「左にピレスが入り、中央にイバガサ」 「まず、イバガサが中で、ピレスが左というのはわかりやすい」 「長いボールを正確に蹴り、ラインの裏に落とすボールも正確なイバガサは中央で力を発揮する」 「おまけに、相手と正対してからの組み立ても上手い」 「ピレスは、ボールキープに優れ、周囲にスペースを作り出して後に味方を利用するのが上手い」 「特に、左から中央に入ったときによい」 「攻めるにおいて、上の組み合わせは非常によろしい」 「セナを外したのは休ませるためかね」 「この場合、問題の解答としては、セナかエグレンを外して、イバガサが中、ピレスが左というもので正解になる」 「皆様の答えはいかがだったでしょうか」 「で、前線の交代はどうかということになる」 「ロッシは、スピード、技術に優れ、中に入るピレスとクロスするように左に出て良い」 「となると、ロッシを残してもええはずやな」 「まあ、この試合、ロッシの調子は悪かった」 「それが理由だとすると、この問題自体卑怯な設問やな」 「そうやな」 「認めてどうする」 「一応、理屈っぽく説明するなら、消去法でやるしかない」 「ふむ」 「まず、怪我でもなければ、ビエラ、シガン、ブルーノの投入はない」 「ブルーノは守り向きだし、センターバックとキーパーはよほどのことがないと代えない」 「カニとカソルラでは、今現在、カソルラが明らかに優っている」 「これも、極端な疲労か怪我か休養目的でないと代えない」 「となると、マティアス・フェルナンデスとギジェ・フランコが残る」 「マティは、左から中央に入ってのスルーパスが一番良く、本人も左に行きたがるからピレスと被りやすい」 「となると、ギジェとジョレンテで組んで、イバガサがサイドに展開した後のクロスを叩き易くする方がいい、ということになる」 「しかしや」 「なんや」 「消去法でギジェが残るとしても、ジョレンテと代えるか、ロッシと代えるか、理屈だけでは決めきれないのと違うかね」 「そうやな」 「素直に認められても困る」 「問題の解答としては、ロッシ、ジョレンテを外してギジェを入れる、で正解になる」 「皆様の答えはいかがだったでしょうか」 「上の交代に続き、60分にベティスも動く」 「左のマルク・ゴンサレスを下げて、モンソンを投入」 「うむ」 「これは」 「ようわからん」 「フェルナンド・ベガは、攻めにおいて使えない」 「相手の右サイドバックであるアンヘルがフリーになっていたので、そこを押さえに行こうという意味だとは思う」 「ただし、攻撃には非常に支障が出る」 「一長一短で、マルク・ゴンサレスの調子が上がらないということが決定打なのではないかと」 「まったく縦に抜けられない」 「あれでは彼の良さが出ない」 「互いに手を打ち合った後」 「68分にセットプレーからゴンサロが決めて同点」 「余韻覚めやらぬ70分にジョレンテが決めて逆転」 「58分の2枚代えからわずか12分」 「ビジャレアルが逆転する」 「いや、おみごと」 「それでや」 「ここからが問題なわけやな」 「その時点での配置はこう」 「ビジャレアルは、完全に攻めの形で、守備には向かない」 「そこで、次の図から、ピレス、ギジェを除く選手でどうするか」 「当然こうなる」 76分 「ジョレンテが外れて、ブルーノが入る」 「ブルーノがボランチ、イバガサが前線へ」 「ブルーノを入れることで、守備を強化し、イバガサ、もしくはギジェが下がり、アウレリオをマークする」 「ちなみに、このブルーノという選手は、体を合わせた守備が得意で、グラウンダーで正確につなぐこともできる」 「長いパスは少し苦手やけどな」 「中盤を締めて、逃げ切りに入ったわけやな」 「実は、最初の二枚代えとこの交代はセットになっていないといけない」 「二枚代えて」 「ブルーノが入る」 「ふむ」 「攻める体勢を整えました。首尾よく逆転しました、次に守る手がありません、じゃ話にならんわけだ」 「そりゃそうやな」 「だから、最初に代える時に、そのまとめかたまで考えておく必要がある」 「しかしなあ」 「しかしなんだ」 「これ、できひんチームもあるねんな」 「例えば、レアル・マドリーとかか」 「中盤を締める手段がないねんな」 「行ったら行きっぱなしでいつもばたばたやしな」 「それに比べて、ビジャレアルはいい選手を揃えていると感心する」 「ピレスにイバガサ、マティにブルーノにエジミウソン」 「組み合わせ次第で、色々な戦い方ができる」 「ビジャレアルは、チーム設計も選手の獲得も実に上手い」 「エグレンなんか、よくこんないい選手がいたもんだと感心しきりやで」 「中村俊介を体の圧力で封じることもできるし、中距離のボールもきちんと蹴れる」 「一家に一台的な選手と言える」 「そういえば、ベティスとしては、70分に同点にされてから、76分にブルーノを投入されるまで6分の間があった」 「それがどうした」 「攻めの弱いベティスとしては、ブルーノが入って試合が落ち着くと非常に点を取りにくくなる」 「まあそうやな」 「そうなると、イバガサとピレスが中盤にいる間に叩いておきたいのだが、交代を行ったのは、ブルーノが入った1分後だった」 「もっと早うせい、ということか」 「それを見越して準備しておき、点を取られた直後に代えてもいい」 「理想論としてはそうかもしれん」 「この試合、ビジャレアルの動きを振り返ると、最初がこう」 「次にこう」 「最後にこう」 「これらの狙いは、イバガサが中に入って、攻撃の組み立てがうんぬんかんとか、ピレスが左でなんちゃらかんちゃらとか、ブルーノが守備でほんちゃらもんちゃらとか、そういう説明がなされる」 「上でしゃべった通りやな」 「サッカー雑誌などの記事でも、よくそのような表現に出会う」 「そうやな」 「しかし、そこで当然の疑問がわかんかね」 「なんの疑問や」 「イバガサが入って、組み立てが良くなったというなら、何がどう変わったのか、例えば、前半はこうでしたが、後半はこうでした、という具体例が気になる」 「具体例か」 「こういう場面でこうでしたが、イバガサだとこのように違います、というようなことが言えれば一番わかりやすいし、参考にもなる」 「そりゃそうやな」 「で、実際にやってみたわけだが、これがなかなか難しい」 「そりゃそうやろ」 「それで、とりあえず、この文章を出して追々そのような点について解説しようという話になったわけだ」 「ちゃんとやるのか」 「やるで」 「はたして、どのようなものになるのか」 「お楽しみというところで」 「また次回」 「ご機嫌よう」 交代による変化の具体例 |
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