週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「さて」
「最近なにかと事件の多いリーガではあるが」 「まずは、アトレチコ対ビジャレアルから」 「注目の試合やな」 「先発はこう」 「うむ」 「うむ」 「うむとしか言いようがない」 「ビジャレアルの布陣は、自殺行為やな」 「そうなんやな」 「前回も見たように、1-4-3-xで組むと、相手のサイドを呼び込みやすい」 「下の形やな」 「この時は、ネネーにぼっこぼこにやられた」 「アトレチコは、ネネーの場所にシモンがいる」 「おまけに、後ろからフォローするアントニオ・ロペスは、ダビー・ガルシアより恐い」 「さらには、右のマキシとハイティンハもエスパニョールよりはるかに恐い」 「つまり、下の形で絶対にぼっこぼこにやられるはずである」 「システムの相性として、非常にまずいということは、誰にでも想像がつく」 「おまけに、サイドの強さにおいて、リーガでトップを争うアトレチコが相手となれば、なおさらである」 「それで実際はどうだったかというと」 「下のような結果になった」 http://www.as.com/futbol/partido/Atletico-Villarreal-0289_00_27_0002_0042 「たまに登場する、asの流れ図やな」 「基本的に、点が沢山、それも、上部に沢山あるチームが攻めていたと思っていい」 「前半を見ると、ビジャレアルの点が3個に対して、アトレチコは19個」 「ぼっこぼこもええとこやな」 「シュート数は、ビジャレアルが2でアトレチコが12」 「まさにぼっこぼこと言っていい」 「ところが、得点はビジャレアルが1点リードして終わる」 「摩訶不思議というかなんというか」 「しかし、ペレグリーノは何を考えているんやろうな」 「どう考えてやられるし、実際にも滅多打ちだった」 「サイドを甘くして、おまけに、そこにカニを置いたら持たんで」 「なんか最近、新しいバランスを模索しているように見える」 「しかし、ここ二試合を見て、上の形に未来がないのは明らかだと思うが」 「今までのように、ブルーノを入れた後の形だと、この先チャンピオンズも含めて苦しいという判断ではないのかね」 「まあ、苦しいのは苦しいけど、前半の調子でやられたら、普通、絶対に打ち負けるやろ」 「この試合も、ディエゴ・ロペスが不可能を可能にするセーブを見せてなかったら、えらいことになってたはずやしな」 「カシージャスを思わせる、見事なプレーぶりだった」 「カペッロが気に入っていたというのもうなずける」 「彼は、イケルよりディエゴ・ロペスを評価していた、という噂もあるくらいやしな」 「その、イケル・カシージャスだが」 「なんや」 「近頃挙動がおかしい」 「確かに、アスレチック戦でも変なセーブで失点していた」 「飛び方自体、変やな」 「まあ、これは、その前にジェステと喧嘩をして、そのことで上の空だったからミスをしたのだろうと言われている」 「それもあれやけどな」 「まあ、あれやな」 「血相を変えて、30mダッシュでジェステに文句をつけに行く、という時点で、精神的にバランスを崩していると言えるねんけどな」 「カシージャスは、我慢に我慢を重ねて、それが限界の限界を越えると、精神的にばったりと倒れることがある」 「そうなると、マドリーの失点が途端に増える」 「はたして今後どうなるか」 「注目というところで」 「今回はこの辺で」 「ご機嫌よう」 「個人技編は、フンテラールのインステップからインサイドに変えるシュートや、ここ最近の試合から、キックに関するものを集めてありますので」 「よろしければ、こちらからどうぞ」
「さて」
「デルビ・マドリレーニョは引き分け」 「珍しくアトレチコの勝ち試合だっただけに残念だった」 「確かにアトレチコ有利というのは、近年珍しい」 「先発はこう」 「この試合では、フォルランとフンテラールが得点を決めた」 「2つとも良いゴールであった」 「おまけに、決める技術として、共通したキック面の変更が使われており、教科書的に非常に重要である」 「うむ」 「そういうわけで、今回は個人技が主ですので、こちらからご覧下さい」 「全体編はもう終わりか」 「そうなる」 「さびしいもんやな」 「戦術的に言えば、この試合より、ビジャレアル対エスパニョール戦の方が考えさせられるものだったと思うんやけどな」 「下か」 「後半、1点負けているエスパニョールが、デ・ラ・ペーニャを下げた場面やな」 「この変更は、前回で見た通り、点が欲しい場合の常套手段になる」 「理論通りと」 「ちなみに、この試合では、トップでタムードが先発していた」 「これも、ペーニャとの相性を考えると当然で、前回の話の通りではある」 「青いエスパニョールは理屈通りなのではあるが」 「黄色いビジャレアルの方がおかしい」 「おかしいというか、極めて不思議な形やな」 「トップ下のイバガサを、デ・ラ・ペーニャにマンツーにつけるのはいいとして、システムが1-4-3-1-2なのは、ちょっと異常やな」 「これまた前回の話にあるように、これだとサイドを呼び込む可能性が高い」 「エスパニョールは、正にそのサイドが強い」 「特にネネーの左が強く、後半のビジャレアルはここからぼっこぼこにやられていた」 「戦術の基本の基本は、相手の強い点に自分の弱い点を当てないことなのに、ビジャレアルはそれをやってしまっている」 「なんでなんやろな」 「ペレグリーニは、普段その辺りは非常に慎重な監督で、今回に限ってなぜこう組んだのか、実に聞いてみたい」 「サイドを守ろうと思っても向いた選手がいないし、それならカウンターの反発力を残す形で組んだ方がいい、ということなんかね」 「そうなんかね」 「どうやろな」 「そんな疑問を残しつつ」 「個人技編はこちらから」 「また次回」 「ご機嫌よう」
「さて」
「マドリーはエスパニョールに勝ち」 「バルサはアトレチコに劇的に破れ」 「その差は4ポイント」 「リーガも盛り上がって実に素晴らしい」 「そうなんかね」 「そりゃ、いつまでも大差がついてるよりは、望ましい状態であるのと違うかね」 「かもわからん」 「そこで、本日は、エスパニョールに注目しながら、システムと天才の関係などを見て行こうかと」 「脈絡がわからんがよかろう」 「先発はこう」 「マドリーは1-4-1-4-1か」 「そうやな」 「エスパニョールは、1-4-2-3-1」 「それを取り出すとこうなる」 「よろしい配置やな」 「左右にネネーとルイス・アルシアがいて、ボランチのモイセス・ウルタドも優秀だし、ハルケは組み立て抜群、パレッハは守備の厳しさに加えてボールを持ってもばたつかない」 「それに加えてトップ下にはデ・ラ・ペーニャ」 「弱いはずがない構成ではある」 「それなのに下から2番目19位」 「ティンティン・マルケスの時代に無理をしたつけかね」 「それはわからんが、今のチームでも、どうしても組み合わせが良くない部分がある」 「下の部分か」 「デ・ラ・ペーニャは、前を向いたら一瞬でラインの裏を取るパスを出すことができる」 「受ける人がいれば、それで点が入る」 「ところが、イバン・アロンソは裏に抜けるのが得意ではない」 「これでは、トップ下にペーニャを置く意味が半減する」 「半減どころではないと思うけどな」 「イバン・アロンソはディフェンスを背負ってのプレーがいい」 「しかし、それでは噛み合わせが悪く、両者にとってよろしくない」 「やはり、下のように組みたい」 「前にタムードか」 「ラインの裏に出るセンスにおいて得がたい選手やしな」 「デ・ラ・ペーニャとの相性も抜群」 「ロナウドを最初の恋人とするなら、第二の恋人」 「普段も非常に仲がいい」 「とまあそんな話は置いておいてや」 「実際に、この試合では、62分に交代が行われ、この形になった」 「その相性のよさというのは、65分22秒に、ペーニャのパスからタムードが裏に抜けるシーンにも見られますので、よろしければご覧下さい」 「オフサイドやったけどな」 「あのプレーが生じることに意味があるねん」 「この交代は、デ・ラ・ペーニャの攻撃才能を利用するために行われたと言えるわけだが」 「その才能をさらに発揮させる方法がある」 「禁じ手やな」 「ペーニャ・ボランチ説」 「前に送るパスコースの多さという点で、前とは比較にならない」 「この試合では、リードを奪われた73分に、ラモンに代えてコロを入れ、実際に下の形になった」 「やはり、この位置からの展開力は見事だった」 「良くなった理由は、ラスから離れたことも大きい」 「デ・ラ・ペーニャは、ラスを前に置いた際、距離を保つのに非常に苦労していた」 「彼が一対一で苦しむというのはほとんどない」 「逆に言えば、ラスの能力の高さが垣間見られる事実ではある」 「買ってよかったラサナ・ディアラ」 「なんの標語かね」 「この試合の後半に見られた2つの形は、デ・ラ・ペーニャの才能をいかす、という意味において、良い解になっていると考えられる」 「より輝くのは下の形やな」 「しかし、これをやると、守りはがたがたになる」 「デ・ラ・ペーニャは120%ほどの確率で守備向きではないからな」 「守備向きではないというか、守備をしない方がいいというか」 「守備者に一番大切なのは忍耐という要素で、それをまったく持たない彼をディフェンスラインの前に置くとなにが起こるかわからない」 「バルベルデやロティーナが下の形を試しても、どうにも上手くいかなかったことを見ると、普段は上で戦い、どうしても点が欲しい場合のオプションで下を使う、というのが安定解だと思われる」 「他に、攻撃に抜群の才能を持つが、守備に大穴がある選手を有効に活用する方法としては、下の形が有名やな」 「リケルメやロナウジーニョをいかした形か」 「エスパニョールでも、ルイス・フェルナンデスがこれを用いてデ・ラ・ペーニャを使い、非常にいい結果を出したことがある」 「なんかあれやな」 「なにがなんや」 「この図を見ると、今のチームでこそ、これをやると上手く行きそうな気がするな」 「それぞれのポジションに求められる能力を備えた選手が揃っている」 「これはぜひ一度試してもらいたいところやな」 「それは無理かもしらんが、リケルメやペーニャのような天才をいかす場合は、上の3つのシステムを憶えておけば便利なので」 「ぜひテスト対策に使っていただければと」 「ちなみに、普通のシステム論からすると、下のようにも組みたくなるが、あまり上手くいかない」 「これをやる時は、相手のサイドからの攻撃が弱ければ弱いほどよい」 「スペースの多いサイドを崩されなければ、中央の厚みが効いて来る」 「理論的には、そのはずやな」 「しかし、大体の場合、サイドを押し込まれて下の形になる」 「後ろが下がるスピードに前の三人がついていけず、中盤がぱっかりと空く」 「こうなると、結局カウンター中心の戦いをすることになる」 「シュスターのマドリーは、わざとこれを狙って勝っていた」 「それを狙う時は、最初に相手に攻めさせるわけだから、守備によほどの自信がないとできない」 「マドリーはその点、非常に強かった」 「最近は、ラスを買ったおかげで益々強くなった」 「この6人は凄いな」 「守備において、それぞれの分野で世界一かそれに近い選手しかいない」 「昔、バルサのロナウジーニョ、メシ、エトー、アンリを指して、クアトロ・ファンタスティコスと呼んでいたが、これこそセイス・マグニフィコスやな」 「ファンタスティック・フォーに荒野の6人か」 「7人じゃないのが残念ではある」 「残念といえば、ペペにハルケのような組み立て能力があればと思うことはままある」 「それをやると、ただの反則キャラになってしまうで」 「そうやけど、完璧に果てしなく近い選手、というのを一度見てみたいやんか」 「それやったら、ハルケではなく、マルケスをくっつけたらええやろ」 「それやと、ちょっとやり過ぎかなと思ってな」 「不思議な遠慮やな」 「相手との駆け引き、同じモーションからボールの軌道を変える技の多彩さという点で、やはり、マルケスに一日の長がある」 「ハルケとゼ・カストロにはぜひ頑張っていただきたいと思う今日この頃やな」 「そういえばや」 「なんや」 「マルケスで言えば、ちょっと面白い写真を見つけたんやけどな」 http://www.marca.com/2009/02/05/futbol/copa_rey/1233872806.html 「マルカのコパの記事か」 「これ、上半身と下半身が見事に捻れてるやろ」 「そうやな」 「このことは、デ・ラ・ペーニャの話に通じると思うんや」 「この写真か」 「これはパスで相手を騙す時のインパクトで、上半身と下半身があっちむいてほいをしている」 「上下を分離させることができれば相手を騙しやすい」 「マルケスもパスによる組み立てが上手いことを考えると、2つ上の写真は、その能力の秘密の一端を語っておるのではないかと思うわけや」 「組み立ての上手下手において、相手を騙すのは本質的に重要やしな」 「そういう話や」 「マルケスついででいえば、バルサは上手くいっていない」 「アトレチコにも負けて、4試合ほど勝ちがない」 「そのアトレチコ戦で一番気になるのは、サイドを下げた点にある」 「スリートップというより、1-4-1-4-1か」 「バルサはこれをやると絶対に駄目で、苦しくても前のように前からプレスをかけた方がいい」 「それで上手くいかんから下げたんやろ」 「それはそうやけどや」 「この前のリヨンなんか、完全にバルサの右狙いで、中央で3本ほど短いパスをつないだら、ほとんど見ないでそちらのサイドに長く出していた」 「そこに、必ず流れたベンゼマか上がったグロッソがいる」 「やっぱり穴を埋めたくなるのは仕方がない」 「でも今さら下げても自信なさげな姿をさらすだけやから、今までやってきたことを貫いた方がいいとは思わんかね」 「理想論やな」 「そんなこんながどうなるか」 「コパ、リーガ、チャンピオンズと続く勝負の期間」 「今後を注目しながら」 「また次回」 「ごきげんよう」 おまけ:怒るデ・ラ・ペーニャ 下の配置で、デ・ラ・ペーニャがフリーである時、サイドから1人交わして中に切れ込んだネネーがクロスを上げた。 これにデ・ラ・ペーニャは激怒した。
「さて」
「今節は、珍しいことがあった」 「マドリーとバルサの試合でのことやな」 「この2つで、非常に似通ったゴールが決まった」 「決めたのは、イグアインとエトー」 「今回は、それを見ていくとともに、それの持つ意味を考えてみようと思うわけや」 「意味とは大きく出たな」 「ちょっと勢いで言ってみただけやけどな」 「とりあえず見ていこうか」 「ええで」 「映像の出所は、バルサがこちらで、マドリーがこちら」 「下の写真では、右がエトー、左がイグアインに対応している」 「まず、ゴールラインへ出たボールをディフェンスと追いかける」 「シュートフェイクから切り返す」 「相手はおいてけぼり」 「キーパー方向に向き直りながら」 「ニア方向に体を向けて踏み込む」 「インパクト」 「キーパーはニアに倒れる」 「シュートはファーに収まる」 「極めて良く似ている」 「こういうのも珍しいかもしらんな」 「そうかもしれん」 「これを見ると、得点というものは、同じパターンで決まることがあるということがわかる」 「その辺の状況と技術の関係を整理して、体系化できれば、いわゆる決定力不足の解消の役に立つのではないかと」 「まあそういうことやな」 「このあいだの、インステップとインサイドの話と組み合わせれば、さらに点を取ることのできる範囲が広がると」 「まあそういうことやな」 「しかしあれやな」 「なんや」 「右側のキーパー、ラシンのトニョの倒れ方は気になるな」 「なにが」 「ニアに倒れすぎやし、倒れ方が変やと思わへんか」 「そうかね」 「拡大するとこうなるねんけどな」 「ふむ」 「どう見ても変やろ」 「これは、ニアに動こうとして逆を取られて、しょうがないから左足を閉じてせめてマタ抜きだけでも防ごうとしたのではないかね」 「ほんまかいな」 「たぶんな」 「どうもこの辺りで、トニョは昔からあぶなっかしい印象が拭えない」 「まあ、崖の上のトニョと言うくらいやしな」 「なんの話や」 「なんかあぶなっかしい気がするやろ」 「またわけのわからんことを」 「そんなこんなで」 「上のエトーとイグアイン、切り返しとシュートの打ち方がどのくらい似ているのか」 「それが次のページからありますので」 「興味のある方はご覧下さい」 「では」 「また次回」 「ご機嫌よう」 おまけ:マドリー対ラシン、先発
「さて」
「バルサ対ラシンやな」 「ラシン対バルサやけどな」 「先発はこう」 「ちなみに、第2節で戦った時はこう」 「わりと違うな」 「ラシンは、ディフェンスラインの並びがまったく違う」 「しかしあれやな」 「なんや」 「右サイドバックのピニージョスが、遂にレギュラーの座を奪われてもうたな」 「確かに」 「リーガで、1,2位を争う気合キャラの彼がいなくなるのはちと寂しい」 「名物といえば名物やったしな」 「これも時の流れかね」 「いきなりしんみりとした話やな」 「それはさて置き」 「なぜこの試合かというと」 「彼がいるからやな」 「シギッチ」 「マドリーではシジッチ」 「その存在が、理由のほぼすべてやな」 「第4節で見たように、強い強いと言われるバルサにもいくつかの瑕がある」 「そこで見た、プジョルを空ける、というのは、クラシコでマドリーが試みて上手くいった」 「マルケスの横、アウベスの裏を長く狙う筋は、多くのチームが試みて成功している」 「では、最後に残ったロングボールでさっさと中盤を飛ばして攻める、というものの有効性はどうか」 「それが疑問だった」 「前線に長いボールを入れるには、それを受ける人がいなければならない」 「でかくて、競り合いに強くて、ボールを止める選手が必要になる」 「その意味は、2m2cmのシギッチは最強で、彼がバレンシアから移って以来、ラシン対バルサは注目のカードだった」 「それが遂に実現したと」 「そういう話やな」 「ラシンは、どう攻めるかというと」 「下のようになる」 「シギッチに長いボールを集め、それをそらしてペレイラが走りこむ」 「もしくは、フォローする中盤に渡す」 「できたら逆サイドまで持って行きたい」 「ペレイラとシギッチが位置を変えても、同じことが言える」 「実際に、このような攻めは多く見られた」 「そして、有効だった」 「前に人数をかけるバルサに対して、当たり前といえば当たり前だやけど、理屈がきちんと機能したという点でよろしいのではないかと」 「バルサ側にすれば、上の形を防ぐ方法は一つしかない」 「前からプレスで蹴らせない、少なくとも、正確には蹴らせない、という方法論やな」 「ラシンの選手も、前に蹴るのは蹴るのだが、プレッシャーに苦労していた」 「バルサの出足の良さというものは、ますます磨きがかかってきている」 「ただ、あることがあれば、それも無効化することができる」 「ベタベタな方法やけどな」 「それは何かというと」 「下のようになる」 「キーパーとシギッチをつないでしまうことやな」 「これは、どんなにプレスの強いチームでも止めようがない」 「そこを防ごうとすると、別の場所が空いてくる」 「ただ、その60mほどのボールを正確に蹴ることのできるキーパーは少ない」 「まあ、シギッチの場合、あんまり正確に蹴る必要もないんやけどな」 「なんでや」 「彼ぐらいのサイズになると、低く鋭い弾道で合わせる必要はない」 「もっと上から落とすのか」 「垂直に降ってくるようなボールをスペースに出せば、まず間違いなく競り勝てる」 「競り合いに関しては、確かに圧倒的やな」 「恐ろしいな」 「セビージャ戦ではスキラッチを吹き飛ばし、この試合ではトゥレ・ヤヤをものともしない」 「トゥレなんか、普通の選手が当たったら岩みたいなもんやで」 「ラシンのセンターバックのセサル・ナバスは、十分過ぎるほど大きな選手なのに、シギッチが隣に来ると、なんとなく普通に見える」 「ちなみに、194cm対202cm」 「天上界の戦いやな」 「ゴジラ対ガメラか」 「古いな」 「そうか」 「むしろメカゴジラの方がええと思うけどな」 「まあ、なんにせよ、キーパーのキックというのは、ロングボールで攻めるにしろ、つないで攻めるにしろ、非常に大切やということやな」 「その点に昔からうるさいのはオランダやな」 「後ろから長短の組み立てを駆使しないといけないから、キーパー、センターバック、サイドバックに対して、自然うるさくなる」 「クーマン、ファン・デル・サール、フランク・デブールといった選手が出る下地はその辺りにある」 「代表で、コクをサイドバックで使っていたのも、その点が一つの理由としてある」 「ここが駄目だと、まともにサッカーができないのは、昨シーズンのバルサにおいて顕著だった」 「マルケスがいないと、どうにもボールが詰まり、アビダル、ザンブロッタの両翼が流れを滅多切りにする」 「そのアビダルやけどな」 「なんや」 「とにかく、組み立てが下手やったやろ」 「組み立ての話でも、下手な例として活躍してたくらいやな」 「例えば、下の状況で右に攻めていて、ボールを持って相手との距離があるにも関わらず、後ろを向くことしか考えず、味方を苦難に陥れていた」 「正対できない、前を向けない選手の典型的な症状やな」 「ところが、最近、下のように変わってきた」 「ほう」 「きちんと相手を向き、左右のパスを見せることで出足を止め、ギリギリまで後ろを向いて体勢を悪くすることを避けるようになった」 「ほんまかね」 「ほんまなんや」 「シーズン当初から、改善しようという意図は見えたけど、ついに達成されたんか」 「実戦で使えるレベルに達したらしい」 「8月から意識を変えて努力したとして、約半年やな」 「アビダルは29歳やから、その歳でも半年ほどの鍛錬で改善することができるみたいやな」 「貴重なサンプルかね」 「そう思うで」 「やっぱり、正しい意識と練習と努力は大切なんやな」 「この試合のまとめとしては、シギッチのような選手がいれば、バルサに対して飛ばし攻めが確かに有効だとわかったことが一つ」 「その点は、フェルナンド・ジョレンテやネグレドでも試してみたいところやな」 「アビダルの組み立てが、昨年やシーズン当初に比べて、明らかによくなったことが一つ」 「これは、バルサにとって非常な朗報といえる」 「そして、29歳でも半年頑張れば技術的にまだまだ伸びることが証明されたことが一つ」 「若ければもっと早く伸びるはずやな」 「方向性が正しければやけどな」 「その意味で、正しい技術体系というのは非常に大切である、ということにもなる」 「以上3点」 「この試合のまとめということろで」 「また次回」 「ご機嫌よう」 「本日の個人技編は、ロベン特集ですので」 「よろしければ、そちらもご覧下さい」 |
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