週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「さて」
「ロシアの守備についてやな」 「そのために、まずはスペインの守備から見てみたい」 「比較用やな」 「ロシアの中盤がセンターサークルの横でボールを持っている」 「赤がロシア、黄色がスペイン」 「この場合、トーレスも下がって、ビジャと2人でフロントラインを組み、その後ろに中盤の4人が見える」 「オレンジの丸のついたビジャは、サイドへ相手を追い込んでいく」 「この時、中盤は綺麗に4人ならんでいる」 「見本のような中盤のラインやな」 「選手を横に並べると、相手のパスコースが最も限定されやすく、ボールの横移動に強いため、このような構造が用いられる」 「ふむ」 「このラインを頭に入れた後、ロシアの守備を見てみる」 「下やな」 「この時点であれ?と思う」 「一番左にフォワードが残っていて、その後ろに3人のラインらしきものが見える」 「そこから右にパスが出る」 「ここでもあれ?っと思う」 「なにやら3人のラインがもう一つ出てきた」 「そこからもう少し進む」 「おお」 「これはいったいいかなるディフェンスなのか」 「伝説の1-3-3-3-1システムやな」 「それやったらもう少し前でプレシャーをかけるし、こんなに3人のラインが互い違いにずれたりはしない」 「なんか不思議というか現代絵画的のような配置やな」 「次に、さらに恐ろしいディフェンスを見る」 「ほう」 「まず、スペインのキーパーからセンターバックにパスが出る」 「センターバックからセンターバックへ」 「もう一度戻す」 「縦へドリブル」 「引いてくる選手にパス」 「ワントラップからサイドへ」 「これまたワントラップからサイドへ」 「縦へドリブル」 「縦パス」 「それを戻す」 「ここからは、敵陣に入ったということで、ボールを持っている選手と一番近いディフェンスとの距離をあらわすオレンジの点線に注目していだきたいかと」 「サイドから中へ」 「中央へ横パス」 「サイドへ縦パス」 「ダイレクトで戻す」 「相手陣で完全にフリーになる」 「これは、守備としては恐ろしいことで、ぜひ堪能していただきたい」 「まず、スペインは何も特別なことはしていない」 「難しい技術を使ったわけでもないし、途中でスピードを上げるパスも使っていない」 「簡単なパスを空いてるところにつないだら、いつのまにか絶好の状態になっている」 「これは攻撃としては理想的やな」 「守備としたら、なにをやっているのかという話やけどな」 「スペインの攻撃はゴールキーパーから始まっていて、しかもゆっくり攻めている」 「これで守備組織が整わなかったら嘘である」 「嘘であるのに、中盤でなんの抵抗もなくボールは進み、見事にピンチを招いている」 「ボールを持つ選手に対して、距離が詰まる場面すらない」 「どこで守備をしたいのかがさっぱりわからない」 「それを言うなら、下の例もなかなかのもんやで」 「セナがくるりとターンして縦パス」 「ロシアは相手陣でプレッシャーをかけているわけやな」 「ところが、間を抜かれて即ピンチ」 「5分でわかるに出てきた無駄プレスというやつか」 「下の流れも中々興味深い」 「中央から左前方にパス」 「それを中へ」 「フリーの上、右サイドに大きなスペースがある」 「これまた、ロシアの中盤が無抵抗でやられていることに注目したい」 「わからんな」 「とにかくわからんな」 「ユーロ後、ヒディングへのインタビュー企画というのは必ずあると思うが、ぜひその時は上の図を見せて、いったい選手への指示はいかなるものであったかを聞いていただきたいところではある」 「やはり疲労かね」 「それが一番楽な説明の仕方ではあるけど、ここまで守備に構造がないというのはそれだけでは理解できんじゃろ」 「ロシア人のむらっ気というやつかね」 「なんじゃ、それは」 「業界では、わりと有名で、ロシア人は、どんなに強い相手にも勝つことができるが、どんなに弱い相手にも負けることができる、という説がある」 「どこの業界や」 「知らんけどな」 「さよか」 「とにかく、次は、セスク、そして、トーレスとグィサの違いやな」 「やっとスペインか」 「この試合は、ロシアのことがわからないと理解できないから、仕方ないんや」 「続きは」 「こちらから」 |
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