週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「ロシアがオランダを破った」
「すごい試合だった」 「とにかくロシアの作戦面が凄くて、オランダは見事それに絡め取られた」 「ヒディングの罠に落ちたオランダ、という感じやったな」 「その辺を詳しく見ていこうかと」 「よかろう」 「なんでいつも偉そうなんや」 「癖かな」 「先発はこう」 「オランダは予想通りで、ロシアは変な形をしている」 「そこに重大な意味があるんやな」 「オランダは、イタリア戦で見たように、下のような構造をしている」 「エンヘラール、デヨングが中盤を支え、スナイデルとファン・デル・ファールトが長く展開する」 「ここで、サイドに注目する」 「攻撃面だけを見ると、左サイドが強く、右サイドの方が弱いことがわかる」 「ここに着目し、下のような配置を引く」 「その意味は、左に壁をつくり、オランダのボールを右に流させることにある」 「具体的には、左にボールがきたらサエンコが素早くジオに詰め、セマクがその裏をカバー」 「アニュコフは、スナイデルをマンツーでマークする」 「そうすると、下の四角の部分が空く」 「そこをわざと空けるわけやな」 「ジオがボールを持った場合の配置は、次のようになる」 「オランダにとって、この状態から左サイドを崩すのは難しい」 「よって、バックパスか横パスが入った後、右に流れる」 「右に流れた後、どのように対応するかというと、次のようになる」 「空いたスペースにはブラルーズが入ってくる」 「これに対し、17番のズリアノフは中へのパスを切り、18番のジルコフが上がって対処する」 「もし、ジルコフがカイトのマークなどで出ることができない場合は、ズリアノフがサイドに出る」 「次の写真に、その様子が見られる」 「黄色で23と書いてあるのがブラルーズやな」 「その前に18番のジルコフがいる」 「ロシアの中盤は、サイドに流れず、中央を固めているのがわかる」 「次の写真は、右センターバックのオーイエルがボールを持った場面で、周囲にロシアの選手はいない」 「そこから縦にロングボールが出た後の図が下」 「この場合、18番のジルコフが中に入った関係で、17番のズリアノフがサイドに出てブラルーズを追っている」 「オランダが、図のように、ジルコフとズリアノフでブラルーズに対処していたことの一端がうかがえる」 「しかし、上の2人がサイドのブラルーズをマークできない状況もある」 「そらあるわな」 「その時の守備はどうするかというと」 「アルシャフィンがマークする」 「アルシャフィンがサイドに出て、ブラルーズにボールが渡りそうなら共に下がり、味方が回収しそうなら前に出てカウンターの種になる」 「アルシャフィンが引いた場合は下の写真のようになる」 「しかし、盛大に右サイドがあいている」 「守備の側は、ボールと逆サイドの方に人がいるという不思議な図やな」 「ここにも、オランダの狙いの一端があらわれている」 「このような守備方法は、ブラルーズが攻撃的に素晴らしい選手であった場合、採用するのは難しい」 「例えば、ブラルーズがフリーの状態でどこにでもボールを落とせる選手であれば、それだけで守備は危機に陥る」 「ゼ・マリアのような選手やな」 「わかりにくい例えやな」 「ドリブルが得意であっても、非常に困る」 「ボジングワやシシーニョのような選手であれば、サイドを突破されて守備どころではなくなる」 「例えば、下の場面で23番が上手いドリブラーだとすると、ディフェンス的には終わった状態に近い」 「周囲にスペースがあり過ぎやからな」 「前半、オランダが苦しんだのは、下の守備に見事にはまってしまったことが原因だった」 「いわゆるトラッップディフェンスやな」 「そして、ボールを奪われた後は、右のスペースに送られることで苦しんだ」 「例えば、アルシャフィンが持ち込むと、中央より左にいるパブリュチェンコがちょうどファーからニアに動く形になり、ディフェンスの裏を取りやすい」 「その辺りも上手くできている」 「前半は、ロシアの手にのせられてしまったオランダ」 「後半、黙っているわけにはいかない」 「そこで、どのような手段を取ったのでしょうか」 「というのが軽い戦術問題なわけですが」 「続きはこちらから」 |
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