週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
「デル・ボスケが監督に就任した緒戦」
「ヨーロッパチャンピオンになった後の戦いが注目されるスペイン代表」 「結果的に0-3で勝利を収めた」 「まずはめでたしめでたしと」 「内容的にも興味深かったこともありよろしかったのではないかと」 「先発はこうやな」 「スペインだけを取り出すと次のようになる」 「先発はユーロとほぼ同じ」 「ユーロでは、最初のロシア戦から準決勝まで、先発は基本的にこれやな」 「怪我のマルチェナの代わりにアルビオルが入っている点だけが違う」 「システムも選手配置も、完全に前任者を引き継いでいる」 「この辺はデル・ボスケらしい」 「基本的に、現状を無理に代えず、徐々に自分の望む状態にするのが得意技やからな」 「レアル・マドリーで、トシャックの後を継いだ時も、システムや配置はほとんどそのままで、干されてくさっていた選手を上手く使うことでチーム全体のモチベーションを上げる方法を取っていた」 「まあ、しかし、本人の頭の中ではアラゴネスと違うアイディアがあるはずやな」 「当然やな」 「それを最初から出さない辺りが政治的というかなんというか」 「見方を変えれば、アラゴネスに敬意を表した先発ということもできる」 「前半のスペインはよろしくない展開だった」 「デンマークにディフェンスラインから長いパスを通されたのがその原因やな」 「このメンバーのスペイン代表は、長いボールを使うユーロのスウェーデン戦のような展開を最も苦手としている」 「おまけに、すでに公式戦が始まってるデンマークの選手に対し、スペインの方は大部分がまだシーズン前」 「走り負けるのは当然といえば当然やな」 「長く蹴られてキープされた後、サイドを突かれて全体がさげらるような流れが続くと、スペインは非常につらい」 「つらい前半をなんとか0-0でしのぎ」 「期待の後半」 「どんなデル・ボスケの特徴が出るかと思っていると」 「こうなった」 46分 「ディエゴ・カペルが左、とシャビ・アロンソがセナの横に入り、シャビがトップ下、イニエスタが右の1-4-2-3-1か」 「ベンチに下がったのはビジャとシルバ」 「49分に先制すると、62分に次のようになる」 62分 「グィサとカソルラが入り、トーレスとイニエスタが下がる」 「これは、非常に典型的な1-4-2-3-1の選手配置やな」 「確かに」 「このシステムにおける、いわゆる教科書的な役割分担は下のようになる」 「まず、ボランチでは、片方が中盤をカバーし、もう一方がボールをさばきながら前に出る」 「カバーするのがセナで、さばくのがアロンソ」 「サイドの選手は、サイドを縦にえぐり、守備においては、相手サイドバックにプレッシャーをかけつつ、中盤をフォローし味方サイドバックを助ける」 「縦に長い距離を速く走る必要があり、ドリブルも上手い方が良い」 「それがカペルとカソルラ」 「トップ下は、ラインの間でボールを受けてパスを散らしつつ、フォワードをフォローしてラストパス、シュートを狙う」 「それがシャビ」 「トップは、ラインの裏を狙うことでスペースを生み出し、左右に動き縦に入るボールを受けてつなぐ」 「当然、ゴールも狙う」 「それがグィサ」 「各ポジションに、選手の特徴がきちんとはまっている」 「特に、このシステムを攻撃面で機能させるには、下のパスが必要になる」 「ボランチから左右のサイドの選手へのパス、ディフェンスラインからのクロスのパス」 「このシステムや、サイドを重視した3トップ系のシステムにおいて、このパスが出ないと、選手を前に置く理由が非常に薄くなる」 「むしろその裏をつかれてアップアップになることが多い」 「逆に、これが通り、相手をサイドから押し込むと、守備も非常に楽になる」 「サイドの高い位置に選手を置くことと、そこにクロスに長いパスを合わせる選手の存在はセットである必要があるので、覚えておかれるとよろしいかと」 「以上が教科書的な説明であるが」 「スペイン代表は、右サイドの具合が少し異なる」 「下の形やな」 「右前のカソルラは中に入ることが多く、その外にセルヒオ・ラモスが出て最後からの攻撃を担当する」 「その辺は、ユーロプレビューで見たアラゴネスのアイディアと同じやな」 「セルヒオ・ラモスの上がる能力をいかそうということやな」 「そして、セナは中盤をカバーする役割でありながら、パスを出す能力にも優れる」 「その証拠といってはなんだが、前半のデンマークは、トマソンが非常に気を使ってセナをマークしていた」 「準決勝のロシア、決勝のドイツともに、セナのパスが発端となって失点をしたことを考えると当然といえば当然かね」 「アシストの一つ前のパスや、崩すきっかけになるパスをセナが出すからフリーにすると危ない」 「通常、カバーを担当する選手というのは、ボールを持つと何をやっていいのかよくわからないことが多い」 「その中で、両方の能力を高いレベルで持ち合わせたセナの存在は非常に大きい」 「それにしても、上のシステムと配置が、デル・ボスケの基本になると見ていいのかね」 「おそらくそうやと思うが、今後に注目したいところではあるな」 「73分にシャビがミドルを決めて75分に再び交代」 75分 「イラオラ、レイナが入り、セルヒオ・ラモス、カシージャスが下がる」 「実は、この時、ピッチ上にレアル・マドリーの選手が1人もいない」 「それはどうでもええやろ」 「いや、かなり珍しいと思うで」 「そんなことより、イラオラおめでとうやで」 「やっと代表のピッチに立てたな」 「4年前から代表になってもおかしくない働きだったんやけどな」 「右を上げるという方針なら彼は実にええな」 「長いパスやクロスでもいい球筋だったので今後にも期待が持てる」 「セルヒオ・ラモスから先発を奪うのは難しいとは思うけどな」 「そういえば、この試合でも、ラモスは、左サイドを崩された後のクロスに対して鬼のような働きをした」 「ユーロのイタリア戦でもそうだった」 「あれを見るとちょっと他の選手を使う気がおきない」 「無駄にファールをしない、大ポカをしない、キックが上手い、という点ではイラオラが勝ってるんやけどな」 「まずは控えに食い込んでチャンスを待ちたいところではある」 「そういえば、レイナの父親も代表ゴールキーパーだったが常に控えだったらしい」 「有名な話ではあるな」 「控えといえば、今、代表に呼ばれていない選手で、今後、呼ばれる可能性のある選手はどんな感じやろな」 「つらつらと考えるに、下のようになる」 「ふむ」 「うむ」 「キーパーはディエゴ・ロペスか」 「ビジャレアルでのプレーを見ると代表も近かろう」 「ハルケはなんでだ」 「ディフェンスラインからの組み立てをより良くするためにハルケに期待したいんやな」 「左のコイキリはええな」 「小さいのが難点だが、実にいい守備をする」 「クロスも今ひとつやけどな」 「ブルーノは、潰せてさばける選手として代表まで成長しないものかと」 「プレシーズンでは、ビジャレアルで左サイドバックとしてプレーしていた」 「右はスサエタ、へスース・ナバス、フアン・ロドリゲス」 「スサエタ、ナバスは、サイドでも中でプレーできるからチームに合う」 「へスース・ナバスについて、デル・ボスケは、”彼は右でもいいけど、トップ下でこそもっといきる選手だ”と言っていたから、呼ばれると面白い」 「その発言については、ナバスのどこを見てそう思ったのか、非常に聞いてみたいところではあるな」 「フアン・ロドリゲスは中盤から前ならどこでもプレーでき、おまけにチームを支えるために走り続けるから、デル・ボスケ好みかもしれん」 「昔のソラーリやジェレミ、マクマナマンみたいな役割やな」 「左は、クエバス、リエーラ、セラーノか」 「うむ」 「リエーラとセラーノは気分の波が激しすぎて使うのは難しくないかね」 「そこでクエバスに期待したいところではある」 「アトレチコの左サイドで、右利きで左サイドを縦に抜けるタイプやな」 「その意味では、シモンとの類似点が多い」 「ほんで、トップにネグレドと」 「ワントップとして非常に優秀やな」 「こうして見ると、代表の外の選手にも楽しみが多い」 「スペイン代表は楽しみが一杯と」 「監督の今後の働きも楽しみやしな」 「そういえば、この試合で、後半、1-4-2-3-1に変えたのは、守備的にも上手かった」 「相手のディフェンスラインによくプレッシャーがかかるようになり、相手の狙いである長いパスを出しにくくさせた」 「これは、単純に前方に選手が増えたこともあるが、サイドにカソルラ、カペルという詰めの早い選手が入ったことも大きい」 「こういう相手の狙いに合わせた対応というのは、デル・ボスケは非常に上手い」 「そんなこんなに注目しつつ」 「今回はこの辺で」 「また次回」 「ごきげんよう」 ---おまけ スペインの一点目 サイドからの展開も上手いが、中央でトーレスにパスを出した後のイニエスタの動きと、それによりフリーになったトーレスが一度前を向いた後、ボールを中に返した点は非常に見事だった。 シュートを決めたシャビ・アロンソは、トーレスの前に出たあとの切り返しを予測して動いたと推察される。 トーレスがラインの裏に抜けた後、赤い点線のようにディフェンスが飛び込んだ。 しかし、これは良くない。この状態で、バウンドしているボールに対して飛び込むとソンブレロ(頭を越す浮き球)で逆を取られる。 アングルのほとんどない場所から、ボレーシュートを打たれる危険性と、ソンブレロでフリーになられる危険性を比較すると、かぶせるように詰めてシュートを打たせた方がよい。 頭でわかっていても飛び込みたくなる場面ではある。
ユーロ2008にむけて、スペイン代表23人が発表された。
ポジション別に図示すると次のようになる。 特徴は、サイドが薄く、ボランチ系の選手が多いことである。 また、中盤に守備を得意とする選手が少ない。 監督のアラゴネスは、予選においてイニエスタをサイドで起用することが多かった。 彼を左に置くとして、下のような配置が考えられる。 しかし、シルバの右サイドがやや無理である。 セルヒオ・ガルシアが右のバックアップであるとすると、下のようになる。 ここからの動きは以下のようになる。 1-4-4-2で、左の中盤が中に入り、その外をサイドバックがフォローするパターンである。 このようなシステムでは、左からの崩しが鍵になる。 左の中盤にジダン、リケルメなどを配して成功した例がある。 イニエスタ、セスクのパフォーマンスが注目される。 左サイドバックのカプデビラは、クロスに優れる。しかし、1対1でのドリブル勝負は苦手としている。ダビー・ナバーロはなおさらである。 その点、攻撃に不安が残る。 得点を取るための変化は下のようになる。 アラゴネスは、点が欲しくなるとサイドからの突破を重視する傾向がある。 このため、1-4-3-3や1-4-2-4が勝負手となる。 左にシウバかビジャ、右でカソルラ、セルヒオ・ガルシアが予想される。 守備の変化は下のようになる。 中盤の守備は、センターバックのマルチェナとアルビオルを上げて補う。 後半の放り込み対策などで有効である。 また、1-4-1-4-1なども考えられる。 アラゴネスの好みと召集メンバーからして、キックオフからの3バック系は考えにくい。 後半、最後の勝負をかける1-3-4-3か、10人になっても攻める1-3-4-2などの状況でしか使用されないだろう。 システムについては、フランス戦のように、中盤にシウバ、セスク、シャビ、イニエスタと並べる可能性もある。 アルベルダをマルチェナなどに代えてこれが試される可能性もあるが、上手くいかないであろう。 これまで、フェルナンド・トレースは代表において満足な活躍ができなかった。 主な問題点は、体のバランスが悪さから、簡単なシュートで体勢が崩れて外していたこと、及び、相手に引かれた狭いゾーンでボールを受けることができなかったことであった。(参考:スペイン対ウクライナ、トーレスのバランスについて) 体のバランスについては改善が見られ、プレミアにおいて、以前なら外していたキーパーとの一対一を決めている。 この点については、どのようなトレーニングで修整されたのか、非常に興味が持たれる。 狭いゾーンでのプレーについては、体のバランスが改善されたにも関わらず、それほど良くなっていない。 スペースを潰してくる相手に対するプレーが注目される。
スペイン代表監督のルイス・アラゴネスは、サッカー協会のホームページで
「たとえ次のアルゼンチンとの親善試合で敗れても、代表監督を辞めることはない」と宣言した。 戦う前に負けを口にする監督というのも珍しい。
ブラジル代表監督のまとも過ぎるコメント
「(スペインが負けたところで)まるで驚かない。スペインはこれまで何を勝ち取ったというんだ?ワールドカップはどうだった?もし、最近の4つのワールドカップにおけるスウェーデンとスペインの成績を比べたら、おれが何を言いたいのかわかるだろう」 |
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