週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
前回まで、理論的にも実際的にも着地の基本は弧であることを見た。
ここでは、着地における弧の種類についてまとめる。 次のものは、着地する足をイン側に大きく動かすものである。 次のものは、イン側により小さく動かすものである。 次のものは、イン側に着地し、アウト側へ弧ができるものである。 次のものは、足を体のほぼ真下に着くものである。 次のものは、アウト側へ小さく踏み出すものである。 (画像反転) 次のものは、より大きくアウト側へ踏み出すものである。 次のものは、足を大きく外側に出して着地するものである。 以上により、イン側につくものから、アウト側へつくもまで、着地における弧が揃う。 横に並べると次のようである。 上のものは、前方に移動しながら着地する場合の、1つの着地姿勢のカタログになっている。 次回は、これらの弧がどのように形成されるかを見る。
前回、弧を含む構造が動的に最も安定であることを見た。
このため、理論的には、弧が着地における基本姿勢となる。 基本とは、実際のプレーにおいて最もよく見られるということでもある。 この点を見るため、以下のプレーにおいて着地に注目する。 シュート以前の部分について、着地を抜き出す。 弧が確認されるものについては、弧を図示する。 15回の着地があり、11回については弧が確認される。 弧がはっきりと確認されないものは、次の4つである。 これらの姿勢について、別角度から見る。 別角度において、弧が確認されるものについて図示する。 弧が確認されないものは、次の2つである。 着地15回中、弧が13回、弧でないものが2回である。 このことは、少なくとも上の流れにおいて、着地で弧が基本であることを意味する。 また、弧でない2回は、ともに真っ直ぐに近い構造を持つ。 着地で真っ直ぐに近い構造が出るのは事実だが、基本ではない。 また、上の流れにおいて、傾いた姿勢、折れた姿勢は一度も出ない。 このことは、少なくとも上の流れにおいて、これらの姿勢が不要であることを意味する。 次も、ひと続きのプレーを見る。 シュート以前について、着地を抜き出す。 弧が確認されるものについては、弧を図示する。 16回の着地があり、14回については弧が確認される。 弧がはっきりと確認されないものは、次の2つである。 最初のものは、真っ直ぐに近い構造を持つ。 次のものは、後ろに引っ張られて体がねじれた状態にある。 また、上の流れにおいて、傾いた姿勢、折れた姿勢は一度も出ない。 このことは、少なくとも上の流れにおいて、これらの姿勢が不要であることを意味する。 ここでも、着地においては、弧が基本であることが確認される。 前回まで、着地弧が原理的に安定であることを見た。 また、今回、実際のプレーでも弧が着地の基本になることを見た。 以上のことは、原理的にも実際的にも着地の基本は弧であることを意味する。 次に、着地の姿勢についてまとめる。
前回まで、弧と他の構造を比べ、その特徴を見た。
ここでは、それをまとめる。 以下で扱うのは、次のような構造である。 それぞれは、例えば次のような姿勢と対応している。 弧 傾き 折れ 真っ直ぐ 弧を含む構造と傾いた構造を比べる。 2つを比べた場合、弧の方が倒れにくい。 これは、地面から同じ角度で伸びた場合、弧を持つほうが重心が内側に来るためである。 また、弧は力が加わるとたわむことで全体を支えることができる。 しかし、傾いたものは、支えることができない。 倒れにくいという点で、弧を含む構造のほうが傾いた構造よりも優れており、安定している。 次に、折れた構造と弧を含む構造を比べる。 2つは、全体を支える構造を持つ点で傾いた構造よりも安定である。 違いは、負荷が集中するか、分散するかにある。 外部からの力が加わった場合、折れた構造は折れ目に負荷が集中する。 弧を含む構造はそのような集中が起こらない。 体にかかる負荷は、一点に集中せず、分散されることが望ましい。 1つは、負荷が集中すると限界が早く来るためである。 外から加わる力が大きくなればなるほど、折れ目に集中する負荷は強くなる。 負荷が一定の値を超えると構造を保つことができなくなり、潰れる。 負荷が分散されていれば、そのような限界がより遅く来る。 つまり、より大きな外力に耐えることができる。 もう1つは、強い負荷は動作の制御を難しくするためである。 強い負荷に対抗するためには、強い力を用いる必要がある。 強い力は、強い勢いを生み、制御を困難にする。 例えば、真っ直ぐな状態で止めたいとしても、過剰な勢いがついていればそれは難しい。 止めようとしても勢いで動き続ける。 折れた構造は弧を含む構造に比べて安定して操作することが難しい。 弧を含む構造は折れた構造に比べて、より強い力に耐えることができる。 また、操作に過剰な力を必要としないため、制御が容易である。 より強い力に耐えることは、例えば接触における安定性を保証する。 制御が容易であることは、動作の安定性を保証する。 このため、弧を含む構造は、折れた構造よりも安定である。 最後に、真っ直ぐな構造と弧を含む構造を比較する。 真っ直ぐな構造は、横からの力に弱い。 支える構造を持たないため、力の方向に倒れやすい。 弧を含む構造は、力の方向を変えて加えることができる。 具体的には、次のようである。 これは、内側へ力を加えている。 逆方向へ力を加えることもできる。 これは、外側へ力を加えている。 両側に力を加える事ができるため、どちらから力を加えられても、それに対抗することができる。 このため、弧を含む構造は、真っ直ぐな状態よりも横からの力に対して安定である。 また、弧を含む構造には、復元作用がある。 変形した弧は、弾性的な効果により元に戻ろうとする。 具体的には、次のようである。 たわんだ弧が伸びていることがわかる。 このような復元作用は、他の構造では起こりにくい。 真っ直ぐな構造では、たわむ部分がなく、弾性的な効果が期待できない。 傾いた構造も同様である。 折れた構造は、全体としてたわむことができないため弾性的な効果が薄い。 よって、他の構造は、弧に比べて復元作用はないか小さい。 復元作用があれば、自然に姿勢を戻しながら動くことができる。 これは、動作が乱れることを防ぎ、安定性を高める。 また、弧が戻ることに同期して、全体が浮き上がる。 これは、動作間の滑らかな接続を助ける。 この復元作用により、弧を含む構造は、他の構造より動的に安定である。 弧の持つ特徴を列挙すれば、次のようである。 倒れにくい 支えやすい 耐えやすい 制御しやすい 戻りやすい 浮きやすい これは、以下の力学的特徴に由来する。 重心がより内側に存在する 負荷を分散させやすい 力の出す方向に任意性がある 弧は弾性作用を持つ 理論的に、サッカーにおける着地の基本は弧になる。 次回は、この点について見る。
前回は、弧が姿勢の復元作用を持つことを見た。
ここでは、接触プレーについて見る。 途中、相手との接触が存在する。 接触の後、次の姿勢を取る。 プレーの継続が可能な姿勢といえる。 別のプレーを見る。 相手との接触が存在する。 接触の終わりにおいて、次の姿勢を取る。 この状態では、まだプレーの継続が可能である。 この後、右足を挟まれて転倒する。 上の2つのプレーは、相手との接触の後、プレーの継続が可能な状態を保つことで共通している。 2つのプレーにおいて、着地における姿勢を抜き出す。 それぞれ、常に体内部に弧を含んでいる。 着地において弧を含む姿勢を取り続けることで、接触後もプレー可能な状態を保っている。 これは、弧を含む姿勢が安定であることの一つのあらわれである。 もし姿勢が不安定であれば、相手との接触においてバランスを崩しやすく、プレーの継続が難しい。 もし姿勢が安定であれば、上のようにプレーを継続することができる。 これまでに見た弧の持つ安定な特徴は、倒れにくい、支えやすい、力を分散させやすい、制御しやすい、姿勢を戻しやすい、というものであった。 これらの複合により、弧は動的に安定であり、接触においても不安定化しにくい。 また、ここでは、別の特徴も見られる。 次の動きに注目する。 ボールに触れた後、着地までの動きは次のようである。 右足を体の内側に入れ、弧を作っている。 その後の動きは、次のようである。 右側の相手を押していることが分かる。 つまり、この場合、着地から右方向へ力を加え、全体を右に動かしている。 足を内側に入れる場合の、別の例を見る。 ここでは、足を内側、すなわち右側へ入れ、左方向に進路を変えている。 つまり、ここでは、左、体の外側へ力を加えている。 最初に見た例では逆であった。 これは、体の内側へ力を加えている。 比較すれば、次のようである。 このことは、内側に向かった弧は、異なる方向へ力を出すことが可能であることを示している。 接地で弧を持つ状態は、力を加える方向においてある程度の任意性を持つ。 別の例は、次のようである。 着地から前方に踏み切っている。 着地においては、左足を体の外側についている。 そこから、前方向に力を加え踏み切っている。 一般的に、足を体の外側についた場合、その逆へ力を加えることが多い。 例えば次のようである。 左側に足を出し、右に力を加えている。 別の例は次のようである。 体の外側、左に足をつき、逆、右方向に力を加えている。 前のものと比較すれば、次のようである。 このことは、外側へ弧を持つ状態は、異なる方向へ力を出すことが可能であることを示している。 つまり、接地で弧を持つ状態は力を加える方向においてある程度の任意性を持つ。 これは、外から力を加えられた際に安定を保つために重要である。 例えば、この例のようにユニフォームを引っ張られるとする。 これに対抗するためには、逆方向へ力を加える必要がある。 もし仮に、同じ状態から横に押されたとする。 この場合、その逆へ力を加える必要がある。 同じ体勢から異なる方向へ力を加えることができることは、状況への適応力を高め、安定性を高める。 これが、弧を含む構造が接触に強い1つの理由だと考えられる。 次に、弧の持つ特徴をまとめる。
前回まで、弧が着地に適した姿勢であることを見た。
ここでは、別の特徴を見る。 前に、弧は上下から力を受けるとたわむことを見た。 この後の変化について見る。 弧がたわむことは次に見られる。 接地段階での姿勢は次のようである。 地面から力を受けた後の姿勢は、次のようである。 弧を図示すれば次のようである。 比較すると次のようである。 弧の湾曲が大きくなり、たわんでいることがわかる。 たわんだ後の動きは次のようである。 弧を図示すれば次のようである。 比較すると次のようである。 変化は次のようである。 湾曲が小さくなっており、たわんだ後、弧がより真っ直ぐに近い状態へ戻ることがわかる。 弧がもっとも大きくたわむのは、次の姿勢においてである。 これに到るまでの変化は次のようである。 大きくたわんだ後の変化は次のようである。 2つを並べると、次のようである。 この2つの変化は同じコマ数で起きており、同じ時間間隔で起きている。 左右を比べると、右の変化の方が大きい。 つまり、右の変化はより素早く起きている。 弧は、着地においてたわんだ後、素早く真っ直ぐに近い状態に戻ろうとすることがわかる。 この変化が起こる際の、高さの変化を見る。 線を入れると、次のようである。 全体として浮き上がっていることがわかる。 浮き上がる動作と共に、弧が真っ直ぐに戻る。 また、この変化は素早く起こる。 つまり、たわんだ後の変化は、素早く浮き上がりつつより真っ直ぐに近い状態に戻るものであることがわかる。 動作の特徴から見て、この変化は、弧の持つ弾性的な作用を利用していると考えられる。 筋肉や靭帯は、弾性的な特徴を持つ。 弾性的な物体は、伸びたら縮み曲がれば戻り、変形が大きいほどその傾向が強くなる。 このため、体内部に発生する弧は、曲げれば曲げるほど強い力で元に戻ろうとする。 地面に接している場合、体は、地面を押す力と逆方向に押し返される。 その力も、曲がりが大きいほど大きくなる。 弧の湾曲が一番強い時、最も強い力が上向きにかかる。 上向きの力が強ければ強いほど、簡単に素早く浮き上がることが可能になる。 この動作が、弧の弾性作用を用いていると考えられる他の理由は次のようである。 最もたわんでから浮くまでの変化において、肩の動きに注目する。 ほとんど傾きに変化がないことがわかる。 浮くにつれて、弧はより真っ直ぐに近い状態に戻る。 例えば、筋肉を操作して弧を伸ばそうとする場合、下のように力を加えることになる。 このような操作を加えれば、下のような形で、肩が左へ傾くのが自然である。 しかし、そのような傾きは現れない。 これは、弧を筋肉の操作を主にして戻すのではなく、弾性的な作用を主に利用して戻しているためだと考えられる。 弧の弾性作用を認めれば、それにより自然に体が浮き上がり、自然に曲がりが戻る。 浮き上がることは、沈んだ重心を上に戻し、曲がりが戻ることは姿勢を真っ直ぐに戻す。 これは、弧が自然に姿勢を復元させる作用を持つことを意味する。 この復元作用は、姿勢が乱れることを防ぎ、動作と動作の間の滑らかな接続を可能にする。 これは、弧が動的に安定である1つの理由となる。 次回は、接触プレーについて見る。 |
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