週休たくさんで主にスペインサッカーを分析
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問1:
前半、下図のように相手のボランチにボールをさばかれ、主導権を握られた。
2-0とリードしたビジャレアルの後半における対応を述べよ。
選手交代は行わないものとする。




解答

前半リードされたとはいえ、内容的に優位であったヘタッフェが同じ方針で戦う可能性は高い。
ビジャレアルは、リードを奪った状態で、相手の思い通りにプレーさせる必要はない。
よって、守備を重視する変更を行う。

マヌエル・ペレグリーニは、実際に以下のような変更を行った。



ピレスが中央に入りデ・ラ・レーをマークし、ロッシがより左サイドに開いた。
相手の攻撃の鍵はデ・ラ・レーであり、その動きを阻害することが狙いである。



ただし、この変更を行うと左サイドに大きなスペースが残る。
一見危険だが、そうではないことを以下に示す。



まず、コントラが出てきた場合、カプデビラが対応する。
能力を比較して、ここから突破される可能性は低い。
この一対一で不利なら、この交代に意味はない。左サイドバックの守備における強さが鍵になる。

次に、コルテスのオーバーラップにはロッシが対応する。
また、カウンターにおいて、ロッシはコルテスの裏に走り込むことにより起点となる。

左サイドに不安がなければ、中央を厚くした利が大きい。
実際に、デ・ラ・レーを押さえられた後半のヘタッフェは完全に失速した。


問2:
ボランチのポジションに位置するゲームメーカーへの対策としては、下図のようにフォワードを一人下げてマークさせる方法が一般的である。
これを避けた理由を述べよ。



問2解答

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問2:
ボランチのポジションに位置するゲームメーカーへの対策としては、下図のようにフォワードを一人下げてマークさせる方法が一般的である。
これを避け、二番目の配置にした理由を述べよ。





解答

ロッシを下げた場合、ニハットが前線で孤立する。
これはカウンターにおいて非常に不利であり、相手を呼び込み、勢いづかせる可能性がある。
ニハットの位置に、ネグレドやフェルナンド・ジョレンテ、シギッチなどのようないわゆるターゲットマンがいる場合は、これも有効な解になる。



問3は、ヘタッフェの監督の立場から考えよ。

問3:
下図のように、デ・ラ・レーを押さえられたことで、攻撃に支障が生じた。
この解決策を述べよ。
交代を行うものとし、ベンチにはこの状況を打開するために理想的な選手がいるものと仮定する。



問3解答

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問3:
下図のように、デ・ラ・レーを押さえられたことで、攻撃に支障が生じた。
この解決策を述べよ。
交代を行うものとし、ベンチにはこの状況を打開するために理想的な選手がいるものと仮定する。




解答

相手が残したスペースを活用することが、最も直接的な方法である。
まず、一対一でカプデビラに勝つことのできる選手を右サイドの前方に置く。
次に、同じサイドのサイドバックにロッシを振り切ることができ、クロスの正確な選手を置く。

相手の守備は、カプデビラが一対一で勝つこと、ロッシがサイドバックをマークすることを前提として成り立っている。
これを崩すことが鍵となる。



交代の順番としては、上図の①を先に行い、②を先に行うことが基本である。
サイドバックを上げる場合、ロッシからのカウンターで失点する可能性が高まるためである。

ヘタッフェにおいて、①、②それぞれについて現実的な選択肢を考える。



右サイドの前方には、パブロ・エルナンデスが最も適任である。
スピードがあり、ドリブル突破に長け、クロスも正確だからである。
しかし、彼はこの試合に召集されていない。
代案としては、アルビン、マヌー・デ・モラル、コテロが考えられる。
スピードとドリブル突破を考えると、前二者が適任である。

右サイドバックは、コテロとマヌーが候補に上がる。
持久力が高く、クロスの的確なコテロが適任である。
守備を捨ててかかる場合、マヌーという選択肢もある。

まとめると下図のようになる。



実際には、左サイドにガビランを入れ、グラネロを右に配した。



これは、前述の交代と比べて以下の不利がある。
一つは、グラネロはスピードに優れる選手ではなく、スペースを縦に行く力が弱いことである。
二つ目は、後半から出る選手をカプデビラに当てる方が体力的に優位であることである。
グラネロは、ボールキープからのパスを得意としている。
その特徴をいかすならば、同時にコテロを右サイドバックに入れフォローさせることが理にかなっている。

最終的に、以下のような配置になった。



ビジャレアルは、中央を押さえるという主題を貫いた。
これに対し、ビジャレアルは、デ・ラ・レーを下げグラネロを中央に配したが、ゴール前に迫りきることができなかった。
作戦的には、ペレグリーノの圧勝であった。

疑問、感想、修整などありましたらコメントにてお寄せ下さい。

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次問
飛ばし
リバプール 2-0 インテル

青:リバプール、赤:インテル
0-0の後半リバプールは下の形を意図的に作る。



下の点線で囲まれた場所に仕掛けがある。



サイドからのハイクロスに対してディフェンスはクラウチに引き付けられる。



これはクラウチが高いボールに非常に強いためである。
その結果、クラウチがボールをスルーすればサイドのカイトがフリーでボールを持つ。
リバプールは常にこの形をつくっており、最初のゴールはここから決まった。
監督が狙って奪った一点である。



上の形は簡単に作ることができる。
これは、インテルが10人だったためである。
1-4-4-1では点線の部分が空く。ここで一度縦を突けばサイドにスペースができる。





回り込み
ベティス 2-1 レアル・マドリー

ベティスの1点目は下の形で決まった。
ベティスは試合を通してこの形を狙っていた。



マドリーの左サイドはマルセロであり守備に穴が多い。
2点目もほぼ同じ形で決まった。



マドリーの守備は下のようにサイドが空きやすい。
このため、上の形を作りやすい。



左サイドでボールを持てば、左サイドバックとセンターバックの間にスペースが空く。
そこを外から回り込んで狙う。

白いユニフォームがセビージャである。
バスケットのピック・アンド・ロールに近い技術が有効に使用されている。
中央手前から2人の選手がニアサイドに走る。
この時、中央奥側にいる2人の選手がニアサイドに走る選手のマーカーをブロックする。
これにより、2枚目の写真で中央上側にフリーの選手が2人できているのがわかる。
左下にいる金髪の選手はファーサイドにこぼれた球を押し込む役割を負っている。

写真ソース
http://www.elmundo.es/elmundodeporte/especiales/2007/09/liga_campeones/goles/jornada5/sevilla_arsenal/gol_2_1.html



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