週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「ついにスペインが優勝した」
「じつに44年ぶりらしい」 「トーレスのゴールを守りきっての勝利」 「実は、プレビューにもある通り、スペインがドイツに勝つこと自体は意外なことではない」 「遅れてきたプレビューというやつやな」 「日曜の昼からネット障害でアップすることができずに申し訳ない」 「いいわけはあかんな」 「ほんまのことやから仕方がない」 「さよか」 「それはそれとして、ドイツに勝つことは意外でないとして、スペインがこの大会に優勝したのは実に意外だった」 「始まる前は、とても勝てるとは思えなかったしな」 「決勝が終わった直後から、”なぜスペインは勝ったのか?その鍵となったのはなにか?”という疑問が頭から離れなかった」 「ぜひとも答えておかなかればいけない問題やな」 「それについては追々議論していこうかと」 「ええで」 「とりあえず試合やな」 「先発はこう」 「双方ほぼ予想通りではある」 「ドイツでは、クローゼとバラックが横並びであること、スペインではファブレガスの位置が前にずれていることが特徴といえば特徴やな」 「これまでのドイツを見ていると、攻め筋は二つしかない」 「ラームが上がってのクロスと、ポドルスキーを使ったカウンター」 「要するに、左サイドからしか攻めることができない」 「まず、第一の興味は、スペインがこれをいかに食い止めるか、というものだったわけだが」 「別に、なにもしなかった」 「例えば、ドイツの左サイドにボールが流れるのを防ごうと思えば、トーレスがメッツェルダーを押さえるとよい」 「しかし、距離を空けていたため、自由にパスを出された」 「ドイツのパスの出所になるラームに対しても甘かった」 「シルバが詰めればいいのだが、これまた距離を空けすぎていた」 「ラームにファブレガスが行くかシルバが行くか、中途半端な場面も目立った」 「スペインの守備のゆるさが出て、立ち上がりはドイツが攻める展開になった」 「意外というかなんというか」 「なんで、アラゴネスはドイツの左を自由にさせたんやろな」 「攻め合って勝てる自信があった、と見るのが妥当やろな」 「それで、どうなったのかというと」 「33分にトーレスがゴールを決めた」 「下の形やな」 「右から縦に走り込んで、出てくるレーマンの上を抜いた」 「ここで、以前、コメントで教えていただいたトーレスの言葉が思い浮かぶ」 「プレミアのキーパーは倒れるのが早いから楽だ、というやつやな」 「レーマンもドイツ人ながらプレミアに長い」 「さて、その辺はどうかというと」 「やはり早い」 「トーレスのかかとがつく前に倒れる体勢に入っている」 「ここで一つ不思議なことがある」 「なんや」 「トーレスは、この形で、倒れるキーパーの上を抜くのが得意やろ」 「そうやな」 「昔、カシージャスの上を抜こうとしたら、実は相手が倒れていなくて胸にナイスパスをしてしまい、もの凄いブーイングを喰らったこともあった」 「あったな、そんなことも」 「そういう情報はレーマンも当然持っているはずなのに、お約束のように抜かれているのが不思議じゃないかね」 「レーマンは、左に飛び出すと寝る癖があるのと、トーレスのスピードが予想以上だったということちゃうか」 「そうなんかね」 「なんにしても、前半は0-1で終わる」 「そして後半」 「ラームがヤンセンに代わる」 「なんと」 「まあ」 「これはいかん」 「ドイツとしては、唯一の選手がいなくなってしまった」 「ボールを運ぶことのできるのは左で、そこでゲームメーカーのような役を果たすのがラーム」 「その彼がいなくなってしまったら、どこからも攻めることができなくなってしまう」 「この交代の理由は、怪我か監督との喧嘩意外に考えられない」 「スウェーデン戦でのイブラヒモビッチと同じやな」 「攻めに精彩を欠くドイツ」 「58分、ヒツルスペルガーを下げてクラニイを入れる」 「バラックが下がったわけやな」 「ここでも不思議なことがある」 「なんや」 「ドイツのフォワードへのロングボールが極端に少なかった」 「ゴメスの時もそうだが、背の高い選手を使うわりに、放り込まない」 「これは、このユーロを通してそうで、データにも残っている」 「プレビューにもデータの一部がある」 「それにしても、スペインは放り込まれるのが一番困るのだから、ドイツの側としては、体格をいかしてがんがん放り込んだらええと思わんか。それでゴール前の混戦が増えれば、体の付け合いで負けへんやろ」 「そういうチームを作っていない、ということかね」 「彼我の特徴を考えた時に、ラームがいない状態でもたもたつなぐより、放り込んだ方が遥かに効率的やと思うけどな」 「ドイツも、最後はメルテザッカーを上げて放り込んだけどな」 「もっと早くやってもええという話や」 「なんにしても、スペインが逃げ切って優勝」 「じつにめでたい」 「めでたいのはめでたいのだが、その理由はなにか、優勝できた原因はなにか、というのが実に気にかかる」 「続きは」 「こちら」
ラームとそのほか
>>ラーム交代
http://www.yuasakenji-soccer.com/yuasa/html/topics_4.folder/08_euro_6.29.html wowowの放送でも触れられていましたが、怪我だそうです。ドイツ通の上に掲げましたライターの記事がそれを伝えています。 >>そのほか 大会中お忙しい中、更新していただきありがとうございました。毎日、読ませていただくことを楽しみに、携帯やPCを開く一月でとても勉強になりました。 私は蹴球計画様の記事を読みながらイメージしていたため、実害を被りませんでしたが、前回のEUROといい、W杯といい、今大会といい、日本のサッカー報道の質が低いため、正確な情報が得られず、ぼーっとしているとだまされそうな毎日でした。 戦術・戦略レベルで見た場合、スペイン有利は動かないと信じていたのですが、どうしても日本のマスメディアにゲルマン魂がどうのとすり込まれていたため、不安に駆られていました。ロングボールで攻めた形跡もないのに、ロングボールがと言ってみたり、酷いものでした。 サッカー誌も残念ながら信用ならず、優勝予想でも外しまくりでした。(当てたのは、モウリーニョ、リネカーのみ)そこで、質問なのですが、どうして日本のマスメディアはチームとしてではなく、単なる選手の名前の足し算で判断してしまうのでしょうか?何か心当たりがあればご教示いただけると幸いです。 さて、最後になりましたが私からの今大会最後の質問です。 大会前、大会期間中を通じ、とある有名な自称サッカージャーナリストがスペインを評して、 「ウイングがいない、ウイングを捨て他チームで勝てるとは思えない、テクニックは認めるが疑念を捨てられない」 と言っていたのですが、これまでの蹴球計画様の記事を拝見し、かつビデオを見直してみますと、ウイングの存在と勝ち負けは関係ないと思うのですが、仮に今大会スペインがウイングを連れて行ったとしたらどうなったとお考えでしょうか。率直なお考えをお聞かせいただけると幸いです。 |
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